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リファレンスチェックの方法・質問内容・個人情報保護法の影響

転職ノウハウ

転職活動の際「リファレンスチェックを依頼してもいいですか?」と尋ねられた経験をお持ちの方がいるかもしれません。日本では馴染みが薄い言葉ですが、海外では必ずと言って良い程必要な作業です。英語で【reference】と書き、「参照する」という意味になります。

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転職者のリファレンスチェックの方法

転職者のリファレンスチェックの方法

リファレンスチェックは、中途採用者の全てを対象にしている訳ではありません。「リファレンスチェックを行う必要であれば」企業が調査会社やエージェントを通して、求職者のリファレンスチェックを行います。もちろん、リファレンスチェックを行う際には求職者の同意が必要になります。気になる方は、なぜ今回の転職活動に関してリファレンスチェックが必要かを訊ねる事が大切です。

前職

リファレンスチェックで行うのは、あなたが書いた履歴書と職務経歴書に書かれている内容が本当であったかどうかを照らし合わせる事が、基本的な目的です。一般的には「直近の前職」で就いていた役職に間違いがないかを確認する作業です。また、役職が部長職以上だと、転職した後も同じ位高いレベルでの仕事内容や、マネージメントを求められることもあるので、人柄として信頼できるかどうかもチェックする目安の一つになります。

同僚

同僚

人柄として信頼できるかどうかに関して、前職の元同僚へリファレンスチェックが及ぶことはほとんどありません。また、在職中に転職活動を行っている場合で、上司にリファレンスチェックをお願いする場面が発生することもありますが、同僚にその内容を開示する事はタブーとされています。

上司

主にリファレンスチェックをお願いする事になるのが「前職の元上司」または「現在の上司」になります。いずれにせよ、あなたに対して人事権を行使できる立場の人、という理解で良いでしょう。小さな会社の場合、社長がそれを行う事もありますが、リファレンスチェックは三名程用意するというケースもあります。また、人事権を持っていない上司もリファレンスチェックを行う場合もあります。

取引先

転職者がそもそも会社の代表格であった場合、その人に対して人事権を行使できるのは、海外本社の代表であるなど、連絡が非常に取りづらいケースも発生してきます。そこで、取引先も代表格や、役職として信頼できる人と認められる場合には、取引先がリファレンスチェックの対象者になることもあります。

質問

リファレンスチェックで質問される内容は、あらかじめ決まっています。質問内容を見せてください、とお願いし、内容を一度見せてもらいましょう。おおよそ設問は5問程度で、自由回答の形式になっています。質問内容を見ると拍子抜けする事が多く、「あなたはまたこの人と一緒に仕事をしたいと思いますか?」など、簡単に答えられる内容です。

リファレンスチェックの依頼先

調査会社

主に、人材紹介エージェントを使って人材を探していないケースで発生します。人材紹介会社に支払う代金の中には、リファレンスチェックを行う代金も含まれています。もしくは、人材紹介会社にリファレンスチェックを行うことができる人材がおらず、ノウハウが分からないという場合や、業界でリファレンスチェックを行うのが日常的にあるケースは、お抱えの調査会社へ依頼する事もあります。

エージェント

ここで言うエージェントは「人材紹介エージェント」を指します。外資系人材エージェントであれば、リファレンスチェックのノウハウはしっかり掴んでいるので、リファレンスチェックのプロセスについて聞いてみる事をお勧めします。経験が無いエージェントの場合には、リファレンスチェックを知っているエージェントを探してみましょう。

リファレンスチェックのタイミング

内定前

通常リファレンスチェックを行うのは内定前や、最終面接の直前などに行われます。リファレンスチェックを行うかどうかの事前告知はありますが、結果内容について本人に伝える事はまずありません。リファレンスチェックの結果がどうあれ、最終面接で見極める企業が多いので、最後まで気を抜かず選考へ向かう姿勢が大切です。

内定後

内定後にリファレンスチェックを行うことは、採用する企業側にとってもリスクがあります。法的に内定通知書は縛りがありませんので、内定通知書を出した後に不採用という決断を企業が下しても、求職者側は諦めることしかできません。 しかし、SNSが発達した現在、そのような行いは誰しも避けています。内定後のリファレンスチェックは、採用側の都合で「一応やっておこう」という程度のレベルで捉えて差し障りはないでしょう。

リファレンスチェックの質問内容

仕事内容

最もリファレンスチェックで重視されるのが、この仕事内容と言ってよいでしょう。具体的には、あなたが就いていた「役職」で「果たすべき仕事を行ってきたかどうか」に対する評価を問われます。具体的なところまでヒアリングするケースは稀ですが、求職者の全体像を掴むのに重要な質問項目になります。

