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有限会社と株式会社|違い・将来性と安定性|就職先としての2面性

初回公開日:2017年09月13日

更新日:2018年07月17日

記載されている内容は2017年09月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

経営

「有限会社」は現在、新しく設立することはできません。それは2006年に新社会法施行に伴うものです。しかし、現在でも多くの有限会社が看板を掲げています。このような会社はどうして株式会社に移行しないのでしょうか。そもそも、有限会社とはどのような会社なのでしょうか。

有限会社・株式会社とは

「株式会社」はよく耳にする会社形態ですが、日本には「有限会社」という形態をとっている会社もあります。両者の違いは何なのでしょうか。 株式会社と有限会社は似た性質を持ちながら、法律上の扱いや会社としてできることの規模が大きく違います。日本で会社を扱う法律である「会社法」をもとに「株式会社」と「有限会社」、またその他の形態の会社にも触れつつ違いを見ていきましょう。

会社法上の定義

現行の「会社法」では、「有限会社」は、新しく設立することはできません。2006年に新社会法施行に伴い、「有限会社」の設立は終了しました。 しかし、現在でも多くの有限会社が看板を掲げています。これは2006年の新社会法施行前に設立された会社で、今も株式会社に移行せず、あえて有限会社のままにしているところがほとんどです。

株式会社

株式会社とは、出資者(株主)と経営者が必ずしも同一ではない形態をとる会社のことです。株主は出資をするだけで、業務一式は経営のプロやその業務のプロに任せている、というイメージです。 株主は株式の量に応じて議決権や配当請求権を持ちます。「株主総会」や「株主優待券」などがその一環です。また、株式は自由に譲渡することができます。ただし、株主は経営の不良による負債などの責任は負いません。

有限会社

現行の会社法では、有限会社は認められていませんが、「特例有限会社」として残っている場合があります。基本的には株式会社と同じような規則に則って経営されますが、少し違いがあります。 有限会社でも出資者は「株主」になります。ただし、有限会社の株式は一般公開できません。つまり、会社を立ち上げるときに出資した人のみが株主になります。現在有限会社は設立できないので、今後有限会社の株主になることはできません。

商号上の定義

「株式会社」と「有限会社」では、商号も異なります。実際には同じような経営で運営されている2つの会社ですが、商号が異なることでさまざまなことを推し量ることができます。 社名の前の「株式会社」または「有限会社」が何を意味しているのか、以下に詳しく説明していきます。この商号1つで、どのような責任を負っていて、どのような背景で経営されている会社なのかわかるので確認してみましょう。

株式会社

株式会社は、会社名に「株式会社」という商号を必ず入れなければなりません。この商号がある会社には、以下のような義務があります。 まず、経営の最高責任者でである「代表取締役」つまり「社長」を選出する必要があります。また、株式の公開や、株主総会など、外部とのやり取りが盛んにある形態であるため、知名度や社会的信用度が高いことも株式会社の特徴です。大規模な経営に向いています。

有限会社

特例有限会社は会社名に「有限会社」という商号を必ず入れなければなりません。有限会社には次のような特徴があります。 有限会社には「社長」を任命する義務はありません。家族経営などの小規模経営に向いている形態であり、決済公告の義務もありません。ただし、法律上は株式会社と同じであるので、株主総会で重要事項は決定されます。ただし、株主自体が会社内部の人間であるケースが多いです。

会社法に定める会社の4類型

会社法では、株式会社(および特例有限会社)以外にも3種類の会社形態が定められています。さらに大きな区分では、株式会社とそれ以外という分け方ができます。 株式会社以外の会社は「持分会社」です。持分会社には「合同会社」「合資会社」「合名会社」の3つが含まれます。それぞれの特徴を以下に詳しく説明します。

株式会社

株式会社は上記で説明したとおり、出資者が「株主」である会社形態のことです。株式は一般公開され、自由に譲渡されます。 株主は会社の経営方針などに意見したり(株主総会)、利益に応じて配当を受けることができますが、経営不振による賠償責任は負わなくてよいとされています。このような、「責任に制限がある」出資者を「有限責任社員」と呼びます。株式会社では、出資者である株主は「有限責任社員」であると言えるでしょう。

