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搾取の意味|子供/兄弟差別/社会・使い方や例文|搾取子/やりがい搾取

言葉の意味

搾取の構図は、近年社会問題となっています。その「搾取」の意味は資本家と労働者の関係だけではなく、親子や夫婦、恋人間にも及んでいて、多岐にわたります。この記事では搾取の意味や、どんな時に搾取が行われているかを紹介しています。

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「搾取」の意味と歴史

搾取の意味|子供/兄弟差別/社会・使い方や例文|搾取子/やりがい搾取

搾取の概念

「搾取」は元々、「牛などの乳や、果物の果汁を搾り取ること」を意味します。その意味から転じて、立場の強い人が、弱い人の利益を我が物にする様子を意味するようになりました。 「搾取」がこのような意味で使われるようになったのは、資本主義がヨーロッパで主流になってきた頃です。19世紀の経済学者カール・マルクスが資本家が労働者を無償、または低賃金でこき使う様子を「搾取」と表現してからです。 資本主義以前では、原始時代は「搾取」という概念は存在しないと言われていますが、階級社会になってくると、階級社会では奴隷を、封建社会では農民たちを搾取してきました。

社会的な「搾取」は農耕から始まった

社会的な「搾取」が発生するのは、「余剰生産」が発生する必要があります。「余剰生産」とは、自分が必要とする以上の量を生産することを意味します。 原始時代では生産者は労働者自身でした。自分や家族が生活するのに必要な分だけ生産すればよいので、自分が労働すれば事足りました。 やがて人々は家族や親族だけでなく、村を作ります。すると守るべきは家族だけでなく「村」という事になります。村人たちは役割を分担し、労働者は自分の生活に必要な分以上に生産し、村の財産としました。本来ならその村の住人のための「余剰生産」ですが、一部の人がその余剰生産を独占してしまい、「搾取」が発生しました。 このように、人々が村を作り始めたのは、農耕が始まった頃です。余剰生産された農作物を利用した特別な階級と、農作物を生産しつづける階級が固定されてきます。

現在にも至る搾取の構図

土地はいくらでもあり、どんどん農地を広げていきます。やがて土地を巡って争いが起こり、負けた土地の人々は「奴隷」となって搾取されました。 しかし、搾取された側の人々もただ黙っていたわけではありません。階級社会がやがて封建社会となっていくと、人々の不満は高まり、やがて「革命」が起こりました。封建社会が崩壊して、資本主義社会となって行きました。 産業が発達すると、物質だけでなく「サービス」も販売できるようになります。すると「生産手段」と「土地」の拘束から自由になった労働者は、「労働力」を生産者に販売せざるを得なくなります。 資本主義における「搾取」の意味とは、この「販売された労働力」に対して、十分な「売上=賃金」が払われない場合になります。

現代で行われている「搾取」の意味

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現代社会の「労働搾取」

日本も資本主義となってしばらく経ち、近年、「労働搾取」が問題となっています。その意味とは、例えば、会社で働いて20万稼いだとします。でも実際に稼いだのは40万円分です。10万円は会社の維持費、10万は会社の取り分となります。非常におおざっぱな例えですが、「現代の会社で働く」と、このようなお金の流れとなります。 半分は会社に取られますが、その分会社は「リスク」を背負っています。会社が経営指針を決め、道を切り開くので、労働者はそれに従います。たとえ経営が破たんしても、労働者がその負債を背負うことはなく、新たな会社に行く事ができます。 しかし、会社の取り分が多く、経営が軌道に乗って会社の売上が増えても、労働者の取り分が少ないまま、というような会社は「労働搾取」となります。

低賃金労働の行き着く先「やりがい搾取」

きわめて低賃金で働かされてしまう事を「労働搾取」と言いますが、その中でも近年取沙汰されているのが「やりがい搾取」です。「やりがい搾取」とは「この仕事はやりがいがある」という労働者の意欲につけこんで、「そんなにやりたいなら、低賃金でもいいよね」「もっと労働時間が長くてもいいでしょ」と搾取してしまう事を意味しています。 この概念が出始めたのは2007年ごろの事です。もともと人は、若いうちは賃金よりも、自分の能力や才能を発揮できる場所を重視する傾向にあり、「この仕事は自分に向いている」と思うと、ついつい頑張ってしまいます。 しかし度を越して長時間働いていしまうと、心身の健康が脅かされてしまい、行き過ぎれば「うつ病」や「過労死」にまで発展してしまいます。

