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「理学部」と「工学部」の違い・ 理学部と工学部がある大学

就活ノウハウ

あなたは理学部と工学部の違いを知っていますか?この2つは、同じように見えて、実はかなり違うものです。理学部と工学部のどちらも、経済を支える人材を育てていながら、内部で研究する内容はあまり知られていません。今回は、理学部と工学部はについて、詳しく解説します。

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「理学部」と「工学部」の違い

学問に詳しくない人には理学部と工学部はよく混同されるものですが、この2つはまったく違うものです。理学は物理や化学などの研究を行うもので、工学とは実践的な技術を身につけるためのものです。言い換えると、理学で詳しい物理理論を研究し、その研究結果を実際の生活や産業で使えるようにするのが工学です。 理学部では、物理や化学などの理論を解明する基礎研究が中心に行われます。そして、工学部では、理学部で判明された研究結果を、現実的な工業などに落とし込むことを学習します。ただ、工学部だからといって、理論の勉強をしなくても良いわけではなく、多数の論文や教科書を読む必要があります。 また、そのほかにも、大学の理学部と工学部では、以下に紹介する様々なことに違いがあります。ご紹介していきましょう。

就職

一般的に、理学部と工学部では、工学部の方が就職はしやすいとされています。実際に、メーカーやエネルギー系の会社では大量のエンジニアを必要としており、工学部出身の学生が就職しやすい状態が続いています。 その他、工学には造船、電気、建築、バイオテクノロジーなど、様々な分野が含まれます。基本的にものを作ることを専門にするのが工学なので、製造業を中心に就職には有利です。 しかし、理学部出身の学生でも、製薬会社や医療品メーカー、研究者などに一定の需要はあります。これらの仕事は基礎研究が重要なため、実践的な技術を学んだ工学部出身の学生より、研究の仕方を知っている理学部出身の学生が必要とされています。 しかし、これらの仕事は門戸が狭いのが現状です。銀行や公務員など、理学とは関係のない職に就いている理学部出身の学生も多くいます。

偏差値

工学部と理学部を併設している大学の場合、理学部の方が偏差値が高いことが多いです。理学は工学と違い、就職のことを考えず、研究をしたい学生が多く集まってきます。 また、理学部を設置している大学数は工学と比べて少ないので、倍率が高くなります。同じ大学内に理学部と工学部が設置されている場合でも、理学部の偏差値の方が高いことがほとんどです。 理学部の場合、博士課程まで進学することを前提にしている学生も多く、学生のレベルは非常に高いです。

難易度

工学部と理学部では、理学部の方が難易度が高いです。 国公立大学に入学するためには、センター試験と各大学の個別学力検査を受ける必要があります。センター試験と個別学力検査の点数が合計されて、最終的な成績が判断されます。難易度が高い国公立大学の場合、個別学力検査はセンター試験より難しい問題が出題されるので、点数は取りにくいです。 工学部の方が理学部よりも全体の点数に対するセンター試験の結果の割合が高く、高い得点が出やすくなっています。工学部の方が最終的な得点は高くなりやすいので、難易度は理学部より低くなります。

各大学では理学部・工学部どっちがある?

理学を行うには、大規模な実験設備が必要になります。設備費用が巨額になることから、本格的な理学部を保有できる大学は一部の国公立大学に限られてきます。また、多くの大学では、理学と工学を総合的に学べる学部として理工学部を保有しています。しかし、実際には、カリキュラムの内容が工学部と同じになってしまっている大学もあります。

京都大学

京都大学には理学部と工学部があり、どちらも偏差値は東大や東工大と並ぶ日本有数の高さです。 京都大学の工学部は学科ごとに専門が分かれており、地球工学科、建築学科、物理工学科、電気電子工学科、情報学科、工業化学科と細分化されています。 学科が細分化している工学部に対して、大きな京大の特徴でもありますが、理学部には学科というものがありません。1、2年生の時は一般教養科目や理学の基礎科目を学習し、3、4年生になってから各自で専門科目を選び、研究室に属して卒業研究を行います。

