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スイスの物価が高い理由・商品別物価比較・地域別スイスの物価

経済

スイスは日本では「時計」「アルプス」「永世中立国」などで有名な国ですが、その他多数の国連機関が設置されていることでも有名です。国境の南側はアルプスを挟んでイタリア、北西側はフランスとドイツ、東側はオーストリアとリヒテンシュタイン公国に囲まれた内陸国です。

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スイスってどんな国?

スイスは現在4カ国ある永世中立国の1つであり、欧州自由貿易連合(EFTA)に加盟していますが、欧州連合(EU)には加盟していません。なお、2002年(平成14年)国民投票の結果を受け、190番目の国連加盟国となっています。 スイスはヨーロッパのほぼ中央部に位置し、アルプス観光で有名な観光立国です。国の東側をオーストリアとリヒテンシュタイン公国、北側をドイツ、西側をフランス、そしてアルプス山脈を挟んだ南側をイタリアと国境を接している典型的な内陸国です。 スイスの公用語は4種類と定められています。ただ硬貨や切手など国名を4種類で併記できない場合に限り、単独でラテン語の国名ヘルヴェティア(Helvetia)で表記していますが、日常生活で使用される言語は大まかにドイツ語64%、フランス語20%、イタリア語6%、ロマンシュ語1%、その他9%の割合となっています。 なおスイスの国土面積は約4.1万km2(世界132位)、人口は約790万人(世界93位)とヨーロッパの中でも際だって小さな国ということもあり、政策的に法人税の優遇措置を講じることで国外からの投資を誘致しています。スイスには金融・電力・精密機械・化学薬品などの巨大な複合企業が本部を置いていることもあり、国内総生産(GDP)が世界20位と高い位置を占めています。

スイスの最低賃金

スイスの1人当たり国内総生産(GDP)は約8.1万ドルに上り、世界でもトップクラスの水準であることが物価高の要因の一つになっています。取り分けスイスは全世帯に占める富裕層の割合が非常に多く約10%が100万ドル以上の金融資産を保有していこともあり、スイスフラン(CHF)は国際的に最も安定した通貨と高い評価を受けています。 つい最近のことですが、スイスの国会において「最低賃金」を時給22スイスフラン(約2,500円)にアップする国民投票が行われましたが、流石にスイス国民の76.3%が反対票を投じ否決されたそうです。言うまでもありませんが、可決されていれば世界最高水準の最低賃金となる筈でした。念のため言い添えますが、一般的な労働者の平均時給は優に3,000円を超えています。 スイスの物価高と最低賃金は裏腹の関係なので、観光客からするとスイスの物価がこの先どうなるのか些か気になるところです。

スイスの物価高の背景

スイスの国土は九州とほぼ同じ面積ですが、海に全く面することが無く四方が他国に囲まれた典型的な内陸国です。因みに、スイス国境の南側にはアルプス山脈を挟んでイタリアと接し、西側はジュラ山脈を挟んでフランスと接しています。国の中央部分の東西に広がる大地(スイス高原)に、国民の大半が居住し産業活動を展開しているため、農産物の耕作面積は国土の約10%しかありません。 スイスはさまざまな歴史的経緯を踏まえ、今から200年前以上の1815年(文化12年)のウィーン会議において「永世中立国」を宣言しています。つまり国民生活の基盤となる「安全保障」と「食料自給」を他国に委ねる選択肢がないので、それと入れ替えに多大な犠牲を強いられることになります。

スイスの物価高の要因

スイスの物価が高い理由は、国のおかれた地勢的環境や歴史的背景を鑑みると、単に人件費が高いという側面だけではありません。スイスの物価高の主な理由は、概ね以下のような事情があると考えられます。 (1)農業政策 スイスは「食糧自給率」を確保するため非常に厳しい農産物の保護規制と、併せて食品の「安全確保」を最優先した厳格な品質規制を行っているため、必然的に製造コストに跳ね返り特に食品の物価高を招来します。 (2)国防・安全保障政策 永世中立国の宣言に伴い、スイスは自国で調達できない海産物を含む食料品やエネルギー資源などの確保、国防や安全保障面などに多大なコストが強いられますが、徴兵制度(女性は任意)を国民の義務として受け入れています。因みに、スイスに鉄道網が張り巡らされた大きな理由は無駄なガソリンを節約し、寧ろ自然環境を守るため少々の物価上昇を厭わないという意思の表れかも知れません。 (3)金融業の発展 スイスは永世中立国なので他国との紛争リスクが小さく、保険や銀行などの金融業に対する信頼性が高いため、必然的に世界中から潤沢な資金が流入します。金融機関の中には「地下銀行」などの不正資金も多く含まれますが、これら金融業の発達がスイスの物価高の大きな要因の一つになっています。 (4)スイスフラン高 スイスはヨーロッパのほぼ中央に位置しているにも拘わらず、ヨーロッパ連合(EU)には加盟していません。しかしEUの経済情勢の不安定化に伴い、スイスフランが安全通貨と見なされ為替相場が高騰し更なる物価高に繋がっています。 (5)人件費 スイスの平均的な労働者の単位時間当たりの労働生産性は、世界で最も高いと評価されているので人件費と物価に跳ね返っていのは当然のことです。物価と人件費には「鶏と卵」の関係があり、必ずしもどちらが原因でどちらが結果なのかを判断するのは、些か難かしい永遠のアンチテーゼです。

