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とりあえずの意味・ビジネスで使うのはNGか・正しい敬語表現

敬語

「とりあえず」という言葉、よく耳にしますよね。自分で使う機会も多いでしょう。しかし、「とりあえず」という言葉の意味を、きちんと理解しながら使っていますか?実は、意味を知らないままに「とりあえず」を使ってしまうと、相手に失礼になってしまう可能性があります。

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「とりあえず」とは?「とりあえず」の意味や由来

「とりあえず」とは?「とりあえず」の意味や由来

「とりあえず」という言葉は、副詞に該当します。副詞とは、動詞や形容詞などの前につけることで、副詞がつけられた言葉の程度や様態に制限をくわる品詞です。なじみ深い副詞に、程度をあらわす「ますます」「やや」など、様態をあらわす「ゆっくり」「わざと」が挙げられます。 「とりあえず」という言葉には、多くのニュアンスが含まれていますが、その意味は主にふたつに分けられます。

意味1)十分な対処は後回しにしてでもすぐにおこなうこと

「とりあえず」には、本当は十分な対応をしなければいけないことがらに対し、まず暫定的に対処をするという意味があります。ポイントは「すぐに」対処をするという点です。

例文

・合格が決まったので、とりあえず母に連絡した。 ・とりあえず、今日のうちにこれだけはしておこう。 ・とりあえず応急処置をした。 ・わかりました、とりあえずわたしが対応します。 ・とりあえずお知らせ申し上げます。 「とりあえず生4つ」といった使い方も、この意味に該当するといえます。「本当はみんながじっくりメニューを見たいでしょうが、乾杯のために飲み物を揃えることが先決ですから、まずは嫌いな人があまりいないビールを揃えましょう」というニュアンスです。

意味2)一応、さしあたって

「とりあえず」は「一応」や「さしあたって」に近い意味でも使われます。先のことはともかく、現在の状態だけを問題にするさまをいいます。意味1とは違い、ほとんど緊急性がありません。

例文

・急ぎの作業ではないが、とりあえずやっておくか。 ・必要になるかと思い、とりあえず作っておきました。 ・とりあえず倒産はまぬがれた。 ・とりあえず暮らしには困っていない。 ・とりあえず、必要なものだけ買っておこう。

「とりあえず」の由来

「とりあえず」の由来

「とりあえず」の意味は一見複雑ですが「とりあえず」という言葉の由来を知ると分かりやすいでしょう。「とりあえず」は「取るものも取り敢えず」という慣用句からきた言葉です。 「取るものも取り敢えず」は文字どおり「取るべきものも取ることができない」ほど急いで、すぐにものごとを行うさまをいいます。事態に対して十分な対処はできないが、まず第一にするべきことをする、というニュアンスです。 「とりあえず」という言葉が生まれたばかりの頃は「取るものも取り敢えず」と同じ意味で使われてきました。しかし、時代の流れとともに「一応」や「さしあたって」などと同じ意味でも使われるようになりました。 現代で「とりあえず」という言葉をよく耳にする所以は、この時代の流れによるものともいえます。

「とりあえず」の漢字表記は「取りあえず」が正しい?

「とりあえず」の漢字表記は「取りあえず」が正しい?

「とりあえず」は、漢字で表記すると「取り敢えず」です。しかし、内閣が告示している「常用漢字表」では「取り敢えず」の「敢」は「カン」という読み方しか掲げられていないため、常用漢字表にしたがうと「とりあえず」の漢字表記は「取りあえず」が正しいということになります。 ただし、常用漢字表は漢字を使用する際の目安であって、漢字の使用を制限するものではありません。つまり、常用漢字表に掲げられていない漢字表記だからといって、必ずしも正しくないとはいえません。 「とりあえず」は、ひらがな表記、常用漢字表にしたがった「取りあえず」という漢字表記、国語辞典などに掲載されている「取り敢えず」という漢字表記、どれを使用することも間違いではありません。「とりあえず」を使う前後の漢字の量などを見ながら、どの表記で使用するのかを判断しましょう。

とりあえずの類義語

とりあえずの類義語

まず

「まず」は、日常生活でもなじみの深い言葉です。「まず下ごしらえをします」のように「はじめに」「最初に」という意味で使うことが多いでしょう。しかし「まず」には「とりあえず」の類義語という側面もあります。

