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みかんの育て方の基本とコツ|剪定/冬対策/甘くする方法

ガーデニング

みかんは親しみ深く、比較的育て方も簡単と思われている果樹ですが、それでも一般家庭ではじめて育てるのはなかなか難しいものです。今回はみかんの育て方の基本的な部分と、インターネットでは触れられる機会が少ないポイントについて、整理してみました。

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みかんの上手な育て方を知ろう

家庭で果樹を育ててみたいと思い立ったとき、みかんをはじめとする柑橘類にチャレンジしてみようと考える人は意外と多いです。ところが、図書館などで調べようとしても、家庭園芸用の入門書から、いきなりプロの果樹農家向けの育て方の専門書になってしまい、とりあえずまず何を押さえるべきか、わかりにくい状況です。 そこで今回は、初心者の方に向けて、みかんの上手な育て方のポイントを説明します。

鉢植え?庭植え?まず、これを決めよう

家庭で果樹を育てる際、まず検討するべきは、鉢植えにするか、庭植えにするかということです。みかんの育て方についても同様ですが、初心者の方は、まず鉢植えから入ることをオススメします。

育て方の違いで、結実までの期間がかわる

みかんの育て方にかぎらず、果樹は栄養成長と生殖成長の2つの段階を交互にくりかえしながら、成長し、寿命を迎えます。 栄養成長とは、根を広げ、幹を太らせ、身体を大きくしていこうとすることを言います。生殖成長とは、花を咲かせ、実をつけ、子孫を残す行動をとることです。 庭植えにした場合、少しでも大きくなろうと根を張り、幹を太くすること優先しようとします。これはみかんをはじめとする柑橘類も同じことで、まず、根が張れるところまで身体を作ることを優先してしまい、なかなか実をつける過程に移行してくれません。

早く結実させたければ、鉢植え一択

苗木を庭植えした場合、はじめての収穫まで4年から6年程度かかるとされています。それに対して、鉢植えの場合は、鉢のなかの土量で根の発育が制限されますから、みかんの木の生育は早く止まり生殖成長に移行します。一般的には、庭植えの半分程度の期間で、はじめての収穫を迎えることができます。 この考え方は根域制限栽培といい、プロ農家でも有効なみかんの育て方として取り入れられています。プロ農家の場合は、鉢ではなく合成繊維のネットを地面に埋め込むことで、根の発育を制限し早く収穫できるように仕向けます。

鉢植えにする育て方の利点は他にも

もともと、みかんなどの柑橘類は、インド原産で、中国南部や熱帯地方から日本に伝わりました。寒さに弱い品種が多く、この後にも説明しますが、ほとんどの品種で冬越しの対策が必要です。鉢植えにすることで室内に取り込むことができ、冬越しの対策がしやすくなります。

鉢植えにする育て方の不利な点

みかんの育て方で鉢植えを選んだ場合、枝葉の成長が抑えられるため、大きさの割に実つきは良くなります。とはいえ、コンパクトに育ちますから、一本のみかんの木からとれる収穫量は、少なくなります。また、育て方がよく、実つきの良い理想的な育ち方をすればするほど、根が水分をどんどん吸収するため、水やりをひんぱんに行う必要がでてきます。

みかんの上手な育て方(1)苗木選びから植付けまで

みかんの育て方の最初のポイントは、苗木の選び方です。苗木は、園芸店やホームセンター、通販などで棒苗と呼ばれる、まっすぐ伸びた苗木を買い求めるのが一般的です。

良い苗木を選ぶ

みかんの育て方で苗木を選ぶポイントは、最終的にどのくらいの大きさに仕立てたいかです。 早く収穫したいというのであれば、プロの手で数年生育された「大苗」を購入するのが、手っ取り早い方法です。ただし大苗になればなるほど、その土地の気候に慣れて育つため、冬越しがシビアになる点は気をつけておきましょう。 暖地で育った大苗を寒冷地で育てる場合は、2年ほどかけて、新しい環境に慣れさせます。また、一度大きく育ってしまったものを、コンパクトに仕立て直すのは、経験者でも困難な作業であり、枯死させてしまう危険性があります。 コンパクトに育てることを優先するのであれば、大苗よりも収穫できるまでの年数はかかりますが、棒苗から育てるほうが確実です。育て方について市販の手引書では、大苗を初心者にすすめるケースが多いのですが、最終的に仕立てるサイズをよく考慮しておかないと、泣く泣く手放す羽目になりかねません。

種から育てると品種が変わる

みかんを食べていると、種がなかから出てくることがあります。この種をもちいた育て方を「実生」と言いますが、市販の手引書ではなかなかお目にかかることがありません。それは、種から育てた場合、元の品種と同じものにならないからです。