スイスvs.日本:商品別の物価比較

ミネラルウォーター

スイス旅行の水道水は概ね飲用可となっていますが、基本的にミネラル分を多く含むため硬度が高いです。なおスイス旅行をしていると色々な施設に設置されている噴水に気がつきますが、噴水の水も一応飲めることになっています。ただ胃腸の弱い人は、普段飲み慣れない硬度の高い水を飲むことを避けた方が無難です。 ペットボトル入りのミネラルウォータは、スーパーやキオスクなどで色々な種類が販売されていますので、ホテルにチェックインする前に買い求めておくと良いでしょう。売られているミネラルウォーターは、炭酸入りの「ガスウォータ」と炭酸なしの「ノンガスウォータ」の2種類がありますので、ラベルを確認し間違わないようにしてください。 因みに、日本の量販店では、ペットボトル入り500mlの価格は1本90~100円くらいが相場ですが、スイスのキオスクなどで売られている500mlボトルの値段は2.5~3.5CHF(300~400円)くらいが一般的です。日本と違い、レストランで食事の度に支払うコップ1杯の水の料金が200円といわれると、やはりスイスの物価高には驚かされます。

ビッグマック

その国の経済力や物価動向を測る「ビッグマック指数(BMI)」の比較では、指数の高い順に1位~3位までいずれもヨーロッパの国が占めています。因みに、本場のアメリカは4位、日本は35位にランクされていますが、トップ5は以下のようになっています。 第1位:スイス(762円) 第2位:ノルウェー(669円) 第3位:スウェーデン(658円) 第4位:アメリカ(599円) 第5位:フィンランド(589円) もちろんビックマックだけでなく、色々な物価はその時々の為替レートによって変動しますが、スイスでビッグマックのMセットを注文するとほぼ間違いなく1,500円くらいします。つまり4人家族で行くと5,000円では済みません。スイスの物価高を実感させられるは、案外マックのようなファーストフード店なのかも知れません。。

コカ・コーラ

日本の一般小売店では、コカ・コーラの500ml缶は150円くらいで販売されているところが多く、量販店になると80~100円くらいが相場です。因みに、コカ・コーラの本場アメリカでは、おおよそ70年間もの間コカコーラの値段が変わっていないとのことです。 スイスのコカコーラの値段は、500mlペットボトルが450~500円くらいで、やはりミネラルウォータよりは若干高めの価格です。それにしても日本の価格の約5倍ほどですから、はやはりスイスの物価高は筋金入りです。

ホテル

スイスに限らずホテルの宿泊費は「星の数」によって違うことは常識ですが、もちろん為替レート・季節・地域(場所)などによって変動します。スイスは物価が高いことで有名ですが、中でもホテル料金が高いことは驚かされます。特にハイシーズンの観光地や大都市圏のホテル料金や物価高は、世界的に見ても紛れのない事実です。 スイスでは大都市圏の中級(3星)のシティーホテルの宿泊料金(1泊朝食付き)が20,000~25,000円くらい、それ以上星が多い高級ホテルの宿泊料金は35,000~50,000円くらいが相場です。因みに、エコノミークラスとなると10,000円前後くらいで宿泊できるホテルもありますが、寝具が気になったりトイレやシャワーの不調を心配するようなこともあります。 因みに、観光地にある小さな山荘風のホテルでも、ハイシーズンになると部屋の設備や清潔さの割に結構なお値段で、大都市の高級ホテルと遜色のない宿泊料金が請求されます。観光地ではその上に、食事やお土産などを含む諸々の物価が目が飛び出るほど高いものですが、朝方が覚めるとホテルの窓からアルプスの美しい山々が見えると、その瞬間にホテル料金や物価高も少しだけ許せる気になります。

