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看護師の離職率が高い理由|年度・都道府県・環境別の離職率

転職事情

看護師の離職率は依然として高いと言われています。看護師の業務は精神的にも肉体的にも厳しいことなどが想像できますが、実際には人間関係や上司との関係なども影響しているようです。看護師の離職率の高い原因や地域差など、看護師の現状を挙げています。

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看護師の離職率の現状

看護師の離職率が高いといっても、いずれの時代もどの地域でも一律に同じというわけではありません。看護師が一生の仕事として、なったからには邁進するものと言われていた時代もありますし、地域や年代によっては離職率が低いこともあります。 看護師の離職率の現状をみていきます。

離職率とは?

まず離職率とは何でしょうか。下記のような算定表を用いて計算したものです。 常勤看護師離職率(%)=その年度の総退職者数÷常勤看護師数×100 新卒看護師離職率(%)=その年の新卒退職者数÷新卒採用者数×100 以下のデータは、厚生労働相のデータに基づいています。

年度別の看護師の離職率

年度別に看護師の離職率をみてみます。数字は常勤看護師です。()内は新卒看護師の離職率になります。 2007年度:12.6%(9.2%) 2010年度:11.0%(8.1%) 2013年度:11.0%(7.5%) 2016年度:10.9%(7.8%) という数字が出ています。一般的な雇用者の離職率は16.6%です。これは全雇用者に対する離職率なので単純に比較はできませんが、参考までにみておいてください。

他職種と比べての看護師の離職率

それでは、看護師の離職率は他職種と比べて圧倒的に高いのでしょうか。厚生労働相の資料を元に探ってみます。常勤の看護職員の離職率は平成24年度で、おおよそ17%前後です。女性一般労働者は14%強という数字です。比べてみると、看護師の離職率は全体としては高いといえます。 ただ新卒に関していうと、新卒の看護師の離職率は平成24年度で9%前後、新規大学卒で13%前後、新規短大卒で19%弱という結果になっています。新卒に関しては、看護師の離職率がずば抜けて高くはなく、新卒者の特徴としてとらえた方が分かりやすいでしょう。

看護師の離職率の推移

看護師の離職率は徐々に減少傾向でした。これは、一般雇用者の離職率とも連動していて、日本全体の景気動向にも影響されているようです。景気が不安定な中で、ひとまずは安定して働ける・収入を得られる看護師の仕事は手放せないこともあるのでしょう。 ただ、減少傾向であった離職率が現在横ばいになっており10%をきらないような状況になっています。原因として、7対1の看護方針が打ち出されてから看護師の無理な人員配置や重症患者の一極集中などの問題が出てきているのでは?という見方もあります。

離職率の高い都道府県ランキング

看護師の離職率の高い都道府県1位~3位

1位「東京都」 東京都の看護師の離職率は常勤看護職員で14.2%、新卒看護職員で8.8%です。 2位「神奈川県」 神奈川県の看護師の離職率は常勤で13.8%、新卒で8.2%です。 3位「大阪府」 大阪府の看護師の離職率は、常勤で13.7%、新卒で11.2%です。

離職率の高い都道府県の特徴

1位~3位をみて分かるように、離職率の高い都道府県は首都圏・大都市圏であることが分かります。また、東京・神奈川・大阪などには、研究や医療設備も整った中核病院が多く存在します。その周囲の病院も押しなべて、一定のレベルを保った医療機関が多くあります。 結果、キャリアアップを考えた看護師の転職も多くなりますし、雇用形態などで不満を持った場合も転職先が多く、転職・再雇用の道も選びやすいのでしょう。また、医療業界だけでなくその他の職種への転職もしやすい地域といえます。

看護師の離職率の低い都道府県は?

看護師の離職率の低い都道府県は、常勤看護職員で離職率5%台の岩手県や徳島県などが挙げられます。ただ、新卒の看護師の離職率は岩手県12.1%で、徳島県7.4%とむしろ高い傾向にあります。 常勤看護師と新卒看護師の離職率が共に低いのは、青森県の6.5%(新卒2.5%)、山形県の7.4%(5.3%)、鳥取県6.6%(5.2%)などの都道府県が挙げられます。 この理由については、地域の人間関係や医療機関の設備や数の問題、また年度別になると東日本大震災などの影響も挙げられています。

離職率が高い理由

看護師の離職理由は何でしょうか。身体的・精神的にきついため?などと考えられますが、それ以上に女性の多い職場ということが理由であることも多くみられます。女性には出産や育児・介護などのライフイベントに振り回されやすい傾向があります。育児や介護は男性でもできますし、夫婦共同で行っている家庭も少なくないでしょう。 しかし、依然として女性がメインになってしまっている風潮は否めません。また、出産だけは女性にしかできないことです。このような理由から、看護師の離職率が上がっている傾向もあります。

