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「ご放念」の意味と使い方・ビジネスで使える例文3つ

更新日:2024年11月07日

言葉の意味・例文

ビジネスのシーンで使われる「放念」や「放念ください」の言葉ですが、正しい使い方を知っていますか。「放念」は少々かたい言葉に感じるでしょうが、使うべき場面に出くわす可能性もあります。今一度、使い方について学習しましょう。英語の表現も紹介します。

使い方:ビジネス電話やメールで使う

「ご放念ください」は、ビジネス電話などのフォーマルな会話や、メールなどの文章で使われることが多い言葉です。かなり「堅い」表現であり、公的な場で用いられます。 電話やメールは、直接会うことができない相手や、直接会うのを待っていられない場合に使われるコミュニケーション手段です。従って、状況の変化と相性のよい「ご放念ください」はこれらでのやり取りにおいてよく使われます。

使い方:強制する言い方にならないように注意

「ご放念ください」は、敬語であり、相手を敬っているとは言え、その意味は「忘れてください」という「依頼」または「命令」のニュアンスを含んでいます。そのため、言い方や使う状況によっては強制しているように捉えられてしまうこともあります。 ビジネスシーンでは、仕事をうまく進めるために、人間関係が円滑であることがなにより大事です。依頼やお願いをするときには特に言葉の使い方に気を遣いましょう。

「ご放念ください」のビジネス例文3つ

それでは、ビジネスシーンでの「ご放念ください」の例文を3つ紹介します。「放念」の意味が「忘れる」「気にしない」ということであることからもわかるように、この言葉が使われる場合、それより前に相手と何らかのやり取りがあることがほとんどです。 そのやり取りの一部またはすべてを「忘れてください」というときに「ご放念ください」を使います。これを前提に以下の例文を見ていきましょう。

例文1:この件についてはご放念ください

「この件についてご放念ください」という表現は、「この件については忘れてください」という意味を表します。例えば、それまでに相手と自分との間にやり取りがあったが、状況が変化してそのやり取りをこれ以上続けることができなくなってしまった、中止せざる負えなくなってしまった場合に使います。 この場合、今までのやり取りは着地点を失い、どうすることもできません。つまり、「なかったことにする」ことしかできません。

例文2:ご放念いただけますでしょうか

「これまでのことについてはなかったことにしてください」「今までのやり取りを忘れてください」という意味で「ご放念いただけますでしょうか」という風に使います。 相手にお願いをしている表現ですので、相手を不快にさせないためにも、敬語を用いています。「○○いただく」は相手を敬う尊敬語であり、「ご放念ください」よりも丁寧な印象を与えます。また、「ますでしょうか」でより丁寧さを強調しています。

例文3:本通知はどうかご放念ください

誤った相手に誤った通知を送ってしまい、それについて「あなたにあてたものではありません」「あなたにとっては意味のない物です」ということを伝えるときに「本通知はどうかご放念ください」と言います。 この場合、自分の側に非があることが多いです。「ご放念ください」という言葉を入れておくことで、「これは間違いです」という意味を確実に伝えることができます。

「ご放念ください」のように、日常生活ではめったに使わないけれどビジネスシーンや社会生活では多用される言葉は意外に多いです。 しかし、それを辞書でいちいち確認する時間はありません。どうせなら、今すぐ使える敬語力を身につけたいと思うでしょう。仕事の効率を上げるためにも、言葉の使い方は勉強しておいて損はありません。今一度、自分の敬語力を見直してみませんか。

放念と失念の違い

「忘れる」という意味を含む表現は「放念」の他に「失念」というものがあります。「放念」と「失念」、どのように違うのでしょうか。 「放念」は「念」を「心の外へ放つ」こと、「失念」は「念」を「心の中から失う」ことと言えます。これだけ見ると、同じ意味を示すように思えますが、その意味するところはかなり異なっています。「放念」と「失念」は言い換え表現としては使うことができません。

放念は「忘れてください」

「放念」は、「ご放念ください」という表現で使われることが多く、誰かに「忘れてください」と依頼する言葉です。忘れることを依頼している、つまり、今はまだ覚えているということになります。 「放念」が使われる場面では、「余分な」情報や仕事が存在しているため、それを削除したいという状況にあることが多いです。「放念」は引き算のイメージです。

失念は「忘れてしまいました」

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初回公開日:2017年03月31日

記載されている内容は2017年03月31日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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