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公務員の退職金|相場/勤続年数別/定年退職/税金/都道府県別

退職

一般的に公務員の退職金は高額と言われていますが、実際の金額はいくらなのでしょうか。公務員の退職金の相場や、勤続年数別の公務員と民間企業の退職金の違いから、退職金に対する所得税の計算方法まで、公務員の退職金に関する情報を紹介します。

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公務員の退職金について

公務員の退職金について

相場は?

国家公務員は公務員の20%

国家公務員は、公務員の20%を占めており次の2つに分類されます。 ・大臣・国会議員、裁判官・裁判所職員、防衛省職員・自衛隊員などの特別職 ・行政職や外交官、税務署職員などの一般職 平成28年度の国家公務員は約580,000人(うち特別職が約300,000人(51.1%)、一般職は約290,000人(48.9%))です。

国家公務員の退職金の平均額は11,499,000円

国家公務員の退職金の平均額は11,499,000円です。この内訳は、以下のようになっています。 ・定年退職者:12,701人 平均21,813,000円 ・応募認定退職(勤続年数20年以上、かつ定年前6月を超え15年以内の退職者は、定年前1年につき3%(定年前1年以内の人は2%)割増があります(最大45%))1,551人 平均28,052,000円 ・自己都合により退職:5,853人 3,513,000円 ・その他(任期制自衛官の任期終了(常勤職員)や死亡)11,395人 1,852,000円

地方公務員は公務員の80%でその83%が自治体の職員

地方公務員は公務員の80%を占めており、平成28年度の公務員数は約3,330,000人です。そのうち約83%にあたる約2,750,000人が、自治体に属する地方公務員として勤務しています。その構成比は以下のとおりになっています。 ・都道府県:約1,500,000人(約55%) ・指定都市:約230,000人(約8%) ・市区町村他:約1,000,000人(約37%) 指定都市とは、人口が50万人以上の「区」を持つ政令で指定された市で、全国の都市をリードするような先駆的な行政を行っています。以下の市が該当します。 ・北海道:札幌市 ・東北地方:仙台市 ・関東地方:さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、相模原市、 ・北陸地方:新潟市 ・中部地方:静岡市、浜松市、名古屋市、 ・近畿地方:京都市、大阪市、堺市、神戸市、 ・中国地方:岡山市、広島市 ・九州地方:北九州市、福岡市、熊本市

地方公務員の退職金の平均は1,1680,000円

地方公務員の退職金の平均額は1,168,000円です。内訳は以下のようになっています。 ・都道府県 11,680,000円(最高金額は徳島県の20,460,000円) ・指定都市 16,430,000円(最高金額は福岡市の21,280,000円) ・市区町村 16,110,000円(最高金額は大分県九重町の25,090,000円)

地方公務員の退職金をはかる指標「ラスパイレス指数」

地方公務員の退職金をはかる指数として「ラスパイレス指数」があります。「ラスパイレス指数」とは、同様の職務をしている国家公務員の退職金を「100」とした際に、国家公務員の退職金がいくつになるかを計算して求めます。「ラスパイレス指数」が100より大きい場合は、国家公務員の退職金より高額ということになります。 平成27年のラスパイレス指数の平均は99.0でした。平均額でみると若干ではありますが、国家公務員の方が退職金が高額であることが分かります。詳細は、大きい順に指定都市(101.2)、都道府県(99.7)、市(98.7)、特別区(98.2)、町村(95.8)です。特別区とは東京23区のことを指します。

退職金の支給日は基本的に翌月払い!退職日によってボーナスの支給額も変わる!?

退職金の支給日の詳細は自治体まかせ?

