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シングルマザーの貧困|貧困率/実態/原因・解決するには?

経済

シングルマザーの貧困、最近よく聞く言葉です。実際にシングルマザーの貧困率は高いのでしょうか。シングルマザーの貧困率や貧困の実態、改善策、自治体で受けられる支援など、シングルマザーに関するいろいろなことをまとめましたので、ご参照ください。

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シングルマザーの貧困

シングルマザーの貧困

日本では、最近シングルマザーの貧困がよく取り沙汰されています。背景には、離婚率の上昇や再就職しても女性の賃金が低いことなどがありますが、実際のところどの程度の貧困率なのでしょうか。シングルマザーの貧困について解説していきます。

シングルマザーの貧困-問題とは?

シングルマザーの家庭はこの25年ほどで1.5倍以上に増加しているといわれています。厚生労働省が調査を行った「全国母子世帯等調査」は、平成18年と平成23年に行われ、その後平成28年に「全国ひとり親世帯等調査」と名称を変えて行われていますが、現在まだ調査結果は公表されていません。 公表されている中で最新の平成23年の調査結果では、以下のような母子世帯数や離婚理由となっています。 ・母子世帯数→123.8万世帯 ・母子のみの世帯→76万世帯 ・ひとり親となった理由→離婚80.8%、死別7.5% この調査によれば、シングルマザーの就業率は80.6%で、うちパート等非正規が52.1%、平均年収は181万円となっています。シングルマザー世帯の大多数が貧困状態にあるということがわかると思います。 では、なぜこれが問題であるのかですが、シングルマザー世帯はここ数年で増加傾向にあり、貧困に陥る世帯も増加しています。シングルマザーが貧困であるということは、その家庭の子供たちの状況が劣悪になっている、または学習についても十分に受けれない状態にある子供が増えているということになります。 子供たちの学力低下や、将来日本を背負って立つはずの子供の未来が閉ざされてしまうことになりかねません。そのため、最近ではシングルマザーの問題がよく話題に上ります。

シングルマザーの貧困率

シングルマザーは貧困だということが言われていますが、実際にどの程度の貧困であるのかについてみていきます。日本のひとり親世帯の貧困率は54.6%です。そして、相対貧困率は16.1%、世界で6番目の高い貧困率だといえます。 最近の日本では、120秒に1組みが離婚しているといわれ、子供を引き取る確率の高い母親が、シングルマザーとなっているため、シングルマザーが増加傾向にあります。先ほどの「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」の統計から、2011年の母子家庭世帯数は、約1,238,000帯、父子家庭世帯数は、約223,000帯となっています。 このことからも、ひとり親世帯は、85%が母親が引き取ることになっており、シングルマザーとなる率が高いということがわかっていただけると思います。

日本のシングルマザーの貧困率

貧困線とは必要最低限の生活を送るために必要な年収のことです。この貧困線は、2012年は122万となっています。そして、この貧困線に満たない世帯員の割合を相対的貧困率と呼びます。 厚生労働省の「平成24年国民生活基礎調査」によれば、日本の相対的貧困率は16.1%となっており、日本全体の世帯数が51,842,000帯とのことから約835万世帯が貧困線以下、つまり122万円に満たない収入で暮らしているということになります。そして、この相対貧困率は、ひとり親世帯では54.6%に跳ね上がります。つまり、母子家庭と父子家庭の半数以上が貧困家庭です。 また前述のように、このひとり親世帯の85%はシングルマザー世帯ですので、シングルマザー世帯の貧困率の高さが際立っています。

日本の相対的貧困率は世界では何位か

OECD(経済協力開発機構)の所得配分データベースによれば、日本の相対的貧困率は世界第6位です。日本の相対的貧困率はOECDの平均11.2%を大きく上回っており、世界的に見ても日本は貧富の差が大きい国であるということがいえます。

シングルマザーの貧困の実態

シングルマザーが貧困と言われる理由として、シングルマザーの場合は母と子のみで生活している率が全体の6割を超えているという実態があります。父子家庭の場合は、父と子のみの世帯は全体の4割、6割は祖父母が同居という形でサポートしていることになります。 シングルファザーに比べてシングルマザーの場合は、同居という形態よりも独立して生活を送っている人が多く、そのことによって仕事に対する条件も多くなって低収入に陥るというケースも予測されます。 また、シングルマザーの場合は、結婚しているときに子育てのために一旦仕事を辞めてしまって専業主婦となっている方も大勢います。離婚によって、仕事に就くといっても、再就職先では給料や待遇の面で恵まれない方も多いのが現状です。

バツイチ子持ちの貧困についてのブログです。切実な日常が垣間見えます。

シングルマザーが貧困の原因

シングルマザーの貧困率の高さは前述でわかりましたが、ではなぜシングルマザーは貧困な世帯が多いのでしょうか。ズバリその原因は、収入が少ないということです。就労によって手にする収入は、一般家庭の半分以下で、平均年収は200万円以下となっています。 それは、シングルマザーの半数以上がパートなどの非正規雇用で働いているためです。これが、シングルマザーが貧困である最大の原因です。 シングルマザーの場合、養育費を前夫から貰えるはずですが、養育費といっても子供一人に対して3~5万程度ですので、それだけではとても養えないという現状があります。シングルマザーの場合は、自治体からの手当や医療費などの優遇などありますが、収入の大きな柱である就労による収入が低ければ、貧困家庭とならざるを得ないのが現状です。 <シングルマザーの収入> ・就労による賃金 ・自治体からの母子手当てなどの手当 ・養育費 貧困に悩んでいるシングルマザーは、就労による収入と自治体からの手当てや養育費を合わせてやっと生活しているところが多く、そのため子供に対する教育費まで賄うことができないという家庭が多いです。さらに、離婚した夫からの養育費についても支払いしない人が多いというのも、シングルマザーの貧困に拍車をかけています。こうした状況からシングルマザーが貧困に陥っているのです。

