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「遊興費」の定義/類語・「交際費」との違い・経費にできる?

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遊興費は趣味や旅行など楽しみや遊ぶことに使う費用です。家計簿や国の統計などでは、娯楽費とか教養娯楽費の名目で集計されています。類似の費用にレクリエーション費や交際費などもありますが、それぞれの違いや適切な遊興費の範囲、確定申告での計上などについて紹介します。

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「遊興費」の読み方

「遊興費」、なんと読むのでしょうか。「ゆうきょうひ」、「ゆうこうひ」、放送局のアナウンサー、プロでも間違えることがあるそうです。

「ゆうきょうひ」が正解

「遊興費」は「ゆうきょうひ」と読むのが正解です。遊興費は遊びに使う費用のこと。「遊びに興じる(きょうじる)」から遊興費と読みます。 「興」という漢字には二つの意味があります。興味とか余興、一興などに使われる「興」には「おもしろがること」とか「おもしろみ」という意味があって「きょう」と読みます。一方、興奮とか再興、振興などに使われる「興」には「おこる」とか「おこす」、「さかんになる」というような意味があって「こう」と読みます。 「遊興」はおもしろく遊ぶことという意味なので、「こう」ではなく、「きょう」と読みます。辞書、辞典には「遊び興じること」とか「おもしろく遊ぶこと」とされていて、特に、料理屋や待合などで酒を飲んだりして遊ぶことという注釈が付いていて、お酒とは切り離されない行動形態と言えます。

「遊興費」の定義

遊興費の正式の定義はありません。総務省統計局が毎年、家計調査報告というのを発表していますが、消費支出を10項目に大分類しています。「食料」とか「交通・通信」、「光熱・水道」などの分類ですが、「遊興費」というものはありません。 「遊興費」に近い分類では「教養娯楽」という項目があるのですが、「食料」のなかにも「酒類」や「外食」、「その他の消費支出」のなかに「交際費」や「こづかい」などが含まれていて、「遊興費」に当たる支出が分散されています。ちなみに、「教養娯楽」の小分類には、「教養娯楽用耐久財」、「教養娯楽用品」、「書籍・他の印刷物」、「教養娯楽サービス」の4項目があげられています。 また、市販の家計簿などでも「遊興費」を勘定項目にしているものは見当たりません。家計簿の専門サイト「家計簿っち」では「家計簿の項目には正解はなく、自分のやりやすいように自由に設定しましょう」とし、あえて細かく分類すれば「遊興費」は次のような項目になるとしています。 ■外食 ■レジャー ■映画 ■DVD・CD ■書籍・雑誌 ■呑み会 ■その他遊興費 一般的な生活レベルで言うと、最低限の食費・被服費・住居費・光熱費・通信費・交通費・医療費・教育費などを除けば、後はすべて遊興費とも言えるのではないでしょうか。

「遊興費」の類語

遊興費に似た類似の費用に娯楽費とレクリエーション費があります。娯楽費のほうが遊興費よりややソフトな語感がして、範囲が狭いような感じがあります。レクリエーション費は個人として計上するということではなく、福利厚生費として企業が計上できる項目です。それぞれの内容をみてみましょう。

娯楽費

娯楽費は「遊びに使うお金」という意味合いになりますが、遊興費と同じようにどのように線引きするかが難しい費用です。 例えば外食を食費とするか、娯楽費ととらえるかの線引きですが、基本的なルールとして「必ずしも必要でないもの」や「楽しむ」というような側面があれば娯楽費とするという考え方が優勢です。カフェ代とかアルコールを含む外食、コース料理とか居酒屋などで一人2~3千円を超えるような外食などは娯楽費と言えるでしょう。 総務省統計局の家計調査報告で分類されている教養娯楽費について、日本生協連合で具体的に対象物品やサービスを次のように例示しています。 教養娯楽品:カメラ、CD・DVDソフト、パソコンソフト、テレビゲーム、電子手帳、楽器、ペット(ペットにかかる費用を含む)、教養娯楽品の修理代、鉢植え、園芸用品、花、肥料、市民菜園の借地料など教養娯楽サービス:旅行費用(交通費、宿泊費、食事、入湯税、その他帰省や旅行中の費用)、料理教室・ヨガ教室などのレッスン費用、映画や観劇などの鑑賞代、テレビ受信料、プールなどの施設利用料、記念写真代など 必需品であるかどうかの判断の他、趣味の範囲であるかや贅沢であるかどうかなどの判断も加えて、娯楽費とするかを決めるのが良いでしょう。

