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更新日:2024年07月15日
「ゆえ」という語を使いこなせていますか?漢字で書くと「故」となり、目にする機会の多い漢字ですが、実際に「~ゆえ」と使うことは思いのほか難しいのではないでしょうか。「ゆえに」や「それゆえ」との違いも含めて「ゆえ」という言葉の使い方を一緒に見てみましょう。
目次
それでは、次に「ゆえ」という語を文法的に見るとどうなるのか見てみましょう。
「ゆえ」という語は、品詞で言えば名詞です。ところが、体言や活用語の連体形などに続く形式名詞として、接続助詞的に用いられる場合も多く見受けられます。(例 未熟者ゆえお許しください) また、こうした使われ方の場合は「ゆえに」という形で用いられることが多く見受けられます。「ゆえに」となった場合の品詞は接続詞です。接続詞「ゆえに」の意味合いは二とおりに分かれ、一つめは原因や理由を順接的に示す「~のため、~だから」という意味、二つめは前のことがらに対して逆説的な原因や理由を表す「~なのに、~であるが」という意味です。 この「ゆえに」という言葉は普段の会話の中ではあまり使われず、自分の考えを一方的に述べる演説や文章の中で用いられることが多くなっています。
一方「ゆえ」という語に関連した「それゆえ」という言葉もあります。漢字で書くと「其故」となり、「それゆえ」の品詞は接続詞です。 「ゆえ」の場合と同様「それゆえに」という形で使われる場合も多く、「だから」「そのため」というように、主に前のことがらや事実が原因でその後の状況や結論が導き出される時に使われます。(例 これは単純な問題だとも言える。それゆえに奥が深い。) 「ゆえ」との違いを見てみると、「ゆえ」は前述のように前のことがらを理由とする順接的な意味と、前のことがらに対して全く反対となる逆説的な意味との両方を表すのに対し、「それゆえ」の場合は順接的な意味を表すことが多く、逆説的な意味で使われることはほとんどありません。そうした違いはあるものの、「それゆえ」も「ゆえ」と同様にやや文語的に感じられる表現だと言えます。
ここで、「ゆえ」という語の古語としての使い方を見てみましょう。 「ゆえ」は古語では「ゆゑ」と書きます。いろいろな事柄の根本的なものを表す語という性質から、現代語の「ゆえ」と同様に「原因・理由、由緒、風情、教養・たしなみ、支障」といったさまざまな意味で使われていることが文献から見て取ることができます。 前後の内容や使われている状況から意味合いを判断するという点では現代語の「ゆえ」とほぼ同じですが、古語の場合は「~ゆゑなむはべりし」というように、後続の語が連体形止めとなる「係り結び」という文法的な約束事が見られる場合もあります。
では次に「ゆえ」という語が使われている主な表現を順に見てみましょう。
理由がないことではない。つまり、それなりの理由があるという時に使われます。
前の事柄を理由として後述の事柄が生じるという意味で「そういうわけで」となります。
何らかの事情がありそうな様子を指し、「故有りげな表情」というように使われます。
記載されている内容は2017年12月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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