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「できない」を敬語でどう表現する?伝えるときの注意点などを紹介

更新日:2024年01月10日

敬語表現

「できない」というネガティブ表現をビジネスシーンで使わざるを得ないこともあるのではないでしょうか。この記事では、相手に不快感を与えない「できない」の言い回しやの敬語表現、また敬語表現で伝える場合の注意点など説明します。ぜひ参考にしてください。

「ご要望」は、「要望(求め望むこと、強く期待すること)」に丁寧を表す接頭語「ご」がついた尊敬語です。 続く「添いかねます」は、「添う(かなう、適応する)」に「かねる(不可能、困難などの意)」が連語となって「することができない、することが難しい」の意味を表します。 このように、「ご要望には添いかねます」は「できない」ことをストレートに表現していますが、敬語としての丁寧な言い回しからいろいろな場面で使われています。

ご容赦いただきますようお願い致します

「ご容赦いただきますようお願い致します」の「ご容赦」は、「容赦(ゆるすこと)」に尊敬語の「ご」がついたもので「ご~いただく」の形で「してもらう」の敬語(謙譲語)となります。 その後の「ますよう」は、丁寧語の「ます」に形容名詞「よう(意図・希望の意)」がついて婉曲な希望を表します。最後の「お願いいたします」は、「お願いする」の丁寧語となっています。 言葉全体としては、「許していただくようお願いします」となり、遠回しに「できない」を意味する敬語表現になります。

辞退致します

「辞退致します」の「辞退」は、へりくだる気持ちから命令・依頼などを受けないで引き下がることを意味する謙譲語で、「勧められたことを断る」という意味合いから、「できない」の前段階で拒否することを意味します。 この「辞退」に、「する」の丁寧語である「致す」と丁寧語の「ます」がついて、全体として、先方から勧められたことを引き受けずに「お断り」する時の謙譲的な意味合いの敬語として使われています。

見送らせていただきます

「見送らせていただきます」は、相手から何らかの誘いがあった時にその誘いを受けることができない場合の丁寧な断り方になります。 ただ、この「見送る」には「見ているだけで手を出さない、そのままにしておく」の意味があるため、相手の誘い自体を否定しているものではなく、相手に「次回がある」との期待感を持たせる恐れがあります。 場面や状況によっては、「できない」を示す他の言い方も考えておきましょう。

~のみとさせていただきます

「~のみとさせていただきます」は、副助詞「のみ(そのこと一つに限る意を表す)」を付帯して、それ以外はできないことを伝える敬語表現です。 言葉自体は丁寧な敬語表現ですが、付帯条件以外はできないことを明確に示していて、断り文句としては強い調子になるので、場面や状況をよく考えて使いましょう。

~をお願いしております

「~をお願いしております」は、間投助詞の「を(言葉と連結して、その言葉を強調する)」と「お願い(人に助力や配慮などを求める意)」の組み合わせにより、その願いを丁寧に求めることを意味します。 断り文句としては、間接的に迂回した表現で丁寧にお願いする形を取っているため、顧客対策などの場面でよく使われています。

難しく存じます

「難しく存じます」は、「難しいと思う」の敬語表現ですが、意味としては婉曲に「できない」という意思表示となります。 この「できない」というシチュエーションとしては、次のようなものが考えられます。 ・計画、仕事などが物理的、時間的に実行不可能な場合 ・能力的に実行が不可能な場合 ・物事の推移、状況などが我慢ならない場合 いずれにしても、相手が期待感をもってお願い・依頼・指示しているものであるため、「断り」をする際には、明確な理由づけをして「難しく存じます」を使いましょう。

「できない」の謙譲表現

ビジネスシーンでは、相手に自分が「できない」ことを伝える場面や状況が間々あり、このような時に丁寧語の「できません」を使うと、相手に唐突感と不快感を与えてしまうこともあります。 相手に自分が「できない」ことを伝える時は、相手の立場を敬う謙譲語の「いたしかねます」や「できかねます」を使ってその意思を表しましょう。

致しかねます

「致しかねます」は、「することができない」を意味する遠回しな表現・婉曲表現で、断固とした「お断り」の意思を示すものではありません。 相手の受け取り方によっては「できるかもしれない」という誤解が生じる可能性もあるため、使う場面や状況を考えて使いましょう。

できかねます

「できかねます」は、「でき(よくできていること、すばらしい出来映えの意)」と「かねる(し続けることができない、しようとしてもできないの意)」が連結して、計画・仕事などが物理的・時間的・能力的に実行不可能なことを表す敬語表現です。 「できない」の謙譲表現としては「致しかねます」と同類ですが、「お断り」の強度から見ると「致しかねます」より強く感じられるため、場面・状況を踏まえて使いましょう。

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初回公開日:2017年11月02日

記載されている内容は2017年11月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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