公務員の退職金の支給日は、基本的に翌月に支払われます。退職者が多い3月31日に退職した場合は、翌月4月中に退職金が支払われるという事になります。詳しい日はわかっておらず、各自治体によるところが大きいと考えられます。 3月以外に退職した場合も翌月払いが多いですが、稀に翌月を過ぎても退職金が振り込まれないケースがあります。その時は、給与担当者に問い合わせをするようにしましょう。

退職月の給与の支払いの考え方

退職月の給与は退職した当月に支給されます。これは、公務員の給与支給の締め日の考え方が多くの民間企業と異なっています。 ・民間企業の退職月の給与支払の例(3月31日に退職した場合) ①3月10日 給与締日(2月11日~3月10日分) ②3月25日 給料支給(2月11日~3月10日分) ③3月31日 退職 ④4月10日 給与締日(3月11日~4月10日分) ⑤4月25日 給与支給(3月11日~3月31日分)※給与支給終了

公務員の退職月の給与支払いの例(3月31日に退職した場合)

一方、公務員の退職月の給与支払いの例(3月31日に退職した場合)は以下の流れで行われます。 ①3月15日 給料支給(3月1日~3月31日分)※給与支給終了 ②3月31日 退職・給与締日(3月1日~3月31日分) ③4月15日 3月残業があった場合手当支給 公務員は、当月15日に当月いっぱい働いたとみなして先どって給与が支給されます。そのため、退職月をもって給与の支払いが終了します。ただし、当月の残業時間は退職日まで確定されないので、残業手当のみ翌月に支払われます。

気になる退職後のボーナスは?

公務員のボーナス支給となる基準日は「6月1日」と「12月1日」です。しかし、給与法において基準日前の1カ月以内に退職した職員については支払われると規定されています。そのため、「5月1日~5月31日」「11月1日~11月30日」に退職した方はボーナスを受け取れます。(退職日以降から基準日までの日数は日割り計算されて減額されます。)

自己都合で退職する際の公務員の退職金の計算方法は?

自己都合で退職する際の公務員の退職金の計算方法は?

公務員の退職金の計算式とは?

公務員の退職金の算定は、以下の式で行います。 退職金=(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額

俸給月額って?

「俸給月額」とは、法律で定められている「俸給表」に基づいて決定されます。

俸給表には、その職務や勤務条件などによって、11種17表に分類されています。17の俸給表とその対象者は以下のようになっています。   ・行政職俸給表(一)(ニ):一般行政事務職員など ・専門行政職俸給表:航空管制官など ・税務職俸給表:税務署職員など ・公安職俸給表(一)(二):刑務官、海上保安官など ・海事職俸給表(一)(二):船員など ・教育職俸給表(一)(二):気象大学校の教授、准教授など ・研究職俸給表:研究所の研究員など ・医療職俸給表(一)(二)(三):医師、薬剤師、看護師など ・福祉職俸給表:保育士など ・専門スタッフ職俸給表:情報分生還、国際交渉官など ・指定俸給表:事務次官、局長など   俸給表によって級数や号俸の設定は異なります。級数が上がる程職位が高いと言えます。

退職理由別・勤続期間別支給率×調整率は一覧表がある!

退職理由別・勤続期間別支給率×調整率には一覧表があります。自己都合での退職の場合、以下の表になります。(この表の数値は「退職理由別・勤続期間別支給率×調整率」)をはじめから掛け合わされている数値です。

勤続年数退職理由別・勤続期間別支給率×調整率(自己都合)
10.522
21.044
31.566
42.088
52.610
63.132
73.654
84.176
94.698
105.220
117.7256
128.4912
139.2568
1410.0225
1510.788
1613.3893
1714.6421
1815.8949
1917.1477

退職理由別・勤続期間別支給率×調整率(自己都合20年~38年)20~38年

勤続年数退職理由別・勤続期間別支給率×調整率(自己都合)
2020.445
2122.185
2223.925
2325.665
2427.405
2529.145
2630.537
2731.929
2833.321
2934.713
3036.105
3137.149
3238.193
3339.237
3440.281
3541.325
3642.369
3743.413
3844.457

退職理由別・勤続期間別支給率×調整率(自己都合39年~43、43年以上)

勤続年数退職理由別・勤続期間別支給率×調整率(自己都合)
3945.501
4046.545
4147.589
4248.633
43以上49.59

調整額は自己都合の退職だともらえないことも。何年以上勤務したらもらえるの?