出産・育児や結婚のため

一度離職して再就職している看護師にしても、離職したままになっている看護師にしても一番の離職理由はこの「出産や育児のため」になります。出産はどうしても女性にしかできませんし、育児も授乳だけは女性特有の育児になります。 出産してもバリバリ働きたいと思っている人は少なくありません。しかし、実際には「出産したら赤ちゃんが想像以上に可愛かった」「仕事との両立が思ったより大変」などの理由で、再就職できずにいる潜在看護師も少なくないのです。再就職が遅くなればなるほど、また働けるだろうかと看護師は不安になるものです。そうしているうちに、潜在看護師歴が長くなってしまうという循環になります。 保育園を造設するにも騒音問題が出てきたり、男性が育児参加するにも父親本人の自覚だけでなく社会がまだまだ認知していない、などの問題で女性が職場復帰できずにいることもあります。 看護師として能力の高い女性はたくさんいます。もっと社会全体が出産や育児に理解があれば、看護師の離職理由の一位になることは無いのでしょう。

自分の心身の健康状態のため

やはり、看護師の仕事は心身ともにハードワークです。一部クリニックなどそれほどハードでない施設もありますが、大抵は心身をすり減らして仕事をしているものです。命を預かる仕事の責任の重さや、職場の人間関係やパワーハラスメントなどから精神状態のバランスを崩す看護師は少なくありません。 また、変則勤務が多く体調を崩しやすいのも健康レベルを下げる結果になっています。朝8時30分から17時まで仕事をして夜中23時30分にまた出勤・夕方16時から勤務して夜中の0時まで働いてまた8時30分に出勤することもある3交替制度の体への負担は並々ならぬものがあります。2交替制度であっても、急変や重症者がいれば仮眠を取るどころではありません。 その他に早出や遅出があったり、残業が続くことがあったりすれば心身の体調を崩すことは容易に想像できます。入院設備のある施設で夜勤があるのは仕方ないことです。ただ、勤務と勤務の間にうまく休めるように勤務表をうまく調整できれば良いのですが、それができる職場ばかりではないということです。

超過勤務が多いため

看護師に残業は付き物です。理由として、人間相手の仕事なのでどうしても突発事項が増えます。急変や急な状況の変化、もうすぐ仕事が終わるという時間になって出てくる患者の訴えなど、朝予定を立ててスタートしてもなかなかその通りにいかないのです。 患者が訴えてくれば、そのままにもできません。結果、超過勤務になるということになります。これを皆が強く疑問に思って入れば良いのですが、看護師は結局頑張ってしまうことが少なくありません。施設側も看護師のボランティア精神に甘えていることもあります。 相応の手当もつかないとなれば、看護師の離職率を挙げる理由になるでしょう。

責任の重さ・医療事故への不安

命を預かる、ということはテレビでみるようにカッコいいことばかりではありません。カッコいい医師がささっと患者を治して立ち去るようなことは、現実ではまずないのです。地道に検査をして、治療を進めて結果を判定して、また検査をしてという繰り返しです。 その流れの中で指示を出し判定をするのは医師ですが、その材料を集める、つまり検温をして患者に触れて話をして状況をまとめるメインは看護師なのです。看護師の気づき如何で、患者の急変に気付けることもあります。自分が担当していた患者が予想外の急変をして、責任を感じない看護師はほとんどいません。 やはり「これを看ていなかったのではないか」「ここに気付いていなかったのではないか」などと考えてしまうものです。やはり、患者には良くなってニコニコと退院してほしいのです。しかし、それが叶わないことが続けば自分は医療者として駄目なのではないかと自分で自分を追いつめてしまう結果にもなります。

職場での人間関係

医療業界は意外と狭い社会です。また、特別職のような扱いをされてきたこともあり閉鎖的な世界でもあることがあります。異業種の方が、看護師の世界に飛び込んでみるとそれに驚くことが多いでしょう。まだまだ年功序列が生きていたり、看護師よりもその職場に長い看護助手の方が指令を出したりする古い慣習の施設がまだあることも事実です。 また、昔ながらの教育を受けてきた看護師がその下の看護師を見た時、簡単に「私はそんなことまで教わらなくてもできた」「どうしてできないの」という言葉が簡単に出てくることもあります。また、閉鎖的な業界であるそくめんもあるので、新しいものや人を受け入れがたい空気もあるのです。 看護師は社会人としてきっちり立つ前に、医療者として患者の前に立つことになります。知らずに背伸びをしていることも多く、肩肘を張ってしまうことが稀ではありません。その中で、しっかり自分を保てる人は良いですが、やはり人間関係に疲れてしまう人は少なくないでしょう。