みかんは500以上も品種がある

みかんをはじめとする柑橘類は、新しい品種ができやすい植物であり、一説に500を超える品種があるとされています。温州みかんやその系統は、受粉しなくても実をつけます。ほかの柑橘類の花粉を受粉した場合にのみ、実のなかに種がはいるのです。 父親は同じ時期に花が咲くほかの品種であり、双方の形質を受け継いだ品種を、新たに育てることになります。農業試験場といわれる施設では、この作業を人工的に行い、新品種の創出を研究しています。

実生は結果が出るまで十数年待つことも

種から育てた場合、はじめての結実まで、一般的に8年はかかるとされています。新品種が発見され、有用な品種として登録されるまでに十数年かかるケースもあります。それだけ待ってみて母親よりも美味いかどうかはわかりません。そのため、初心者向けの育て方の手引書では、種から育てることは現実的でないため、記述されません。

日当たりの良い場所を選んで

みかんの育て方のポイントとして、日光を好む点があげられます。日当たりの良い場所をあらかじめいくつかチェックしておきましょう。夏場の厳しい陽射しをさけることも、冬に陽だまりを探すことも、鉢植えであれば容易です。これが初心者向けの育て方として、鉢植えをオススメする理由の一つです。

みかんの苗木の植付け方

みかんの育て方で、鉢植え、庭植えのいずれを選ぶにしても、植付けの時期が重要です。時期さえ間違わなければ、多少荒っぽい手順でも、苗木そのものがもつ生命力でカバーしてくれます。

植付けは立春ごろに行う

みかんの植付けは、立春(2月4日ごろ)以降に行います。慣れないうちは、新芽が動きはじめる3月中旬までには、必ず終わらせるようにします。みかんの育て方に関する本では、4月に入ってからも問題ないとするものもありますが、時期が遅いほど、定着せず枯死するリスクは高くなります。 また、育て方を調べるときにあわせてチェックしておきたいのは、植付け時期の最低気温です。みかんをはじめとする柑橘類は、原産が熱帯の植物ですので、寒さに弱い品種がほとんどです。 しかも、市販の育て方の手引書に記載されている最低気温は、充分に成長した成木に対してのもので、植え付けてすぐの苗木では耐えられません。もし、お住いの地域が3月でも氷点下を下回るような場所であれば、寒い日は室内に取り込める鉢植えを選択するべきです。

用土の選び方

みかんの育て方で、植付け時の用土選びの際気をつけるポイントは、「すてられる土」「燃やせる土」と表記のある、ピートモスやココピート主体の用土を用いないことです。 マンションのベランダなどで鉢植えを育てようとすると、つい、燃えるごみに出せるという表記に目がいきがちになります。たしかに便利ですが、果樹栽培には向きません。 窒素、リン、カリウムという三大栄養素は、肥料を与えることで補給することができますが、その他のカルシウムや銅といったミネラル分は、土からしか補給できないためです。ミネラル不足は、結実に影響し、病害虫への抵抗力を弱めます。 みかんの植付けは、赤玉土などを主体とした市販の用土で、弱酸性と表記があるものであれば、そのまま利用できます。とくにこだわる必要はありません。

みかんの上手な育て方(2)日常の手入れ

水やり

鉢植えにおけるみかんの育て方のポイントとして、水やりが挙げられます。みかんをはじめとする柑橘類は、水切れを嫌います。常に湿らせ続けると根っこが腐ってしまいますが、手に持ってみて、軽いと感じたら、水やりをするようにしましょう。 日頃から手入れをしていくなかで、鉢底から水がたっぷりと流れ出るまで水を与えたときの重さと、ほとんど乾燥したときの重さの違いを、覚えておく必要があります。土の表面の乾き具合で判断する方法を紹介する育て方の手引書が多いのですが、手に持ったときの重量の違いを覚えておくほうが、間違いがありません。

施肥のタイミング

みかんなどの柑橘類の育て方で気をつけるポイントに、施肥のタイミングがあります。みかんをはじめとする柑橘類は、肥料をとくに要求します。施肥のタイミングは、おおむね次の時期です。

立春ごろ(植付けの時期はのぞく)

寒さが緩みはじめる立春ごろに、緩効性肥料を施肥します。与える肥料は、有機質肥料でも人工肥料でも構いません。市販の手引書では、水やりのたびに流れ出てしまうミネラル分の補給を兼ねて、有機質肥料をすすめる記述が多いのも事実です。 しかし、有機質肥料であとから補給するミネラル分の量より、新たな用土に数年おきに植え替えたほうが、ミネラル分の補給は確実に行えます。あまり気にする必要はありません。

