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隙間産業とは?成功例と失敗例・隙間産業での起業やビジネス

更新日:2024年02月19日

経営

隙間産業という言葉を知っていますか?隙間と言えば、物と物の間の空間・ぽっかり空いた場所のようなことを言いますね。その隙間の産業とはどんな意味でしょうか。また、隙間産業に興味があったらどうすればよいでしょうか。詳しく説明していきます。

隙間産業とは

隙間産業という言葉の隙間には、大きく二つの意味があります。一つは、大企業が着目しないかなり専門的で細分化された業種の市場、もう一つはこれまでは特にだれも注目してこなかった分野という二つの隙間です。 この二つの隙間の分野について、掘り下げて進出し今まで無かったビジネスを掘り起こしていくことを隙間産業と言います。 別名として「ニッチ産業」ともいいます。

隙間産業の必要性

隙間産業もすべて成功するとは限りません。しかし、成功している隙間産業とは「顧客のニーズにマッチしている」ことが挙げられます。顧客の需要やニーズがあるのに、リスクがあったり前例が無かったりで、大企業が着手しない市場もあります。 そのニーズの有無をうまく掘り当て、必要とする顧客にアピールできる企業が隙間産業として成功している、ということになります。

隙間産業が成立する理由

顧客のニーズがあり、市場があるならば大企業が膨大な資本金を使って市場を開拓していけばよいようなものですが、大企業であるからこそ対応できないこともあるのです。例えば、非常に専門的で市場も限られているようなものの場合は、大企業にはリスクが高くなってしまうこともあります。大企業にとっては幅広く大衆受けする市場でないと、見返りが不十分であったり人件費の問題などで投資しづらいという足かせが出来てしまうのです。 また、これから開発していくようなものの場合は、柔軟に細やかに対応していく事が求められます。企業が大きくなればなるほど、決済や決定事項に関わる上司や立場の人が増え、一つ決めるのにひたすら時間だけかかることもあります。隙間産業において、迅速さや柔軟さは不可欠で、その分野が優れているからこそ大企業とは一線を画した活動ができます。

隙間産業が活躍しやすい分野

やはり大企業がすでに取り掛かっているような分野は、資本力でも人的資源力でも負けてしまいます。大企業が着手していない分野や、気づいていない潜在的なニーズを掘り起こせれば活躍できる可能性があります。 隙間産業の特徴として、独自の技術や知識があること、柔軟に対応できること、決して大きな市場ではないが、必要とする顧客にとっては非常に重要なものを扱っていること、などがあります。まさしく、大企業の隙間に割って入ることができれば、隙間産業として魅力が出てくるでしょう。

隙間産業の成功例と失敗例

隙間産業の成功の秘訣は「顧客のニーズを掘り当てる」ことです。それも、今まで誰も着手していない斬新なアイディアが必要です。ここまでは、何となく想像がつきます。ただ勘違いしやすいのは、そのニーズが顧客目線であるかどうかです。その顧客は一般大衆でなくても良いのですが、必要としている人が本当に居るかどうかです。 時として自分で考えて、自分ならこれが必要だな、と思って起業してしまうことがありますが、これが失敗のもとです。リサーチにリサーチを重ねて需要を掘り起こし、本当の隙間を見つけ出すことが成功の秘訣です。

隙間産業の成功例

成功例からどんな隙間を掘り当てたのか、探ってみましょう。

① 時間の隙間 コンビニエンスストアは時間の隙間に目をつけた隙間産業といえます。大企業のデパートやスーパーは希望が大きいだけに、営業するにはコストがかかります。仕事返りや深夜帯に利用したい顧客がいる、と分かっていてもそのリスクはおえないでいました。また、夜は店が開いていないもの、というのが常識でもあったのです。 しかし、店の規模や人件費などでできるだけコストを抑えての営業をしたコンビニエンスストアは、常識を翻し見事にその時間の隙間を埋めました。それも、24時間いつでも新鮮な食事が買えたり、本来なら銀行や書店に行かなければ手に入らないものを扱ったり、斬新なアイディアで忙しい現代人の需要を満たすことで成功しています。

② ターゲットの隙間 服や靴に関してお気に入りのものが欲しいのは、誰しも欲求としてあると思います。洋服や靴や服飾雑貨の店はあふれかえるほどですが、その中で隙間になってしまっている顧客がいます。 例えば、サイズが規定より大きい人や女性でも足のサイズが大きい人や子ども並みに小さい人など、既製品では合わない人がいます。その隙間に目をつけて「大きいサイズの店」や「小さいサイズの店」などと、ターゲットを絞って成功している企業があります。このターゲットの隙間はかなり多く、メガネをかける人だけをターゲットにした「お風呂でかけられるメガネ」や、「出張型のクリーニング屋」などがあります。決して、大衆向けではありませんが、一定のターゲットには確実な需要があり収益が安定して見込める、というものです。

③ 常識の隙間 人は亡くなるとき大抵病院で、病院にあるセットでケアを施され浴衣を左右逆にして帯を縦結びにします。これがいわゆる死に装束として常識でした。 しかし、最愛の人が亡くなった時少しでも綺麗に着飾りたい、という思いに目をつけた企業があります。死に装束でおしゃれをしようとは常識的にはあまり考えないことですが、見た目にも綺麗で華やかな死に装束を販売しました。最期のお別れに、美しい姿で旅立っていくところを見られれば、気持ちも穏やかになるかもしれません。そんな、常識の隙間に目をつけて評判になっている企業があります。

隙間産業の失敗例

① 流行りものに乗ったり、二番煎じに乗ってしまう。 一時的に大ブームになったものなどは、次々に新しい店が出てきたりするものです。これは、隙間産業を見つけたようで実はブームに乗っただけであり、既存の企業の真似事をしているに過ぎないのです。 この状態だと本家本元の良さがかえって強調されてしまったり、一時のブームが去ると一気に衰退してしまいます。テレビで紹介された健康になるといわれる食品に関してや、マカロンなど流行りのスイーツ、白いたい焼きなどいずれもオリジナルでないものは続かない傾向があります。

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初回公開日:2017年04月07日

記載されている内容は2017年04月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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