その他の理由

その他「休みがとれない」「給与の不満」「夜勤の負担」「施設の看護理念や方針に不満」「看護師の専門性が認められていな(雑務が多い)」などが挙げられています。また、自分は看護職員に向かないなど「適性や能力への不安」などの理由もあります。 また、離職しても再就職している看護師に関しては、他施設への興味やキャリアアップやステップアップなどの積極的な理由があります。また、家族や夫の転勤や転居に合わせて退職というケースも少なくなく、やはり女性の多い職場の特徴といえるでしょう。

看護師の離職率が低い病院を選ぶ方法

看護師が就業を続けている理由を厚生労働相がまとめています。そこから見えてくる、看護師の離職率が低い病院を考えてみましょう。

勤務形態・雇用形態が希望通りである。通勤の利便性が良い

看護師が就業を続ける理由の1位~3位がこれになります。ここでも、看護師が女性が多いことが理由となりそうです。出産して育児と両立しながら、また結婚して家事もしながら、また介護の問題とも両立できるのは勤務や雇用形態で優遇されていることです。つまり、休みがとりやすい・急な休み(子どもの熱など)にも対応してもらえる、また勤務希望が入れやすいなどの魅力があると、母親業などとの両立ができるということになります。様々不満があっても、家庭や家族のイベントを優先出来る施設は育児や介護を抱える人にとっては魅力的です。 また、同じような理由で通勤しやすいということも挙げられます。職場を考えた時募集要項で確認できることが多いので、簡単に離職しなくて良いためにもよく確認しましょう。

同僚との関係が良い

同僚との関係が良い施設は見学してみると案外分かります。やはり、声をかけあって作業している様子や、若手もベテラン風の看護師も共同して同じ作業(ケアなど)を行っている様子は、ある程度期待して良いと思います。 また、ナースコールに対する対応が早い・患者自身の保清が保たれているというのも協調性がある施設と見て良いでしょう。ナースコールは業務が中断されるので、出るのにきついなと思ってしまうこともあります。しかし、周りのフォローがある施設はそれほどためらわないものです。また、患者の保清は看護師1人では困難です。保清が行き届いているということは、共同して仕事をできている可能性があります。 看護師の声はほとんど聞こえず、ただ忙しそうにイライラした足音が響くような施設は要注意といえるでしょう。

時間外労働が少ない

看護師の離職率を挙げる理由に、時間外労働は大きく影響します。仕事は厳しくても、時間に上がれてリラックスすることができればまたやる気が出てくることもあります。しかし、休む間なく働き続けていれば、いわゆる伸び切ったゴムになってしまいます。 そうなると身体的だけでなく、精神的にも病んできます。仕事を続けたくても続けられないことにもなるでしょう。時間外労働が、実際に現実にどのくらいなのはよくチェックしてみるべきです。

離職する時によくある理由

仕事内容

看護師の離職率を上げている退職理由はいろいろありますが、仕事内容としてはやはり生命レベルに関わる責任の重さが、多く挙げられます。 急変が続いて心身ともに疲弊してしまったり、担当した患者の容態が良くならず責任を感じたり、人が亡くなる瞬間に立ち会う辛さも看護師ならではです。誰もが良くなって退院していく笑顔を看られればやりがいも出るものですがが、そうとばかりは限りません。 責任感の強い優しい人ほど辞めたくなってしまうことが多いのです。

労働環境

看護師の労働環境は、選びようの部分はあります。残業なく働けるクリニックのような所もあります。ただ、そういった条件の良い所はあまりスタッフが辞めないので、労働環境の劣悪な施設は看護師が出たり入ったりしていることになります。 いまだ看護師は医師の下働きという意識も強いですし、看護師の労働環境は看護師自身の地位が上がらないとなかなか改善されないかもしれません。

看護師の離職率を下げるために

看護師の離職率を下げるためには、看護師の離職理由から考えてみるべきです。結婚や出産のしやすい職場、育児や介護をしながらも働きやすい職場など、女性特有の離職理由を潰していく事でしょう。 そして、更に厳しい勤務に対する手当、人命と相対することに対してフォロー制度や研修制度などを充実することで離職率を下げる努力が必要です。なかには、既に取り組み始めている施設もあります。 できるだけ、潜在看護師のいない社会にしたいものです。

転職すると給料・年収が上がるってホント?

入社していくらスキルを身につけても、スキルに見合った給料を払われるのではなく、その会社で行われ続けている昇給制度で、少しずつ給料が上がることがほとんど。 身につけたスキルは、現職よりも、転職時のほうが高く評価されやすいので、転職によって年収が上がります。「でも、自分のスキルってそんなに評価されるかなぁ」という疑問は、転職エージェントに聞くことができます。 どの転職エージェントを使えばわからないという人は、Mayonezが口コミから調べた転職エージェントランキングをチェックしましょう!

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