最後に調整額ですが、所属していた号俸・級によって異なります。また、退職金の調整額は直近60カ月の合計で計算します。 1.指定職(6号俸以上) 95,400円 2.指定職(5号俸以下) 78,750円 3.行(一)10級 70,400円 4.行(一)9級 65,000円 5.行(一)8級 59,550円 6.行(一)7級 54,150円 7.行(一)6級 43,350円 8.行(一)5級 32,500円 9.行(一)4級 27,100円 10.行(一)3級 21,700円 11.その他(非常勤職員含む) 0円 ただし、勤続9年以下の自己都合退職者は調整額が支給されません。また、勤続4年以下の退職者(自己都合退職者以外)と、勤続10年以上24年以下の自己都合退職者は調整額が半額になります。

自己都合による退職者の退職金を計算してみよう!

自己都合による退職者の退職金を計算してみよう!

それでは、自己都合で退職した公務員の退職金を計算してみましょう。勤続15年、行政職(一)で号俸3、5級(直近30カ月は5級、その前30カ月は4級)の人が自己都合で退職した場合の退職金を計算します。 退職金=(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額 基本額は293,800円、退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率は10.788、調整額は(32,500×30カ月+27,100×30カ月)×0.5=894,000円です。これを計算式に代入します。 「293,800×10.788+894,000=4,063,514円」 自己都合で退職した公務員の退職金はこの場合、4,063,514円になります。

勤続年数別公務員の退職金の相場は?

勤続年数別公務員の退職金の相場は?

国家公務員の平均勤続年数は19年1カ月!自己都合の場合は平均が9年6カ月

国家公務員の平均勤続年数は19年1カ月です。そのうち自己都合の場合は、平均が9年6カ月となっています。また、平均退職年齢は41.8歳で、そのうち自己都合による退職者は32.6歳です。

勤続10年の場合は3,632,000円

勤続10年を経過した際、国家公務員の退職金の相場は3,632,000円です。(勤続10年~14年の退職金の相場)勤続10年で退職した民間企業の退職金は、1,681,000円(中小企業)、2,975,000円(上場企業)です。公務員の退職金の方が高額な事が分かります。

勤続20年の場合は10,825,000円

勤続20年を経過した際、国家公務員の退職金の相場は10,825,000円です。(勤続20年~24年の相場)勤続20年で退職した民間企業の退職金は、5,089,000(中小企業)、8,776,000円(上場企業)です。公務員の退職金が唯一1000万円の大台に乗っています。

勤続5年の場合は1,262,000円

勤続5年を経過した際、国家公務員の退職金の相場は1,262,000円です。(勤続5年~9年の相場)勤続5年で退職した民間企業の退職金は、668,000(中小企業)、1,223,000円(上場企業)です。勤続5年の公務員の退職金は、上場企業と大差ないことが分かります。

勤続3年の場合は704,000円

勤続3年を経過した際、国家公務員の退職金の相場は704,000円です。(勤続5年未満の相場)勤続3年で退職した民間企業の退職金は、369,000(中小企業)、683,000円(上場企業)です。勤続3年の国家公務員の退職金は、上場企業の退職金をわずかに上回っています。

勤続30年の場合は21,898,000円

勤続20年を経過した際、国家公務員の退職金の相場は21,898,000円です。(勤続30年~34年の相場)勤続30年で退職した民間企業の退職金は、10,201,000円(中小企業)、18,042,000円(上場企業)です。勤続30年を経過すると、いずれの会社でも退職金は1000万円を超えることが分かります。 勤続30年は、大卒で入社した場合50歳を超えており、管理職についている場合が多いためと思われます。また、早期退職者を募る企業もあるため、退職金の相場が高額になっていると考えられます。

定年退職での公務員の退職金の金額は?

定年退職での公務員の退職金の金額は?

