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「とばり」の意味と使い方・夜のとばりの意味・漢字の違い

初回公開日:2017年11月18日

更新日:2020年02月27日

記載されている内容は2017年11月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

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言葉の意味

「とばり」という単語の意味と使い方について。「帳」「帷」漢字によって意味は変わるか。「夜のとばり」「とばりの内」という表現はどんな小説に使われるか。「とばり」が使われる歌は。「とばり」は日常会話やビジネスに使う事がある言葉か。などについてまとめています。

「とばり」の意味と使い方

「とばり」とは室内と外部の間に垂らして内側を見えないようにする布のことです。覆われて内側がみえない状態を「とばりがおりているかのようだ」という風に比喩として使う事もあります。 「夜のとばり」「紅葉のとばり」「霧のとばり」など、何かに遮られてものがよく見えないという比喩にも使われます。美しい言葉であるため和歌や詩で好んで使われます。 物が良く見えない、という部分から感傷的な気分に陥ったりした状況で周りがよく見えないという意味でも使われることがあります。その場合はその気分を表す色を前に置いて「青のとばりにまかれているようだ」「紫のとばりのなかを歩くかのようだ」などと表現します。 現在では室内と外部の間に垂らす布のことをカーテンやシェードなどと呼ぶため、実際の「とばり」という意味でこの言葉を使うことはほぼありません。「とばり」はほとんどの場合、比喩的な表現で使われます。 「とばりがおりているかのように、相手の心が分からない」「夜のとばりがおりた」といった使い方をします。

「夜のとばり」の意味

「夜のとばり」は夜を「とばり」にたとえた表現です。室内と外の間に垂らして内側が見えないようにする布である「とばり」を、夜が来ると周りが何も見えなくなることにたとえています。 「とばり」は分厚い布のこと。夜をとばりにたとえるというのは言葉通りの意味だと考えれば前が何も見えないような真っ暗闇です。「夜になるととばりがおりたかのように周りが見えない」「夜はまるでとばりのようだ」と言った表現が慣用句になり、「夜のとばり」という言葉になっています。電気が発明される前の夜は暗かったのでしょう。 英語には「夜のベール The veil of night」という表現があります。夜が来て暗くなるようすを表した言葉です。これは「夜のとばり」と訳されることが多いです。この英語が「夜のとばり」と訳されることからか、そこまで暗くない夜にも慣用句的に「夜のとばり」という言葉が使われることがあります。 夜が来ることを、「夜のとばりがおりる」と言います。「夜のとばりがおりる」と言う場合は、「夜」を「とばり」にたとえているのではないとも考えられます。 とばりは部屋と外を区切る垂布のことです。夜風を防ぐために夜になるとこの布はおろしていました。このことから「とばりがおりるころ」とは夜を指します。 「夜のとばりがおりるころ」は、夜が来ることの慣用句です。これは、夜になって「とばり」をおろすころ。という文字通りの意味だとも考えられます。

夜の闇につつまれる

「夜のとばりがおりる」に似た表現に「夜の闇につつまれる」があります。どちらも夜が来た事を表す言葉です。小説などで使われることが多いです。 「日が暮れる」「日が落ちる」などに比べて夜になった後に重きが置かれているニュアンスが強い言葉です。

「とばり」はどんな小説に使われているか

「夜のとばり」という表現はよく小説に使われます。酒場や男女関係など夜の出来事がメインに描かれる小説の冒頭部分などに使われることが多いです。 「源氏物語」は、実際の「とばり」が使われていた時代の小説であり、また現代語訳では「夜のとばり」という表現も使われます。また有名な小説である「源氏物語」で光源氏が色事を夜にとばりの内側で行うため「夜のとばりの内」という言葉には多少色事を想起させるニュアンスがあります。

「とばり」の漢字の違い

「帳」「帷」ともに部屋を区切るために垂らす布のことを指します。 内側が見えない様子をたとえる場合はどちらの字を使っても問題ありません。 「帳」はこの字だけで蚊帳のことを意味することもあるため、混同される危険性がある場合は「帷」を使うようにしましょう。 「とばり」は本来の意味では分厚い布を指します。しかし比喩表現での「とばり」はベールのようなものをイメージさせる使われ方をすることがあります。「霧の帳」や「青い帳のなかを行くかのようだ」というような表現は分厚い布と言うよりはベールのようなものがイメージされていると考えた方が自然です。「帳」が「蚊帳」を意味することから、薄布を想起させたのだろうと考えられます。

「帷」は戦場で陣地を囲う「帷幄(いあく)」や「帷幕(いばく)」にも使う漢字です。「帷」という字からこれらの言葉をイメージする人も居る事でしょう。雄々しい雰囲気を出したいわけでない場合は「帳」の方を使うとよいです。