成果

成果

中途採用の場合同じ業界で転職をする人も多く、その成果は営業成績や、獲得顧客であれ、非常に大切な採用基準です。職務経歴書に自分を大きく書いたがために、転職後自分の力が及ばずまた転職する羽目になった、ということも発生します。素直に、ありのままを提出書類に書いておけば、問題なくクリアできる事項です。

勤務態度

仕事は良くても性格がいまいちで、という評価がどれだけ転職活動に影響を与えるのか考えてみて下さい。転職というのは、全く新しい人間関係を構築しなくてはいけない状況へ足を踏み入れるということです。いくら仕事が優秀にできる人であっても、新しい会社の人間関係を壊すような人材は受け入れられません。

退職理由

同業界での転職をする人を対象にするならば、退職理由は重要な項目の一つになります。業界によっては、特殊な知恵やスキルが必要な分適切な人物を探すのも非常に苦労します。しかしいくら優秀な人材だからと言って、会社に多大な損失を与えた過去を隠している人を素直に雇うのもリスクを背負うことになります。

個人情報保護法の施行により事前に本人による承諾が必要となるリファレンスチェックの調査項目

2017年に個人情報保護法が改正され、これまでグレーゾーンだった個人情報の取り扱いがより明確化しました。これから紹介する6つの項目は「要配慮個人情報」に該当し、より高い基準で守らなくてはいけない個人情報に該当します。官公庁のホームページに、詳しい内容が載っているので、事前に要点を抑えておくことも大切です。

人種

ここで言う人種とは、日本人やアメリカ人と言った国籍の違いを指してはいません。人種や民族などを指しており、それを理由として採用の可否を決めることはできません。

信条

本人の思想や信仰だけではなく、あなたがこれまで培ってきた信念や精神性などを含めた「思考」全般を指します。考え方が違うことを理由に採用されないということはありません。

社会的身分

ここで言う社会的身分とは、本人が避けられなかった地域に生まれたことを指します。履歴書に書かれている住所を見てその地域出身の人を採用できない、とすることは違法にあたります。

病歴

これまでどんな病気にかかったことがあるか、を指します。これまで罹患した病気を理由に、採用の可否について判断することはできません。

犯罪歴

有罪判決を受け、確定したことを指すのが犯罪歴です。当事者を偏見の目で見る事は許されないという理由から、犯罪歴を理由に採用の可否を判断することはできません。

犯罪被害情報

種類を問わず、犯罪の被害を受けた事実を指しています。本人の不利益がないように定められた法律なので、取扱は慎重にしてもらいたいものの一つです。

リファレンスチェックで虚偽が発覚した場合のリスク

内定取り消し

最も避けたいのが「内定取り消し」です。内定を出した後に、リファレンスチェックが採用企業側へ渡ったことにより発生するケースといえます。相手側が虚偽だと主張しても、自分の言い分を聞いてもらうチャンスを用意してもらえるように、アクションする事が大事です。

不採用

大切なことはリファレンスチェックの結果だけで不採用になった、という訳ではないと考えることです。リファレンスチェックは過去の出来事だけを抽出し、その上、一部の人だけの意見を反映したものだというこを忘れないでください。

回避する方法

採用企業側がリファレンスチェックを必要としている場合には、調査会社かエージェントにリファレンスチェックを「いつ企業側へ提出するかどうか」を、書類選考などの初めの段階で必ず確認することです。もし採用企業側にとって気になる点がリファレンスチェックで出てきたとしても、最終面接で本人の人柄や技術を重視し、無事に内定を獲得することもできるからです。

リファレンスチェックを採用している企業

外資系企業

職位が高く、次の職場でもある程度の信頼性がないとできない職位や、研究など特許に関わるような高度な技術を持つ職種や業界でリファレンスチェックを行うケースが多いです。リファレンスチェックの絶対的な定義は存在せず、採用活動の中で、募集企業が行っている場合には従うしかないのが現状です。

リファレンスチェックを自分の味方に付ける

期待値が高いから行うケースもある

リファレンスチェックと聞くと、身上調査と勘違いしてしまうこともあります。過去の自分のことを、自分以外の人間に話をされるのは気持良いものではありません。そこまでするならこの企業を受験するのは止めておこうか、と考えるのも自然なことです。しかし、リファレンスチェックをされる、ということは期待値が高いと言い替えることも可能です。

自分も企業を選ぶ権利がある

少子化社会で人材を採用し辛くなっている昨今は、どの企業も良い人材を獲得したく躍起になっています。リファレンスチェックは、企業側も仕事を探す側の間に一定の距離を置き、冷静に相手を判断する手段の一つと考える事が出来ます。今後、転職活動の中でリファレンスチェックを要求された場合には、自分もこの企業を選ぶ権利があるのだ、と思いなおしてみましょう。

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