定年退職の国家公務員の退職金の平均額は21,813,000円です。また、地方公務員の退職金の平均額は22,000,000円前後と言われており、国家公務員をわずかに上回ってはいますがほぼ同水準です。また、民間企業の退職金(大学卒)は21,560,000円でこちらも同水準です。

公務員の退職金に税金はかかるか?

公務員の退職金に税金はかかるか?

退職金の所得税計算は?

「退職所得の受給に関する申告書」を忘れずに提出しよう!

退職金の所得は、給与支給による所得とは別ものとして考えます。退職の際に「退職所得の受給に関する申告書」を退職手当の支払者に提出することとなります。 「退職所得の受給に関する申告書」は退職金が支払われる前日までに提出することによって、退職金に対する所得税の軽減措置が受けられます。この軽減措置により、どのくらい所得税が軽減されるのでしょうか。計算してみましょう。

「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合:まず退職所得(課税対象額)を計算

「退職所得の受給に関する申告書」を提出する場合は、まず所得税の課税対象額となる「退職所得」を計算します。退職所得の計算方法は以下の式によって計算されます。 退職所得(課税対象額)=(「退職金」-「退職所得控除額」)×0.5(1000円未満切捨) 退職所得控除額の計算方法は以下のとおりです。 ・勤続年数が20年以下の場合:退職所得控除額=400,000円×勤続年数(最低額は800,000円。勤続年数が1年に満たない月数は1年に切り上げ。) ・勤続年数が20年を超える場合:退職所得控除額=800,000円+700,000円×(勤続年数-20年)(勤続年数が1年に満たない月数は1年に切り上げ)

「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合:いよいよ所得税を計算してみよう

退職所得(課税対象額)を算出後は、以下の式に当てはめて所得税を計算します。 ・退職金にかかわる所得税=(「退職所得(課税対象額)」×所得税率)-控除額×102.1%(小数点以下切捨) 所得税率と控除額は以下の表より算出します。

退職所得(課税対象額)所得税率控除額
~1,950,000円5%0円
1,950,001円~3,330,000円10%97,500円
3,330,001円~6,950,000円20%427,500円
6,950,001円~9,000,000円23%636,000円
9,000,001円~18,000,000円33%1,536,000円
18,000,001円~40,000,000円40%2,796,000円
40,000,001円~45%4,796,000円

「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合

「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合は、以下の式で所得税が計算されます。 ・所得税=「退職金」×20%

実際に所得税を計算してみよう!

では、実際に退職金にかかわる所得税を計算してみましょう。今回は、退職金20,000,000円(勤続年数40年)で計算します。 ・「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合 ①退職所得控除額=800,000円+700,000円×(「40年」-20年)=14,800,000円 ②退職所得=(20,000,000-14,800,000)×0.5=9,260,000円(1000円未満切捨) ③所得税=(9,260,000×33%)-1,536,000×102.1%=1,551,715円 ・「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合 ①所得税=20,000,000×20%=4,000,000円 その差は2.5倍です。退職の際は「退職所得の受給に関する申告書」を忘れずに提出しましょう。提出を忘れても確定申告を行うことによって、正しい税率で所得税が計算されるので安心しましょう。

公務員の退職金の前借りは出来るのか?

公務員が退職金の前借を行うことは不可能です。地方自治体を含めていても、退職金の前借を行っている団体もないと言われています。

都道府県別公務員の退職金の金額は?

都道府県別公務員の退職金の金額は?

勤続25年以上の都道府県職員の退職金の平均は27,380,000円です。最も退職金が高い都道府県は福井県の28,850,000円で、逆に最も退職が安い都道府県は岡山県の25,620,000円です。

就職活動の際には退職金も考慮しよう!

就職活動の際には退職金も考慮しよう!

公務員の退職金の相場や勤続年数別公務員の退職金、定年退職をした公務員の退職金から公務員の退職金に関わる所得税を紹介しました。勤続年数によっては、年収を大きく超える退職金を得ることが可能です。就職活動の際には、退職金も考慮するようにしましょう。

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