レクリエーション費

レクリエーションは仕事や勉強などの疲れを癒やして、元気を回復するために行う娯楽などのことなので、個人ではなく、会社や学校、介護施設のようなところなどで行なわれています。忘年会や歓送迎会、社員旅行などが代表的なものと言えるでしょう。 レクリエーション費用は、一定の条件を満たせば課税対象にはならない福利厚生費として計上することができます。忘年会などの宴会の場合の条件は次の3点です。 ■全社員を対象とすること(やむを得ない欠席者いても良い) ■会社の費用負担が一律であること ■会社が負担する金額が、社会通念上高額にならないこと 宴会の後の二次会、三次会などについては認められませんので、接待交際費とする方が良いでしょう。社員旅行も次の条件をクリアすれば福利厚生費とすることができます。 ■旅行の期間が4泊5日以内であること ■旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること 役員だけで行なう旅行や取引先に対する接待、供応、慰安などのための旅行は福利厚生費としては認められませんので、それらの費用は給与、交際費などとして処理する必要があるでしょう。

「遊興費」に含まれるもの

どこまでが娯楽費、遊興費なのかは、外食を例にとっても難しい判断になりますが、「楽しむ」とか「必要なものか」、「贅沢」、「浪費」などのキーワードで区分けすると良いでしょう。趣味や旅行の費用で遊興費に含まれる費用はどのようなものでしょうか。

趣味に関する費用では

趣味に関する費用は、ほぼ100%遊興費と分類して良いでしょう。趣味というのは、仕事・職業としてではなく、個人が楽しみとしてしている事柄で、道楽と同じように定義することもあります。 趣味に関しては、むしろ遊興費として見逃している費用があるので注意が必要です。例えば、趣味がドライブの場合には、それに要したガソリン代や高速代なども交通費や車両費などに組み入れる費用ではなく、遊興費とすべきでしょう。趣味が料理だった場合の食材などの購入費用にも、本来は遊興費として区別したほうが良い費用がありそうです。

旅行の費用の内訳では

旅行に関する費用も、ほとんどは遊興費に分類されるとみて良いでしょう。もちろん、冠婚葬祭などに要した交通費は、遊興費ではなく交際費の分類になります。その旅行の目的や、旅行中に使った費用の目的などによっては遊興費には含まれないものもでてきます。 旅行中にやむを得ず購入する日用品や、衣服が汚れてしまった、あるいは靴やカバン、時計などが壊れてしまって買い替えたようなものは、通常の被服費や生活雑貨費などに分類したほうが良いでしょう。なお、趣味のところでも説明しましたが、旅行に費やしたガソリン代などの費用は遊興費になりますし、旅行のための保険なども遊興費の分類になるでしょう。

「遊興費」と「生活費」のバランスの取り方

では、遊興費は支出のうちのどのくらい使われているのでしょうか。適正と考えられる遊興費はどの程度でしょうか。裕福な人と普通の人とでは使い方が異なるでしょうし、遊興費の捉え方も異なりますが、どの程度なのか実態をみてみましょう。

遊興費の割合は

理想的な支出比率

「節約・貯金・家計簿の教科書」というサイトで「理想的な支出比率」を提示しています。家族構成別に遊興費に関連する支出項目の理想的割合を次のようにしています。 ■夫婦2人だけの家計 趣味・娯楽費   3% 交際費      2% 小遣い(夫婦計) 12% その他      3% ■夫婦と子供(小学生以下)の家計 趣味・娯楽費   2% 交際費      2% 小遣い(夫婦計)  10% その他      3% ■独身者(一人暮らし)の家計 趣味・娯楽費   4% 交際費      5% その他      6% 交際費を除いて合計すると10~15%程度になり、趣味・娯楽費のみでは2~4%の割合としています。

家計簿集計報告

また、生活協同組合コープかながわが神奈川県内のデータですが、世代別の教養娯楽費の収入に対する割合の実態を調査しています(2012年)。 20代     3.2% 30代     3.6% 40代     3.3% 50代     3.8% 60代     7.7% 年金世帯   8.2% 全世代平均  4.2% 高齢になるほど教養娯楽費への支出割合を増やせることが良くわかるデータです。

月平均の費用は

遊興費のうち純粋に趣味・娯楽費あるいは教養娯楽費といえる費用は全体の4%程度です。月にいくら教養娯楽費に費やすかは、裕福な人と普通の人とでは違うでしょうが、月収に4%を掛ければでてくる金額です。 コープかながわによる調査では、2012年の全平均の教養娯楽費は27279円でした。総務省統計局家計調査報告の2016年の二人以上の世帯のデータでは、教養娯楽費は月28159円で全支出の構成比は10.0%でした。それぞれで家族構成の違いや教養娯楽費の細目が異なる部分もあるので、割合や金額も異なりますが全国の平均的には月3万円弱という教養娯楽費が妥当な数字でしょう。

