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職業別・役職別の一般的な定年退職の年齢

更新日:2020年08月14日

職種研究

日本の定年制について、どれくらい正しく理解していますか。現代の日本においては、定年年齢が60歳から65歳に引上げになったと言われていますが、定年制について、法律ではどのように定められているのでしょうか。今回は、定年制についてご紹介していきます。

日本の企業と定年制

定年制を定めるのは義務ではない?

2017年9月現在、日本の法律では定年制を定める義務がありません。したがって、日本の企業は定年制の有無から内容まで、基本的には自由に決定することができるようになっています。つまり「定年制を定めない」という選択肢も「定年年齢を80歳にする」という選択肢も「職種に応じて定年年齢を変更する」という選択肢も、日本の企業にはあるということです。

定年制を定めている企業はどれくらい?

厚生労働省が行った「平成28年 就労条件総合調査」の結果によると、定年制を定めている企業の割合は95.4%(前年92.6%)となっており、その割合は増加傾向にあります。この結果は、定年制を定めないことによって起こる問題を、少しでも回避しようとする企業の姿勢を色濃く反映している数値だと言えます。 例えば、企業も無限に人を雇うことはできない訳ですから、若い人材を新たに採用して育成していくためには、今の人員を整理する必要もあります。その際に、80歳になった社員に退職してもらう場合に「リストラ」や「解雇」といった強硬手段を取らなくても良いように、あらかじめ定年年齢を定めているということです。

一般的な定年年齢は?

先ほど「日本の企業は定年制の有無から内容まで、基本的には自由に決定することができる」と述べましたが、一つだけ企業が自由に決定することができない内容があります。 それは、定年年齢の下限です。日本の法律では、定年年齢は「60歳を下回ることができない」と定められています。このことから、企業の80.7%が60歳を定年年齢に定めています。(厚生労働省「平成28年 就労条件総合調査」より) しかし近年においては、公的年金の支給開始年齢の引上げに伴い「定年年齢が65歳に引上げになった」という声や「近々70歳に引上げになる」という声も聞こえてきます。これらを踏まえて「企業の80.7%が60歳を定年年齢に定めている」という結果を不思議に思われた方も居られるのではないでしょうか。 このような声が聞こえてくるのは、平成25年4月1日から施行された法改正の影響です。

どんな法律で定められているの?

先ほどから登場する、日本の定年制について定めた法律というのが「高齢者等の雇用の安全等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」です。さらに詳しく知りたいという方は、厚生労働省のHPよりその詳細を確認することができます。 この法律の第2章「定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定した雇用の確保の促進」第8条に、定年年齢は「60歳を下回ることができない」と定められています。そして第9条に「高年齢者雇用確保措置」として「定年年齢が65歳に引上げになった」という声に繫がった内容が記載されています。

「高年齢者雇用確保措置」とは?

実は、厚生労働省もHPに記載しているように、平成25年4月1日から施行された法改正は、定年年齢の65歳への引上げを企業に義務付けるものではありません。 「高年齢者雇用確保措置」とは、引上げられた公的年金の支給開始年齢までに定年退職となり、収入のない期間が生じることによって生活が困窮する高年齢者が生まれないように、国が企業に対して次のいずれかの対応を義務付けたものです。 1.定年の引上げ 2.本人の希望により、定年後も引き続いて雇用する制度(継続雇用制度)の導入 3.定年制の廃止 つまり企業は、必ずしも定年年齢を65歳に引上げる必要はないということです。定年後に本人の希望を確認してから、雇用を継続したり再雇用したりすることができます。だからこそ、法改正後も企業の80.7%が60歳を定年年齢に定めたままなのです。 しかし、1~3の対応をしなかった場合は、厚生労働大臣からの指導・助言がなされます。そして、それでも対応をしなかった場合は、対応しなさいという勧告を受け、最終的に勧告に従わなかった場合は、そのことを世間に公表されることになります。

定年年齢の引上げに賛成?反対?

定年年齢の引上げには、メリットもデメリットもあります。例えば、高年齢者雇用確保措置の理由として掲げられている「引上げられた公的年金の支給開始年齢までに定年退職となり、収入のない期間が生じることによって生活が困窮する高年齢者が生まれない」という面では、大きなメリットになります。 また、先に述べたような「若い人材を新たに採用して育成していくためには、今の人員を整理する必要がある」という面では、デメリットになります。このような面を人々はどのように捉えているのでしょうか。大手転職サイトdodaが、以下のような調査結果を公開しています。

さらに、賛成派・反対派の理由3は以下の通りです。 【賛成派】 1位 60歳以上も働きたい 2位 収入源が確保できる 3位 高齢者も戦力になる 【反対派】 1位 若者の雇用・待遇に影響が出る 2位 65歳まで働きたくない 3位 65歳まで働けるか心配 賛成派の理由の第2位に高年齢者雇用確保措置の理由、反対派の第1位に先ほど例として示した理由が挙げられています。この他には、意欲・体力的な問題から賛成派・反対派に分かれています。

定年年齢の推移

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初回公開日:2017年10月02日

記載されている内容は2017年10月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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