合同会社

合同会社は「持分会社」の中の形態の1つで、出資者が全員会社の内部の有限責任社員で構成されます。つまり、出資者は株主であると同時に従業員となります。 全員が有限責任社員であるため、会社にかかる損害賠償責任は社員にはかかりません。株式会社とは異なり、配当の割合は出資金の額に寄らず自由に設定されます。また、会社の経営方針に対する発言力も同じように自由に設定することができます。

合資会社

合資会社は「持分会社」の形態の1つで、出資者全員が会社内部の人間である点は合同会社と同じです。ただし、合資会社の設立には有限責任社員と無限責任社員がそれぞれ1名以上が必要です。 会社が負債を抱え、かつ返済ができない場合、社員は自らの資産を使ってその負債を返済する義務を負います。有限責任社員の場合は責任を持つ額に限度がありますが、無限責任社員の場合は限度はありません。

合名会社

合名会社は「持分会社」の形態の1つで、合同会社、合資会社と同じく出資者全員が業務にあたります。ただし、合名会社では社員全員が無限責任社員となります。 合名会社は社員全員が会社の責任者であるような側面があり、持分を自由に譲渡することはできません。つまり、社員を増やすことが簡単ではありません。社員を増やすためには、社員全員の同意を得る必要があります。

有限会社も株式会社の一形態

これまでに見てきたように、日本には大きく分類して「株式会社」と「持分会社」があり、有限会社は株式会社のなかの1つに分類される会社形態です。 有限会社は株式会社のように、業務を行わない株主が株式の保有という形で出資をします。そして、会社が負債を負ったとき、その出資額以上の損失は負わないということが法律で保障されています。ただし、有限会社は株式会社よりも閉鎖性が高く、小規模経営に向いています。

特例有限会社の法的地位

「特例有限会社」は、2006年に会社法が改正される前の「有限会社」がそのまま残っている物です。法律上は「株式会社」に分類されます。 ただし、最低資本金が株式会社では1円であるのに対し特例有限会社では300万円である、取締役の任期が株式会社では10年であるのに対し特例有限会社では期限なし、株式会社では必要な決済公告が特例有限会社では必要ない点などが異なります。また現在新たな有限会社の設立はできません。

有限会社のメリット・デメリット

有限会社は株式会社とよく似た経営形態をとりますが、そのメリットとデメリットは何なのでしょうか。以下に詳しく説明していきます。 株式会社は大規模経営に向いていて、有限会社は小規模経営に向いているということ以上にも、さまざまな見方で良い点、悪い点があります。現在新たに有限会社を設立することはできませんが、経営者の目線に立って考えてみましょう。

メリット

有限会社のメリットをご紹介します。有限会社のメリットは、小規模経営に向いていて、フットワークの軽い経営を行うことができる点です。 何がそうさせているのか、株式会社との対比に基づいて説明していきます。資産額が何億もあり、社員数も膨大な株式会社とは一味違ったメリット有限会社にはあります。このようなメリットから、旧会社法が施行されていた時代には有限会社の設立も盛んでした。

有限会社の商号の使用

有限会社の商号を使用することにはメリットがあります。有限会社は2006年以降設立することができないので、まず、2006年以前に設立された歴史ある会社であることを証明できます。 また、有限会社は組織の再編成(吸収合併、吸収分割など)ができないという規則があり、そのことから、設立当初の理念や技術力で生き残っている、実力のある会社であるというアピールにもなります。

役員の任期

有限会社の役員には任期の制限がありません。株式会社では取締役は10年という任期があり、そのたびに再選するという手間がかかります。 役員の再選は長期的なプロジェクトの継続にも多少影響を及ぼします。同じ会社の役員であるとはいえ、その人それぞれの人脈や、微妙な采配のずれによってプロジェクトがうまく進んだり、停滞してしまったりします。有限会社ではこのリスクが少なく、一定のクオリティで運営することが可能です。

決算報告

有限会社には決済報告の義務がありません。株式会社では、株主に定期的に決済報告をする義務があり、その資料作りや報告会の開催など、手間がかかります。 有限会社は株式会社に比べて事務作業や報告作業が少なく、経営業務以外の仕事の負担が少なくなっています。これは、フットワーク軽く事業を行おうとするとき非常に良い効果を発揮します。

デメリット

続いて、デメリットを紹介します。有限会社には、以上に示したようなメリットもある反面、会社法による制限のためにデメリットもあります。 有限会社は小規模経営で安定した事業には向いていますが、大きく発展させることは難しい組織形態です。会社の経営は事業で利益を出せばなりゆきますが、世間の評判や知名度などを社会的ステータスとして考える場合、株式会社よりも劣ることがあります。