「とりあえず」の類義語としての例文

・これでまず(とりあえず)一安心だ。 ・まず(とりあえず)この問題を解決しよう。 ・こうしておけばまず(とりあえず)大丈夫だろう。

まずもって

「まずもって」とは「まず」の改まった言い方です。

「とりあえず」の類義語としての例文

・まずもって(とりあえず)報告にいくべきだ。 ・まずもって(とりあえず)お知らせします。 ・まずもって(とりあえず)修正します。

何はさておき

「何はさておき」とは、ほかのことはひとまず後回しにしても、まっさきにするという意味です。ある程度、急を要するものごとに対して使われます。

「とりあえず」の類義語としての例文

・何はさておき(とりあえず)、早くご両親に知らせてあげなさい。 ・何はさておき(とりあえず)、明日病院に行こう。 ・何はさておき(とりあえず)、必要最低限のものを揃えよう。

何はともあれ

「何はともあれ」とは、ほかのことはどうであろうと、ともかくするという意味です。「何はさておき」に近い慣用句ですが「何はともあれ」が急いでするというニュアンスなのに対し「何はともあれ」は、もう済んだ状況に対して使われます。

「とりあえず」の類義語としての例文

・何はともあれ(とりあえず)、報告だけはきちんとしておこう。 ・何はともあれ(とりあえず)、あなたが無事でよかった。 ・何はともあれ(とりあえず)、仕事を再開しよう。

一応

「一応」は主に、最低限の状態は満たしているが十分ではないという意味で使われます。しかし「ひとまずあることをしておく」という意味で「とりあえず」の類義語としても使用される言葉です。

「とりあえず」の類義語としての例文

・一応(とりあえず)、ここだけ修正しておきました。 ・頭痛は一応(とりあえず)治まりました。 ・一応(とりあえず)ひととおり目は通した。

ひとまず

「ひとまず」には、その時点で一応の区切りをつけるという意味があります。

「とりあえず」の類義語としての例文

・ひとまず(とりあえず)、これで落ち着けるだろう。 ・ひとまず(とりあえず)、ここで一区切りとしましょう。 ・新しいプロジェクトは、ひとまず(とりあえず)成功したといえる。

いったん

「いったん」には「一時的に」という意味があります。「ひとまず」に近い言葉です。

「とりあえず」の類義語としての例文

・いったん(とりあえず)冷静になって考えよう。 ・いったん(とりあえず)家に帰って出直します。 ・いったん(とりあえず)やるべきことを整理しませんか。

さしあたって

「さしあたって」は、将来のことはともかく現在のところという意味です。「さしあたり」も同じ意味で、使い方も「さしあたって」とほとんど差はありません。

「とりあえず」の類義語としての例文

・さしあたって(とりあえず)問題ありません。 ・さしあたって(とりあえず)暮らしには困らない。 ・さしあたって(とりあえず)必要なものだけ買おう。

ビジネスで「とりあえず」と使うのはNGか

ビジネスで「とりあえず」と使うのはNGか

ビジネスで「とりあえず」は使わないほうがいい、と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ビジネスシーンでよく目にする使い方として「とりあえずお礼まで」が挙げられます。 主にビジネスメールで使われる一文で、ニュアンスとしては「後日改めてきちんとお礼をしますが、まずは感謝の気持ちだけでもお伝えします」といったところでしょう。「取るものも取り敢えず」が由来である「とりあえず」という言葉本来の意味に近い使い方です。 しかし「とりあえず」は現代において「一応」に近いあいまいな表現として使われることの方が一般的です。「とりあえずお礼まで」という文章の場合、受け取る人によっては「とりあえずありがとう」と、ぞんざいなお礼をされているようにも感じられてしまいます。「とりあえず」は、時代の流れと共に主な意味合いが変わりつつあります。 使い方は同じでも、受け取る人によって意味がまったく異なるため、誤解を招きやすい言葉です。そのため、ビジネスシーンで「とりあえず」を使用するのは極力避けた方がいいでしょう。

とりあえずの正しい敬語表現

とりあえずの正しい敬語表現

「とりあえず」というと「一応やった」さらには「適当にやった」という意味に捉えられかねません。そのため、「とりあえず」と言いたいときは一呼吸おいて、次のように言い換えましょう。 ・「ひとまず」先方に連絡します。 ・「まずは」資料をお送りいたします。 ・「すぐに」そちらに向かいます。

「とりあえず」は意味を考えながら使いましょう

「とりあえず」は意味を考えながら使いましょう

「とりあえず」は「まず」と「一応」どちらの意味としても受け取れるため、ビジネスシーンでの使用には不向きな言葉です。しかし、多くのニュアンスが含まれるからこそ、使いどきの多い便利な言葉でもあります。シーンによっては、別の言葉を代用するなど、TPOに応じて上手に「とりあえず」を使いましょう。

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