チョコレート

スイス土産の定番は何といってもチョコレートです。ただ観光を終え現地を出発する前に、免税店であれもこれもと買い過ぎてしまうと、知らず知らずトランクの重量オーバーしてしまうと、航空機の超過料金を取られてしまいますのでくれぐれもご注意ください。 「知る人ぞ知る」。スイス人は例外なくチョコレートが大好物です。話によると、スイス人の1年間のチョコレートの消費量が日本人の5倍にもなります。つまり1年間に約10kgも食べるので、スイスのご婦人にふくよかな方が多い理由がそれとなくわかる気がします。 スイスのキオスクやスーパーなどのチョコ売り場に行くと、夥しいほど色とりどりのチョコレートが棚に陳列されています。不思議なことに物価が高いスイスにあって、チョコだけは日本円で1箱200~300円くらいで手に入ります。また、空港の売店にも結構お安く売られているので、気の置けない友人のお土産には打って付けです。場合によっては、日本で買うよりお安く手に入るかも知れません。

スイス国内の物価比較

スイスのチュ-リッヒなどに本部を置く金融持株会社(UBS)が商品やサービス、および賃金や労働時間などについて世界71都市を比較調査(2005年)した結果によると、物価が世界1高い都市は「オスロ」、続いて「コペンハーゲン」その次に「東京」の順でした。 なお、スイスの都市間の比較では、どの項目もチュ-リッヒ・バーゼル・ジュネーブの3都市によって占められています。 (物価) 第1位:チューリヒ 第2位:バーゼル 第3位:ジュネーブ (家賃) 第1位:チューリッヒ 第2位:バーゼル 第3位:ジュネーブ (賃金) 第1位:チューリッヒ 第2位:バーゼル 第3位:ジュネーブ (購買力) 第1位:チュ-リッヒ 第2位:バーゼル 第3位:ジュネーブ 因みに、スイスの主要都市の人口トップ5は、以下のようになっています。参考として、スイス第1位のチュ-リッヒの人口約37万人に相当する日本の都市を見ると、大阪府吹田市(第53位)や群馬県高崎市(第54位)となっています。 (第1位)チュ-リッヒ:37.3万人 (第2位)ジュネーブ:18.7万人 (第3位)バーゼル:16.3万人

スイスの鉄道運賃はリーズナブル!

スイスの国土面積は九州とほぼ同じくらいにも拘わらず、まるで網の目のように大都会からアルプスの山頂まで鉄路が敷かれています。取り分け山岳地帯を走る登山電車の発達が目覚ましく、急な勾配を走行する美しいフォルムの電車がアルプスの谷間を潜り抜け、平気で標高2,000~3,000mの山の上まで観光客を運んでくれます。 スイスの最大の主要都市である「チューリッヒ」と「ジュネーブ」を結ぶ都市間特急(IC)は、約300kmの走行区間を2時間45分で走ります。乗車料金はファーストクラスで21,500円、エコノミークラスで12,900円なので、異常なほど物価が高いスイスにあって中々リーズナブルの料金と感じます。 また何といってもスイス観光客において最も人気があるのは「氷河特急」です。この電車は「サンモリッツ」と「ツェルマット」を結ぶ観光列車ですが、始発から終着まで乗り継ぐと約8時間を要します。あまり時間に余裕がない観光客は、途中駅の「アンデルマット」から乗車してツェルマットを目指すのが一般的です。 ツェルマットに到着する15分くらい前になると車窓から名峰「マッターホルン」の勇姿が現れ、その瞬間一斉に歓声が立ち上がります。この乗車区間は約100kmを3時間40分掛けて走りますが、乗車料金はファーストクラスで17,800円、エコノミークラスで10,600円となっています。スイスの物価高のイメージからするとこちらも可なり割安感がします。 因みに、ツェルマット駅の標高は約1,600mですが、ここから標高3,089mのゴルナーグラート鉄道の終着駅まで40分ほど掛けて一気に駆け上がると、スイスで1番標高が高い「モンテローサ」の美しい姿を見ることができます。なお、頂上駅から始発駅までトレッキングを楽しみながら下山できるので、天気さえ良ければ下山の道すがら「マッターホルン北壁」が手に取るように望めます。

ラクレットの思い

1974年(昭和49年)に放映されたテレビアニメの番組「アルプスの少女ハイジ」の中で、主人公のハイジがよく「ラクレット」を食べていましたが、牧歌的な臭いのするこの食べ物が日本人に認知されたきっかけでした。 暖炉で溶けたチーズの焦げた臭いを彷彿させる場面を見るに付け、スイス・アルプスに憧れを抱いた人は少なくないかも知れません。しかし、ハイジのアニメからスイスの物価高など知る由もありませんので、一度ならずスイスに行ってみたいと思った日本人は多いのではないでしょうか。 さて、スイス旅行で1週間から10日間ほど訪れる観光客にとっては、仮に現地で少しばかり両替したスイスフランを使うことがあっても、レート感覚がないので物価高を実感することはそう多くはありません。また、嗜好品やお土産など買ってもクレジット決裁なので、物価高に気付くことがありません。 そんな訳ですから夢に見たスイス旅行中くらいは、しばしスイスの物価高を忘れ思う存分楽しまれたらいかがでしょうか。

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