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綺譚の読み方/意味/由来/同音異義語・綺譚を使用した作品

更新日:2024年10月12日

言葉の違い

綺譚という言葉は、本などのタイトルで見かけても、その意味や由来などご存知でしょうか。綺譚のタイトルの付いた小説やコミックには、不思議なことや、奇想天外な内容のストーリーを描いたものが数多くあり、今回は綺譚のタイトルが付いた作品などをご紹介させて頂きます。

綺譚の読み方は?

皆さんは綺譚という言葉を聞いたことがあるでしょうか。小説やコミック、芝居のタイトルで見かけたことがある人もいるでしょう。 漢字の雰囲気で何か奇怪な話を連想させるようで、不思議なものや怖いストーリーが好きな方には興味を引く言葉です。実際、幻想文学やミステリーのジャンルの小説やコミックのストーリーに使われています。今回は綺譚の意味や由来、綺譚のタイトルの付いた作品などをご紹介させて頂きます。

きたん

綺譚という漢字は、奇想天涯なストーリーや、受け継がれてきた語りものをイメージさせる言葉ですが、読みは「きたん」、あるいは「きだん」で、一般の辞書には載っていません。 「綺」と「譚」はそれぞれの単語では掲載されていて、「綺」は、古代の細長いひも状の織物のことで、「かむはた」と呼ばれていました。着物の帯や、お経を書いた巻物を結ぶためのひもに使用されていました。 また綺羅(きら)という言葉があり、幾何学的な綾模様の絹織物と、薄い絹の生地を意味し、美しい衣服をいいます。「綺羅を飾る」とは立派だったり、美しい洋服や着物で盛装することで、「綺羅星」とは美しく瞬く星のことをいいます。 「譚」は、古くからの言い伝えや虚構の世界に満ちた物語を意味し、冒険譚などの使い方をします。

綺譚の意味は?

綺譚の「綺」は、綾織物を意味し、言葉などが美しく優れていることをあらわすことにたとえられます。「綺」を使った言葉には、人の姿や景色などをきれいという時の「綺麗」がありますが、一般的には常用漢字である「奇」を使います。 綺語(きご)は、小説や詩の文の美しく飾った言葉をいいますが、悪い意味もあり、事実に反してうわべだけをきれいな言葉で飾り、言いつくろうことを表し、仏教の十種類の悪事の一つとされています。 他に綺語抄(きごしょう)という平安時代の歌学書があり、藤原仲実が著した、国語辞典の先駆けの書といわれています。

美しく優れた物語

綺譚は、美しく優れた意味を持つ「綺」と、物語のことをいう「譚」を合わせて美しい文章で書かれた優れた物語をいいます。

綺譚の由来は?

綺譚は、昔の人が歴史の中で新しく作って増やしたり、ひらがなとカタカナを生み出した過程で生まれた漢字ではなく、新しい造語であるため一般の辞書には載っていません。 綺譚という言葉は、「あめりか物語」「すみだ川」などの作品を残した作家、永井荷風が作り出した独特の造語です。造語とは、既に存在する単語を組み合わせて作られた新しい言葉(複合語)をいい、綺譚の漢字を最初に生み出したのが、永井荷風です。

文学者永井荷風が漢文の文字を借用して作った造語

永井荷風1879年(明治12年)12月3日ー1959年(昭和34年)4月30日、東京小石川生まれ、本名壮吉は、小説家、随筆家として多くの作品を残しました。荷風は、漢学者岩渓裳川(いわたにしょうせん)の下で漢学を勉強し、鷲津毅堂(わしづきどう)の弟子となり教えを受け、漢詩人として名声を博しました。 綺譚という言葉は、漢文学に造詣の深かった永井荷風が、中国の漢詩や漢文にある漢字と、その意味を借りて作り出した造語です。

綺譚の同音異義語は?

綺譚の同音異義語には、奇談、綺談、奇譚があり、「奇談」は、他にそれまで聞いたこともない、人の好奇心をあおる風変わりな珍しい話をいい、「綺談」は、うまくこしらえられた、人の興味をひく面白い話をいいます。 「奇譚」は、普通では考えられないような風変わりな話や、昔から民衆の間で語り伝えられてきた伝説や物語などをいいます。 ちなみに類義語には「異聞」、「奇話」、「奇聞」、「逸聞」があり、これらが共通する意味は、よく聞くようなありきたりな内容の話ではない、奇妙で不思議だと感じる噂や珍しい話になります。

綺譚永井荷風の作品をいう場合

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初回公開日:2017年12月26日

記載されている内容は2017年12月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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