梅雨ごろ

5月に花が咲いたあと、梅雨明け前に、結実したみかんが大きくなるよう、人工肥料を施肥します。

冬になる直前

おおよそ10月後半から11月の初旬にかけての時期、朝晩が冷え込んできて寒くなりはじめたら、3度目の施肥をします。これは越冬のための施肥であり、この時期までに収穫するみかんの品種が多いことから「お礼肥」と呼ばれることもあります。

施肥の量

施肥の量については、おおむね8号鉢で年間60グラム程度を目安にしますが、有機質肥料や人工肥料により栄養素の濃度が異なるため、注意書きに従うようにしましょう。施肥量の配分の目安は、上記3回のうち、立春に半分を施し、残り2回で4分の1ずつとします。

花と人工受粉

みかんの花は5月ごろに咲きます。現在一般的に苗木が市販されているものは、自家受粉するものか、受粉しなくても結実するものが多いため、花や受粉に気をつける必要はありません。むしろ、受粉することで結実する際に種が入ってしまうことがありますから、逆に注意が必要です。

摘果

プロの農家は、果樹に実がつきすぎることで塾するのが遅れたり、毎年きちんと結実しなくなることをおそれ、「摘果」という作業を行います。 みかんの育て方で初心者が押さえるべきポイントとしては、実が上を向いてついている「天なり果」と、果実同士の位置が近く、こすれあって傷がつきそうなものの片方のみを、剪定バサミを使用して除去することです。

剪定は最少限度にとどめる

みかんの育て方で、剪定は2つの意味を持ちます。1つは、育て方の手引書にあるとおり、日照を妨げる枝を除去して、実つきをよくしようとするものです。もう1つは、剪定することでコンパクトな樹形を保ち、管理しやすくすることです。 プロの農家の場合、樹高が数メートルになることも珍しくないため、枝の込み具合では、剪定により日当たりを改善する必要があります。しかし、私たちが育てるような鉢植えや庭植えのサイズでこの視点から剪定を行ってしまうと、全体の葉量が不足し、実がつかなくなってしまいます。 また、みかんの育て方の手引書では、徒長枝を切除しましょうと書かれていることが多いです。しかし、鉢植えの場合、徒長枝といえども切除してしまうと、日光から栄養を生産する葉っぱの絶対量が足りなくなってしまいます。結実しても大きく育ってくれません。

剪定はサイズを調整するためにのみ行う

日当たりを目的とした枝の切除は、鉢植えの場合は最少限度に留めます。むしろ、家庭でのみかんの育て方で重要なのは、剪定により樹木の大きさを調節することにあります。 育てはじめて2年目、3年目となると、長い枝が主幹から伸びてきます。この枝の真ん中で、節目になっているところから切除することで、新たな枝がそこから発生します。この繰り返しにより、みかんの木のサイズを決めていきます。これは「はさみ作り」と呼ばれる古来からの手法で、家庭で扱いやすいサイズになるよう果樹全体の大きさを調整することができます。

みかんの病害虫対策

みかんは、病害虫による被害が意外と多いです。とくに家庭での育て方で気をつける点として、次のようなものがあげられます。 いくら育て方に気を使っても、育てる環境によっては、病虫害にあってしまいます。そのようなときは、どうすればよいのでしょうか。

ハダニ対策が最も重要

みかんの育て方で、とくに重要となるのがハダニ類です。ほかにもみかんにつく害虫はいますが、マンションのベランダなど、雨があたりにくく乾燥した場所でみかんを育てると、あっという間に繁殖してしまいます。 ハダニの駆除で最も効果があるのは、マシン油乳剤を使用する方法です。マシン油に殺虫効果はありませんが、マシン油の油膜でハダニの成虫や卵が窒息することを狙います。

マシン油乳剤の使用できる時期

マシン油乳剤が使える時期は、真冬か5月の終わり頃だけなので注意しましょう。気温の高い時期は、樹木そのものの呼吸を妨げてしまい、樹勢を弱らせてしまいます。マシン油乳剤が使えない時期は、殺ダニ剤を使用するか、水やりのたびに樹木全体に強く水流をあてて、ハダニを洗い流すようにします。

その他の害虫対策

ハダニのほかに注意すべきは、アブラムシやハモグリガです。アブラムシは4月から7月にかけて、ハモグリガは6月から8月にかけて見られます。発見した頃には手遅れになっていることが多いため、登録のある薬剤を入手し、繁殖しはじめる時期の前に散布しておきます。 この記事を書いている時点では、クロチアニジン系の薬剤(ベニカ水溶剤など)が一般的です。農薬は登録内容に変更が多いため、入手の際に、みかんをはじめとする柑橘類に使用できるかどうかチェックしましょう。

