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更新日:2024年07月23日
「高砂」という言葉の読み方や意味をご存知ですか?「高砂」は古来より日本で使われてきた言葉で、その名は多くのものにつけられており、またたくさんの意味を持っています。本記事では、「高砂」の意味について詳しくご説明していきます。
結納(ゆいのう)の意味とは、若い二人の将来的な結婚や、婚約の成立を確約するために、両家で品物などを取り交わす日本の習慣のことです。また、品物を取り交わす儀式自体のことや、その際に取り交わされる品物のことを指して結納を意味することもあります。 その結納品のひとつに「高砂人形」があります。主に関西地域での古くからの結納品のひとつ、おじいさんとおばあさんの一対の人形のことです。長寿と夫婦円満を意味する縁起物と言われています。
おじいさんが持つ熊手は「福や財運を集める」という意味を持ち、おばあさんがが持つほうきは「邪気をはらう魔除け」の意味を持ちます。これは「夫婦がともに助け合い、夫が幸福や財産を集め、妻が家庭を守る」という意味につながります。 また、おじいさんとおばあさんの人形はふたつのことを表現しています。「高砂やこの浦舟に帆をあげて」の謡曲で有名な能の「高砂」がひとつと、もう一方は能のもととなった「相生(あいおい)の松」という伝説に出てくる「おじいさん」と「おばあさん」の姿をした松の木の精霊です。
松は、年中緑色をしている常緑種であることから、長寿のめでたさを意味しており、昔から神が宿る木として人々の間で大切にされてきました。中でも 「相生(あいおい)の松」とは、黒松(雄松)と赤松(雌松)が同じ根から生えた松のことで、同じ松の中でも特別で神聖な木と称され、縁結びや夫婦円満、長寿の象徴として崇められています。
結婚式の披露宴で、新郎新婦の席を「高砂」といい、招待されたゲストの席より一段高く作られます。現在は高い段が作られる結婚式も昔ほど多くはありませんが、その頃の名残で新郎新婦の席のことを「高砂」と呼ぶこともあります。 また、結婚式の場面では、媒酌人(仲人)が縁起がよいと言われる謡曲高砂を謡うのが昔の風習でした。しかし同様に、媒酌人が高砂を謡うことは滅多にありませんし、媒酌人すら立てない結婚式が主流になってきています。 しかし、長く引き継がれたその伝統は高砂人形とのつながりを髣髴とさせる文化であり、高砂人形のように末永く、ふたりがおじいさん、おばあさんになっても仲むつまじく添いとげられるように、という意味の願いがこめられています。
今では、掛け軸を家に掛ける文化は薄らいできていますが、高砂の掛け軸は昔から結納や婚礼のときに掛けられてきました。高砂人形や能楽ともつながりますが、同じ意味で高砂の掛け軸は、ともに老いても永遠におたがいを思いあって、という夫婦円満を願う意味が込められた掛け軸です。結納・婚礼だけでなく、還暦や銀婚式、金婚式などの夫婦のお祝いの席にも掛けらてきました。
小倉百人一首 73番 たかさごの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらむ 「高砂」の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ
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