家庭内での搾取の意味

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親に搾取される子供たち

「搾取」の現場は、社会だけではなく家庭内にも存在します。親子間の「搾取」は近年になってクローズアップされて来ました。家庭内の搾取の意味は金銭や労働だけではなく、「エネルギー」にまでおよびます。 例えば、子供のお年玉を親が取り上げてしまったり、祖父母の介護を子供に任せっきりにしてしまう事は分かりやすい搾取ですが、愚痴の聞き役にさせたり、夫婦喧嘩の最中に子供の部屋に逃げ込んで仲裁役をさせたりなど、まるで親子関係が逆転しているような状態も、子供の心の健康上によくないという意味で「エネルギーの搾取」と言われ、虐待の一つと言われています。

搾取するために産んだ搾取子

こうした「親になり切れない親」「頼りない親」という問題の根は深く、近年は「毒親」という言葉も生まれました。こうした「エネルギー搾取」の虐待を受ける子供は、大まかに分けて3つのパターンに分かれます。 まずは「放置子」です。両親が家にいなく、子供に無関心で、躾を受けていない子供を意味していて、近所の家に勝手に入ってきて、おやつや食事をねだってきます。事情が事情なだけに断りづらく、近所の悩みの種となっている事もしばしばあります。 「愛玩子」はペットのような子供という意味です。一見可愛がっているように見えますが、それは子供の可愛がり方とは違います。親がすべてを決めてしまって自由がなく、少しでも親から離れようとすると、強烈な妨害を受けて断念させられるので、自立心が育ちません。結果、自分一人では何もできない大人となってしまいます。 そして「搾取子」とは、まさしく搾取するための子という意味です。

子供からの搾取と兄弟差別の構図

「搾取子」は「愛玩子」とセットで育てられている場合があり、搾取子は長男・長女に多いと言われています。そして第2子以降を可愛がる傾向もみられ、「搾取子」と「愛玩子」の扱いの差が「兄弟差別」の意味です。なぜ兄弟差別が起こるのかというと、親が心に問題を抱えている事が一番の原因です。 心に問題を抱えている人は、ストレスを自分で処理できず、「目の前にいる人」をストレスの捌け口にしてしまいます。ストレスを受けた時に、たまたまそこにいたのが第一子です。 また心に問題を抱えた人は思い込みも激しく、「自分は親だから正しい、子供は未熟だから間違っている」と決めつけます。第一子を捌け口にしているのは、第一子が悪い子だからと思い込んでいるからです。 一方、愛玩子には「よい子を育てる自分」という幻想を押し付けています。愛玩子は「素直な良い子」で、第1子は「わがままで悪い子」だとますます思い込む事になります。

愛情の搾取

家庭内の搾取については、親子間だけではなく、夫婦間や恋人間でも起こります。2016年に放送されたヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」では「愛情の搾取」と表現され、多くの人々が認識するようになりました。 その意味はドラマ内では相手の愛情を逆手に取って、無償で家事をしてもらおうとする事と定義されていました。いわば専業主婦や兼業主婦になる事と言えます。 このセリフは世間では賛否両論でしたが、「愛情の搾取」という言葉のキャッチーさから「愛しているよ」と言葉を吐きながら、暴力や暴言で支配しようとするDVも、ある意味「愛情の搾取」の一種だろうと考える人もいました。

搾取と似た意味の言葉と使い分け

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搾取

ではここで、搾取の意味をおさらいしましょう。搾取とは「絞り取ること」ですが、それが転じて労働などの対価を払わずに、その労働の成果を不当に所有することです。 また労働にかぎらず、自分のストレスを回避するために、他人をストレスに晒し、心身の健康を阻害する結果となれば「搾取」と言えます。

収奪

「収奪」とは、権力を持っている人が、立場の弱い人から強制的に奪い取る事を意味します。 「搾取」も権力者が立場のある人に奪われる事ですが、こちらは一応、少ないけれど賃金を払っていたり、「やりがい」や「愛情」をちらつかせて、言葉巧みに「不当な労働ではない」と思い込ませます。しかし収奪ではそんな事もせずに強引に奪い取るという意味があります。

詐欺

「詐欺」も「搾取」と同じように、言葉巧みに相手を騙して、財産を奪い取る事を意味していますが、搾取とは違い、詐欺は「騙すこと」「嘘をつくこと」に比重を置いています。 例えば、労働時間や労働内容を偽った嘘の労働契約書で働かせれば「詐欺」になり、刑法で裁かれますが、過酷な労働でも契約内容に嘘はない場合は「搾取」と言えるでしょう。

搾取されないために

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搾取されてしまう人は「自分に自信がない人」だと言われています。それは搾取している側から自尊心も奪われているためとも言えるでしょう。 搾取の構図から脱却するには「自立すること」が一番の解決策です。それは会社を退職して独立する事であったり、頼りない親や、配偶者から離れて一人暮らしすることだと言えます。 もし「搾取されている」と感じたら、少しでも早くその相手から遠ざかり、自信を回復する事を考えましょう。

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