消毒は必要ではない

プロ農家の場合、みかんの木を消毒する作業を行います。これは、落ち葉や枯れ枝に病害虫の原因菌が残っているために行うもので、家庭では清掃が行き届いていれば、行う必要はありません。

病気にも清掃が行き届いていればなりにくい

みかんに関する病気については、上記の害虫に起因するものがほとんどですので、害虫対策をしっかりと行えば防ぐことができます。大規模栽培では家庭栽培ほど目が行き届かないため、薬剤による病気対策が必要となります。

みかんの冬越し対策

鉢植えについては、天気予報をチェックし、最低気温が氷点下になりそうなときは室内に取り込むようにします。 庭植えについては、不織布や寒冷紗、入手できる場合はワラによるマルチングを施します。ユズやカボスのようなもともと寒さに比較的強い品種であれば問題ありませんが、基本的に、庭植えは初心者向けの育て方ではないと心得てください。

みかんを甘く育てるコツ

甘いみかんを収穫できる育て方として、過去に、水分を可能なかぎり与えない方法が推奨されていました。 プロの農家では現在でも行われていますが、毎日つきっきりで管理できるプロの農家ならいざ知らず、会社勤めの合間、朝晩しかチェックできない私たちの場合、夏場に水切れでみかんの木を弱らせ過ぎてしまう原因にもなっていました。枯死させることもあるため、初心者向けの育て方としては、推奨しません。 手軽に甘いみかんを収穫する方法としては、一般的に収穫適期とされている時期にわざと収穫せず、そのまま樹上に生らせっぱなしにする方法のほうが、樹木を傷めずにすみます。これが可能なのは、1月から7月ごろまでが収穫適期とされている品種で、冬前の施肥を行う直前まで、樹上で放置することで酸が抜けて甘くなります。 酸味が抜けすぎるのも好みが分かれますので、ときおりひとつずつ食べてみて、頃合いをみながら収穫するようにします。

人気品種の育て方のポイント

みかんをはじめとする柑橘類は、結実する時期や収穫の適期が品種によりことなるため、育て方に注意すべきポイントがあるものがあります。

早生

9月から12月ごろまでに収穫適期を迎えるみかんの品種を早生と呼びます。早生は、最低気温の管理をシビアに行う必要がありますので、初心者は鉢植えにすると樹勢を保ちやすいでしょう。

はるみ

糖度が高く甘いため人気がある品種です。夏場に水切れさせると、一年おきに結実するようになるため、栽培は困難と心得ましょう。チャレンジしがいがある品種です。

はるか

日向夏を親とする「はるか」は、寒さに弱い点にまず気をつける必要があります。また、風の強い環境では病気になりやすく、肥料も比較的に多めに必要です。日当たりのよい環境でないと結実しないため、マンションのベランダなどでは、日照不足で結実しない可能性があります。

なつみ

なつみと平仮名で表現されることもありますが、品種名は「南津海」が正式です。樹木そのものは寒さに強いのですが、果実はマイナスの気温が続くとパサパサになり、食味が落ちてしまいます(これをス上がりと言います)。樹上で越冬させればさせるほど甘くなりますが、ス上がりに弱い点にも注意しましょう。

せとか

種子がなく食べやすい品種ですが、果皮が薄く日当たりの良すぎる場所では育てにくい品種です。

不知火

ポンカンを親に持つ品種で、俗に「デコポン」という商品名で知られます。樹勢が弱く、また、乾燥させすぎると酸が抜けないため、栽培には気を使う品種です。

桜島小みかん

キンカンの2倍ほどと実が小さいため、現在ではあまり人気のない品種になってしまいましたが、寒さに強く、最も手がかからない初心者向けの品種としておススメなのが桜島小みかんです。樹勢も強く、荒っぽい剪定にも耐えるため、まず、みかんの育て方をマスターするためにも、この品種からはじめてみることをおススメします。

まずは作りやすい品種でチャレンジを

みかんの育て方の説明は、インターネットなどを調べると簡単に分かりますが、スーパーなどで入手できる有名な品種は実のところ育て方も難しく、手間も人一倍かかる点にはあまり触れていないことが多いのが実情です。 みかんをはじめとする柑橘類は、気候が合えば比較的育て方は簡単なほうですが、まず、最初から気負いせず、園芸店や通販サイトで「育てやすい」とされている品種からはじめてみるのがよいでしょう。自信がついたら、市販されている品種にもチャレンジして、プロ顔負けの収穫を目指してみてください。

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