シングルマザーの貧困-年収

前述の平成23年の「全国母子世帯等調査結果報告」から、母子家庭・シングルマザーの平成22年平均年収は、223万円です。また、そのうち母子世帯の年収は、291万円です。同じ平成22年の児童のいる世帯の平均が658.1万円であることを考えると、シングルマザーの年収がいかに低いのかということがわかっていただけるのではないでしょうか。

シングルマザーの貧困-離婚

シングルマザーとなる人の原因の多くは、離婚です。死別の場合は全体のわずか7%前後で、その場合は配偶者の生命保険や遺族年金などの収入があることから、他のシングルマザーよりも年収が若干高くなっています。 また預貯金額についても、死別でシングルマザーとなった場合は最も多い割合が1,000万円以上であるのに対して、離婚でシングルマザーとなった場合は、50万以下が約半数で最も多くなっています。シングルマザーの貧困は、離婚原因の割合が多いということが言えます。

シングルマザーの貧困-売春

シングルマザーの貧困は、年々深刻さを増しています。離婚により生活水準が著しく下がった結果、シングルマザーは掛け持ちで仕事をせざるを得なくなったり、時間と仕事に追われる日々を送ります。 その結果、体を壊してしまい、普通の仕事では生活が苦しくなるケースもあります。そんなときに、売春に走ってしまったというシングルマザーが増加しています。一人で子供の子育てに仕事を抱えきれずに、どうしようもなくなった結果、出会い系などを通じて売春することになります。 生活保護を受ければ良いのではと考えられますが、シングルマザーの彼女たちにも周囲の目が気になるのです。そういった状況から低収入で売春を繰り返すしかない状況に陥っているシングルマザーがいるのが現実です。

シングルマザーの貧困-自業自得?

「シングルマザーとなったのは、自分で子供を作って離婚したからで自業自得だ」という人もいるでしょう。しかし、シングルマザーが貧困だということは自業自得と言い切れません。 離婚そのものの原因は、もちろんシングルマザーである母親にもあるでしょう。しかし、その後シングルマザーであるが故に賃金の安い職場で働かなければならない、いくら働いても収入が上がらない、負のスパイラルから抜け出せないというのは、社会の責任でもあります。 両親が離婚し、シングルマザーとなった母親についていく子供には何の責任もありません。しかし、最も不利益を被り、結果として子供の将来を潰してしまう社会の仕組みが問題ではないでしょうか。

解決するには?

シングルマザーとなり貧困に陥った場合に、その状況を解決する手段はあるのでしょうか。貧困を解決するには収入をアップさせる必要があります。就労環境の改善や支援など受けられるものをご紹介します。

シングルマザーの貧困-支援

シングルマザーは、自治体の支援に頼ることができます。シングルマザーを支援する制度としては、以下があります。 1.児童扶養手当 2.児童育成手当 3.特別児童扶養手当 4.遺族年金 5.母子家庭の住宅手当 6.ひとり親家族等医療費助成制度 7.乳幼児、義務教育就学児の医療費助成制度 8.所得税、住民税の減免制度 9.国民年金・国民健康保険の免除 10.粗大ゴミ等処理手数料の減免制度 11.保育料の免除と減額 12.上下水道の減免制度

シングルマザーの貧困-対策

自治体の支援によって、ある程度の援助は期待できますが、根本的な改善までは望めません。そこで、シングルマザーの方の貧困対策として気をつけていく3つのことがあります。 ・シングルマザーにならないこと まず一つ目は、シングルマザーにならないことです。シングルマザーとなったのには、もともと夫となる人との折り合いが悪かったり、DVが原因だったりすることがあります。そのため、それほど知りもしないのに好きだからといってすぐに結婚したり、むやみに子供を作ろうしないことです。しっかりと将来を見据えられる人と結婚して、子供を作るという当たり前のことを心がけましょう。 ・専業主婦にならないこと 二つ目は、結婚後に専業主婦にならないことです。なぜなら、離婚した後に貧困に陥るのは正社員ではないバイトやパートなどの非正規社員だからです。子育てのために仕事を辞める人は多数いるでしょう。しかし、将来どうなるかわからない状況なのにせっかくの正社員を辞めてしまっては、勿体ないです。子育てはなるべく分担して行い、絶対に仕事を辞めないことです。 ・スキル、得意分野を持つ 三つ目は、それでもシングルマザーになってしまったという場合には、自分の持つスキルや得意分野をよく知って将来が見える仕事をするということです。パートやアルバイトは一時的には良いですが、何年やっても同じ給料ですし何の実績にもなりません。 長年勤めることで実績となりうる仕事を見つけたり、自分が得意な分野の資格を取得したりと目標をもって仕事をすることで貧困を抜け出すきっかけとなりうるからです。

シングルマザーを取り巻く環境は厳しい

いかがでしたか。シングルマザーを取り巻く厳しい環境、貧困状態についてわかっていただけたでしょうか。 近年の貧困率の高さは、社会構造による貧富の差の拡大が原因の一つです。また、シングルマザーの貧困をそのまま放置することは、将来のある子供たちを見捨てる社会となりかねません。未来ある子供たちのために、また、離婚しても人並みの生活ができる社会となるように改善していくことが必要なのではないでしょうか。

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