社会的信用(会社規模・将来性)

有限会社の形態をとる会社は、社会的な信用が株式会社よりも低い傾向にあります。これは、会社の規模が小さいということから経営の安定性に不安を感じさせたり、大きな発展を期待することが難しいからです。 製品を選ぶとき、大きなメーカーの名前が入っていると何となく信用できて安心感を覚えます。これが無名の小さな会社であると、信頼度は下がります。これと同じような現象が有限会社に対しても起こります。

株式の譲渡無制限(株主間)

有限会社の株式の譲渡は株式会社と同じように会社の承認が必要となります。ただし、株主間では譲渡は無制限となります。 これによるデメリットは、株主間での譲渡は促進されるものの、外部からの新しい投資を得にくいという点です。つまり、会社の規模が広がりにくく、小規模の運営にとどまる傾向にあります。もともと小さな会社向けの形態であるための有限会社ですが、株式会社と戦う上ではこの性質はデメリットとなります。

組織再編行為の限定

有限会社は、基本的に組織の再編成が許されていません。他の会社との吸収合併や、事業の分割などによって会社を存続させることができないということです。 これは、有限会社が存続する限りは設立当初の組織のままであることを保証することにもなりますが、会社の存続において非常に厳しい縛りとなっています。組織再編成をするためには、株式会社へ移行する必要があり、そうすることで株式会社としてのさまざまな義務が課せられます。

特例有限会社が存続する吸収合併

特例有限会社が存続する吸収合併、つまり、特例有限会社が他の会社を吸収し、親会社となる吸収合併は認められていません。これは、会社法によって「新たな有限会社の設立」が認められていないからです。 有限会社が親会社となって他の会社を運営するようになると、その会社の形態も有限会社になってしまいます。しかし、これでは新しい有限会社が生まれてしまうので、この方法はとることができません。

特例有限会社を事業承継会社とする会社吸収分割

特例有限会社は会社吸収分割の事業継承会社となることができません。つまり、他の会社の事業の一部を受け継ぐことができないということです。 有限会社のもつ事業の一部を他の形態の会社に引き渡すことは可能です。その場合は受け継がれた事業は引き継ぎ先の会社形態によって経営されます。吸収合併のところで説明したことと同じように、「新しい有限会社」は設立不可能のため、有限会社に新しい事業が増えることもできません。

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就職先としての有限会社の二面性

就職先としての有限会社の二面性

これから就職を考えている人は、従業員として有限会社で働くことの意味をもう一度考えてみましょう。有限会社は、株式会社とは異なる規制に縛られている会社であり、そこにはメリットとデメリットの両方があります。

小規模閉鎖会社(家族経営orワンマン経営)

有限会社は小規模で、閉鎖的な経営の会社が多いです。株式の一般公開もないので、経営に対する発言権は設立当初のメンバーが握っている場合がほとんどです。家族経営やワンマン経営が多く、独断で軽快に事業が動いていきます。

特化した事業(安定性or将来性)

有限会社は小規模であるために1つの事業に特化している場合が多いです。この事業が軌道に乗っているうちは、他に余計なリスクを負わないために非常に安定していると言えますが、情勢の変化に対応しづらいというデメリットもあります。

会計参与の不存在(個人的信用orどんぶり勘定)

有限会社には決済報告の義務がなく、会計がうちわ的で不透明になりがちです。個人どうしの信頼関係で成り立っている部分があります。そのため、きっちりとした勘定がなされていない場合があります。この緩さは、従業員にプラスになることもあればマイナスになることもあります。

有限会社・株式会社の違いを理解して就活する

有限会社・株式会社の違いを理解して就活する

これまでに紹介しましたように、有限会社と株式会社には経営方法や性格に少し差異があります。大規模で決済や経営方針をクリアにしなければならない株式会社と、小規模で専門的だがうちわになりがちな有限会社にはそれぞれメリット、デメリットがあります。自分の好みに合う働き方がどちらか見定めて就活をしましょう。

合資会社などの違いを見極め就活に利用する

株式会社の他にも、日本には合同会社、合資会社、合名会社という形態があり、それぞれメリット、デメリットがあります。これらの会社の違いも押さえておくことで、自分がしたい働き方にフィットさせることができるでしょう。

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