全支出の内訳

遊興費は全支出の10~15%程度におさえて、他の食費や住居費などの生活費とバランス良くして生計をたてる必要があります。さきほどの総務省統計局の家計調査報告2016年から二人以上世帯の各支出項目の毎月の費用と構成比をみてみましょう。

項目月平均支出額構成比(%)
全消費支出282188100.0
食料 72934 25.8
住居 16679 5.9
光熱・水道 21177 7.5
家具・家事用品 10329 3.7
被服および履物 10878 3.9
保健医療 12888 4.6
交通・通信 39054 13.8
教育 11310 4.0
教養娯楽 28159 10.0
その他の消費支出 58780 20.8

なお、交際費はこのなかのその他の消費支出に含まれていて、月平均支出額は20903円、構成比7.4%になっています。教養娯楽費は楽しみのための費用なので、少し多めに使いたいという気持ちになりがちですが、衣食住や光熱費などの生活必需項目を圧迫することがないようにバランス良く支出するように心がけましょう。

「遊興費」と「交際費」の違い

遊興費と交際費の違いは、遊興費が楽しむあるいは遊ぶための費用なのに対して、交際費は必要なお付き合いのための費用です。 交際費として解りやすいのは、冠婚葬祭に関わる費用です。ただし、結婚式の二次会などで気の合う仲間と別のお店での飲み会などへの参加費用は遊興費の範囲になるでしょう。 つまり、自分の意思でお金を使って楽しんだり遊んだら遊興費で、誘われて飲食などした場合は交際費ということになります。職場の上司などに誘われて飲食した時なども交際費と言えるのですが、楽しみ方、遊び方で微妙な判断になることもあるでしょう。 企業の場合の交際費は、取引先との飲食代やお得意先へのお祝い金・贈答品、取引先とのゴルフ代などが対象になって、遊興費としてではなく計上できる費用になっています。

「遊興費」は経費に計上できる?

会社勤めの個人の場合には、遊興費を確定申告などの際に、必要経費として計上することはほとんどできません。どのような場合に計上できるのかをみてみましょう。

確定申告とは

確定申告は、毎年の収入・支出、医療費や寄付、扶養家族状況などから所得を計算し、申告書を税務署へ提出して納付すべき所得税額を確定することです。会社員や公務員など給与所得者は、年末調整で最終的な税額が計算されますが、次のような場合は原則として確定申告を個人で行なう必要があります。 ■給与の収入金額が2,000万円を超える場合 ■給与を1か所から受けていて、給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える場合 ■給与を2か所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える場合 ■その他、同族会社の役員の場合や災害減免法の適用を受けた場合などに申告を行なう条件などがあります。 確定申告では医療費や生命保険、寄付、扶養家族状況などによって所得から控除される費用の他に、事業者の場合は業務に要した必要経費を計上して収入から控除することができます。

確定申告で経費として計上できる遊興費関連費用は

遊興費に関連する費用を確定申告で計上することは、会社員のような給与所得者ではほとんど不可能なことですが、企業や個人事業者の場合は業務に必要な経費として計上し税額を減額することができます。 遊興費関連の費用のなかで、確定申告で必要経費として計上できるものには次のようなものがあります。 ■福利厚生費:従業員の慰安のための社員旅行や、忘年会などの会食費用、レクリエーション費用、お祝い金、お見舞金など。 ■交際費:取引先との飲食代、お得意先へのお祝い金や贈答品、取引先とのゴルフ代など 遊興費の範囲からは外れるものもありますが、旅費交通費や消耗品費、図書費、衣服費などにも必要経費として認められるものもありますので、領収書や記録はしっかりと保管しておきましょう。

生活の潤滑油として遊興費をバランス良く使おう

遊興費は生活に潤いを与える趣味や旅行、娯楽、ちょっとした贅沢などに有効に使いましょう。全体の支出の10%程度で、衣食住などの生活費に影響を与えない範囲で人生の楽しみのために使う費用です。 ギャンブルなどにはまって大損するようなことがないように、毎月一定の金額の範囲で使うようにするのが良いでしょう。趣味や娯楽がない生活なんて考えられません。生活の潤滑油として遊興費を適時・適所で有意義に使うようにしましょう。

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