「とばり」はどんな場面で使うか

「とばり」という言葉は日常会話で使う事はほとんどありませんが、小説や歌詞に時折出て来るのを見かけます。カーテンやシェードという言葉を比喩として使っている場合、「とばり」という言葉に入れ替えても同じ意味になります。 「鉄のカーテン」は「鉄のとばり」と言い換えても意味は同じです。「シェードがおりているかのように何も分からない」は「とばりがおりているかのように何も分からない」と言い換えることができます。 「とばり」という言葉はものがよく見えなくなる状態を表します。このことから、ものがうまく考えられなくなることの比喩として使われることもあります。「すごくぼんやりしながら歩いた」は、「まるで白いとばりの中を歩くようだった」と言う風に表現されることがあります。 それ以上考えないようにすることや終わらせることを「とばりをおろす」と言う風に表現する事もあります。 「幕をおろす」と同じような意味になりますが、幕よりも少し個人的なニュアンスが強くなります。「この悲しみに幕をおろす」と言った場合は、多人数の人がその悲しみに巻き込まれているニュアンスがありますが、「この悲しみにとばりをおろす」と言った場合は、その人だけの悲しみだというニュアンスになります。

ビジネスシーンで使う事はあるか

「とばり」と言う言葉は「内側が見えない」という意味の比喩として使われることがほとんどです。ビジネスに使うにはやや詩的な表現ですが、「内側がよく分からない」という状況を相手に伝えたいような場面では使ってもよいでしょう。 「この日報では支店の状況がとばりがおりたかのように分かりません。書き方を変えましょう」「社長が変わってから取引先が求めているものがとばりがおりたかのように分からなくなってしまい困っています」という風に使ってみてもいいでしょう。ユーモアがありますし、ただ「よく分からない」と伝えるよりも状況がうまく伝わる可能性があります。

「とばり」は手紙に使うか

今、手紙を書くというと「御礼状」や「添え状」がほどんどです。礼儀などに気を遣う相手に書くことが多いです。気持ちを込めたい部分はありますが、定型的な表現を使った方が無難です。「とばり」は布で遮られているように内側がよく分からない状況の比喩として使われる言葉で詩的な表現です。御礼状や添え状に「とばり」という言葉を使う事はほとんどないと考えられます。 ですが親しい人に心をこめた手紙を書く機会があればぜひ使ってみましょう。せっかく大切な相手のために筆をとるならば、多少詩的な表現があった方がいいはず。いろいろな表現を使って書いてあれば、相手も貴方の手紙を読むのが楽しくなるはずですし、こちらが頑張って書けば相手もきっと素敵な返事を返してくれるでしょう。

「とばり」は会話で使うことはあるか

「内側がよく見えない」「何かに覆われているように中が分からない」という状況の比喩として「とばり」という言葉は使われます。 あまり使う言葉ではありませんが、「メールと実際に会った時の対応が全然違うから、相手のことがとばりがおりるように分からなくなってきた」「フェイスブックの更新を辞めてしまっているから、彼女の近況がとばりがおりたように分からない」という風に使ってみるのもよいでしょう。 使う言葉の数を増やすと表現が多彩になり、微妙なニュアンスを相手に伝えられるようになります。ぴったりな言葉で話す人は魅力的です。使い慣れない言葉で初めはとまどうかもしれませんが、積極的に使うようにするのがよいです。

「とばり」が使われる歌詞や和歌

「とばり」はロマンティックな雰囲気のある言葉のためか、歌詞によく使われています。 尾崎豊の「15の夜」にも夜バイクで走って行く情景の描写で「暗い夜の帳のなかへ」という歌詞が出てきます。松任谷由美の「埠頭を渡る風」にも「青いとばり」という歌詞があります。また小林幸子は「悲しみの帳」という歌を歌っています。 和歌でも「とばり」という言葉はよく使われます。和歌では紅葉に遮られてものが見えない事を「紅葉のとばり」、霧に遮られてものが見えない事を「霧のとばり」と表現することがあります。また感傷的な気分になって周囲の状況が見えなくなることを、その時の気分を色になぞらえて「白いとばりのなかを行くようだ」「むらさきのとばりのなかを行くようだ」「青いとばりにまかれたかのようだ」などと表現します。切ない気分を表すときに使う事が多いためか、例える色には大抵の場合寒色が使われます。 有名なところでは「すみれさく山の中道むらさきのとばりのうちをゆくここちして 」という比田井小琴の短歌があります。

「帷」「帳」という字が読めないのは恥ずかしい?

「帷」や「帳」という字を「とばり」だと読めないのは自然な事です。読めないからと言って恥ずかしいと思う必要はありません。また、この字だけを見れば「イ」や「チョウ」とも読めます。「とばり」と読ませたい時は振り仮名をふったほうが親切です。「夜の帷」など、慣用的な表現の中で使われていれば読める人は増えるでしょう。

「とばり」はめったに使わないけれど美しい言葉

「とばり」ということばは、部屋と外の間を遮る垂布のことを指します。貴族の館の「とばり」は絵巻物などにも描かれています。絹で作られ、金糸銀糸の紐で吊り下げられたとても豪奢なものです。「とばり」そのものはもう使われていませんが言葉だけが残っています。 中の様子が分からない状況の事を伝えたい時は、ただ「分からない」と言うよりも「何かに覆われているようだ」「ベールに包まれているようだ」という風に言った方が状況が伝わりやすいです。とばりは、そういう状況を伝える時にも使いやすいです。 また「夜のとばり」「紅葉のとばり」「霧のとばり」などの比喩は、とばりという分厚い豪奢な布にたとえられていると思えばなおのこと美しい表現です。ぜひ日常のなかでも使いたいものです。

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