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蜘蛛は益虫なのか害虫なのか・益虫になる蜘蛛の種類|家/部屋

初回公開日:2017年11月22日

更新日:2020年08月14日

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ガーデニング

都会でも田舎でも必ずどこかで遭遇する虫といえば「蜘蛛」もその一つでしょう。音もなく人の生活に忍び寄りアッという間に見事な巣を形成する彼らは、ただの迷惑な虫に過ぎないのでしょうか?ここでは蜘蛛の習性や種類にも注目しながら、蜘蛛が益虫だと言われるゆえんに迫ります。

蜘蛛ってどんな虫?

蜘蛛が益虫かどうかの前に、まずは蜘蛛とはどんな生き物なのかに触れておきましょう。「蜘蛛」は糸を巧みに使って巣を作る虫というイメージですが、厳密にいうと昆虫ではありません。 正式には「節足動物門鋏角亜門クモ綱クモ目」に該当していますが、昆虫としてのカテゴリーに属さない理由は蜘蛛の体の構造にあって、昆虫の定義が6本足なのに対し蜘蛛は8本であること、さらに頭と胸など部分的な境が2つのみで触角もないことなどが挙げられます。 また全ての蜘蛛が糸を出す機能を持っているにもかかわらず、巣を作る造網性(ぞうもうせい)と巣を作らない徘徊性(はいかいせい)の蜘蛛とが存在しています。単純に言ってしまえば蜘蛛は昆虫ではなく蜘蛛、もしくは蜘蛛類と考えるのが正解で虫よりも動物に近い種類になります。

驚くべきは糸の性能

エサとなる昆虫が冬眠して冬を越す間、蜘蛛たちも温かい物陰などに身を潜め越冬します。気温の上昇と共に再び昆虫たちが動き出すと、蜘蛛も本格的に巣を形成して捕食の準備を始めます。造網性特有の蜘蛛の巣は梅雨の時期を境に増え始めますが、長雨や台風など荒れた気象にも柔軟に対応できる強度も兼ね備えています。 蜘蛛の巣の性能を調べてみると、太さは人の毛髪の10分の1しかないにもかかわらず速度を伴って飛行する蜂をもとらえることがわかっていて、強度についても同じ太さの鋼鉄のおよそ5倍あると言われています。 この他にも簡単に切れてしまわない理由は驚きの伸縮性にあり、蜘蛛の生態に詳しい池田博明氏の著書「蜘蛛の巣と網の不思議」の中では次のような記述があります。

クモの糸はどのくらい強いのでしょうか    1938年、ナイロンが発明されたとき、デュポン社は石炭と水と空気からつくられる「クモの糸よりも細くて、鋼より強い」繊維であると宣伝しました。では、クモの糸の性質をナイロンの糸と比べてみましょう。  強度(テナシティ)はナイロンよりやや劣りますが、弾性力は約二倍です(クモ糸31%に対してナイロン16%)。同じ太さの糸で、引っ張ったときになかなか切れない性質(引っ張り張力)を比べますと、骨や腱、ゴム、植物繊維よりも大きく、鋼鉄の半分にも達しています。  糸の強度や弾性力は含まれる水分の程度と関連があります。乾燥したクモの糸は弱く、1mの糸を30cmほど伸ばすと切れてしまいます。しかし、水分を含んでいれば3倍に伸ばせるほどの粘弾性をもちます。  この強さに注目したアメリカ軍は、1990年にクモ糸を作りだす遺伝子を組み込んだバクテリアに、糸を作らせるのに成功したといいます。アメリカ軍はこの強い糸(鉄の5~10倍の張力)を防弾チョッキやヘルメット,パラシュ-トのひもなどに利用しようとしています。

蜘蛛は益虫かはたまた害虫なのかの疑問

あくまで自然に存在する蜘蛛なら人間の都合などお構いなしに侵入してきますから、益虫はおろかそれ自体が厄介なこととして害虫呼ばわりされても仕方のないことでしょう。ただし、蜘蛛がヒトの生活にとって全く意味がないかというと必ずしもそうではありません。 例えば、同じように不快な害虫と言われる他の虫たちを捕食してくれるのが蜘蛛の特徴です。すばしっこく、退治するにも意外と手ごわい相手に動物的感覚で挑んでくれるありがたい虫、つまり益虫としての一つの側面を持ち合わせていることは確かでしょう。 蜘蛛が益虫か害虫なのかの明確な答えを導くためには、もう少し詳しく蜘蛛のことを知る必要があります。次に示す4つのポイントからも益虫たる理由を探ってみましょう。

昔から家やその周りに出没していた蜘蛛の存在

忌み嫌われることのシンボル

蜘蛛という虫が一体いつの時代から存在したのかを辿っていくと、実に3億50万年前の石炭紀まで遡ります。現在でもこの時期の地層から出土した化石は残されていて、蜘蛛の祖先となる種類の昆虫がすでに存在していたことが明らかになっています。 また日本最古の書物として有名な日本書紀では、蜘蛛の出現が物事の予兆を示す存在であることもわかります。しかも夜に現れることで神秘性を増し、この中では益虫というより忌み嫌われることのシンボルとして扱われています。 遥か昔からこの世界に存在している蜘蛛には、何かしらの悪や害を及ぼしかねない暗い夜のイメージの反面、「朝」と結びつくことで益虫たる良いイメージを成す言い伝えがあります。

益虫たる良いイメージを成す言い伝え

その極端な例では「朝の蜘蛛は殺すな夜の蜘蛛は殺せ」とか「朝の蜘蛛は敵でも逃がせ夜の蜘蛛は親でも殺せ」などのおぞましい言い伝えですが、これは昔の人々の生活を農耕が支えていた証拠であると同時に蜘蛛を益虫ととらえていたからこその格言です。 蜘蛛は天気の良い日に巣を盛んに張る習性があるため、昔の人にとっては天気予報的な意味合いを持っていたと推測されます。昔は朝に見る蜘蛛=農作業をはかどらせてくれる「福蜘蛛」としてとらえられ、ここにも蜘蛛が益虫として大切にされていた側面を見ることができます。

その名はアダンソン!小さなゴキブリを食べる蜘蛛

不快な害虫を捕食してくれる点で益虫と言われる蜘蛛の中には、小ぶりな体に似合わない優れた働きをしてくれる種類がいます。一般にハエトリグモと言われる種類に入る「アダンソンハエトリ」がそれです。 発見者の名前を冠したアダンソンハエトリは昼間に活動する徘徊性の蜘蛛で、初夏頃から人間の身近なところで見かける黒くて小さな体が特徴です。肉食性で、うっとおしいコバエやダニまたサイズが小さければゴキブリだって果敢に攻めてくれるという驚きの益虫です。 常に自分の命綱となる糸を出しながら家中を動き回り、小さな獲物をみつけては捕食するアダンソンハエトリは、その存在を理解した上で共存したい益虫の蜘蛛といえるでしょう。

蜘蛛の世界の軍曹アシダカ

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