東京理科大学

東京理科大には、工学部と理学部の両方があります。理学部では、主に昼間に講義が開催される理学部第一部と、夜間に講義が開催される理学部第二部があります。 また、東京理科大の工学部にはいくつかの種類があります。技術者や設計者を目指す工学部、専門的な基礎研究も行われる理工学部、バイオテクノロジーや宇宙工学などの最先端技術を学ぶ基礎工学部の3つが、東京理科大では用意されています。 また、夜間に講義が開かれる、工学部第二部がありましたが、2016年から新入生の募集は停止されています。

北海道大学

北海道大学の理学部には、数学科や物理学科だけではなく、分子生物学や宇宙工学といった、最先端の研究ができる学科があります。また、北海道大学の工学部の中には、建築や電子関連といったいわゆる理系の研究をする学科だけではなく、都市工学や社会工学を学べる学科が数多くあります。 北海道大学の理学部と工学部は、非常に学科が多彩であり、基礎的なものから最先端のものまで揃っています。しかし、北海道は冬場に気温がマイナスになることが多いので、寒い冬が苦手な人には、大学に通うことが難しい可能性があります。

千葉大学

千葉大学にも理学部と工学部の両方があり、特に工学部に大きな特徴があります。千葉大学の工学部は、学科ではなくコースという呼び方をされています。 コースの中には建築学や機械工学だけではなく、デザインを専門とするデザインコースがあります。デザインコースでは、自動車や建築物、家具などを、機能的な面からだけではなく、芸術的な面からもデザインする方法を学びます。 また、理学部も他の大学とそん色はなく、物理学、化学、生物学、宇宙工学と、一通り揃えられています。

名古屋大学

名古屋大学にも理学部と工学部があり、どちらも非常に充実しています。理学部では、物理や数学、生物学などが学科として存在し、工学部では宇宙工学やエネルギー工学を学ぶことができます。 また、名古屋大学の大きな特色としては、ホームページ上で学部ごとに選べる進路が明示されていることです。例えば、工学部化学生命工学科に入学すると、有機・高分子化学専攻、応用物質化学専攻、生命分子工学専攻が進路になります。 理学部や工学部の場合、就職する場合でも大学院を修了し、特定の分野を専攻していることが、非常に重要になります。進路を分かりやすく明示していることで、学生が目的を持って、研究することが容易になります。

大阪大学

大阪大学の理学部は、数学科、物理学科、化学科、生物科学科からなっています。大阪大学の工学部系には、工学部と基礎工学部がありますが、あまり違いはありません。 工学部と基礎工学部では、使用されるテキストなどにもあまり違いはなく、学ぶことができる内容は、ほとんど同じです。しかし、基礎工学部の方が、入学当初から専門分野を学ぶ機会が多くなります。もしも、あなたが工学の基礎を学部で学び、専門的なことは大学院で研究するつもりなら、基礎工学部ではなく工学部への入学が効率的です。

広島大学

広島大学にも理学部と工学部があり、他の有名大学とそん色ない内容を学ぶことができます。 広島大学の大きな特徴としては、環境や生物といったエコロジーに関する学部が、工学部や理学部とは別に設置されていることです。広島大学には生物生産学部という学部があり、そこに入れば、水産学、環境学、食品化学、動物実験学などを総合的に研究することが可能です。

日本の大学の理学部と工学部の国際状況

日本では工学が非常に重視されています。ヨーロッパやアメリカでは、理学の方が重視されているため、世界で初めて大学に工学部を設置したのは日本です。 日本の工学部は非常にレベルが高く、大学世界ランキングでも上位に食い込むことは多いです。また、日本の理学部のレベルも低くはなく、物理学や天文学、名古屋大学が世界ランキング50位以内に入っています。 日本の場合、理学部や工学部はレベルが高いものの、経済学や社会学、政治学などの社会科学の分野は弱く、大学が世界ランキング入りすることはあまりありません。また、各大学の留学生の受け入れが遅れていることも大きな課題です。

理系が創る社会

日本の大学には文系学部が多く、数学を使わない分野を学ぶ学生が多くいます。しかし、工学部や理学部で学ぶ内容は非常に重要で、この世の多くのものが理系の研究者によって創られています。また、最近では経済学や金融のジャンルでも、物理が応用されるなどして、理系の研究者が活躍できる素地が固まっています。 工学や理学などは、地味で難しいイメージを一般からは持たれやすいものですが、社会を成り立たせるためには、とても大切なものです。

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