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「ご放念」の意味と使い方・ビジネスで使える例文3つ

初回公開日:2017年03月30日

更新日:2020年05月13日

記載されている内容は2017年03月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

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言葉の意味

ビジネスのシーンで使われる「放念」や「放念ください」の言葉ですが、正しい使い方を知っていますか。「放念」は少々かたい言葉に感じるでしょうが、使うべき場面に出くわす可能性もあります。今一度、使い方について学習しましょう。英語の表現も紹介します。

放念の意味

「放念」という言葉は、ビジネスシーンでの会話やメールなどでよくみかける言葉です。「気にかけないこと」「心配しないこと」という意味があります。 自分が主語で「気にかけない」「心配しない」と言うと、「不注意」「冷淡」というマイナスのイメージになってしまいますが、主に「放念」することを相手に対して依頼します。つまり「気にしないでください」「心配しないでください」という気遣いの言葉です。

「ご放念ください」の意味

ビジネスシーンでよく用いられる「ご放念ください」という表現の意味を考えてみましょう。「ご○○ください」という言い方は、依頼の尊敬語表現ですので、「ご放念ください」にも相手を敬う気持ちが込められています。 「放念」の「放」は「放つ」という意味ですので、「念」を「放つ」、つまり自分の心の中からなくするという熟語構成になっています。この「ご放念ください」の意味を以下に3つ紹介します。

「忘れてください」の意

「ご放念ください」は「忘れてください」の敬語表現として使われることがあります。時の流れに従って事態が刻々と変化するビジネスシーンでは、「ご放念ください」がこの意味で使われることが多々あります。 頼んでおいた仕事が、事態の変化によって不要になったときや、状況が変わって、事前に周知していた情報が誤解を招く恐れがあるときなど、「〇〇のことはご放念ください」というように使います。

「気にしないでください」の意

「ご放念ください」は「気にしないでください」の敬語表現としても使うことが可能です。持ちつ持たれつすることで人間関係はうまく回っていきます。相手がしきりに感謝してきたり、謝ってきたりしているときに「気にしないでください」という意味で「ご放念ください」と言います。 これを使うときは、自分が相手に何かをしてあげた、または相手から何らかの被害を受けた後であることが多く、相手を許し、安心させるために使います。

「ご心配なさらず」の意

「ご放念ください」は「心配なさらず」の敬語表現として使うこともあります。文字どおり、「心配」という「念」を「解き放つ」という意味です。 こちらの表現は、相手がこちらの仕事内容や負担を心配しているときに使い、「心配はいらないですよ」と相手を安心させる意味を含みます。「任せてください」という頼もしいニュアンスがあらわれる表現でもあり、ビジネスシーンで用いると、ビシッと決まります。

「ご放念ください」の使い方と例文3つ

「ご放念ください」の使い方と例文3つ
※画像はイメージです
出典: https://unsplash.com

それでは、ビジネスシーンでよく用いられる「ご放念ください」を実際にどのように使うのか、使い方と例文を見ていきましょう。 「ご放念ください」はかなり「堅い」表現ですので、日常生活で使うことはあまりないでしょう。しかし、ビジネスでは、電話やメールなどで多用されます。「ご放念ください」は、相手を敬いながらも無駄な仕事を省き、無駄な心労を減らし、仕事の合理化に不可欠な表現ですので覚えておきましょう。

「ご放念ください」の使い方

「ご放念ください」は、相手に「忘れてくれ」と依頼するので、強制的でぶしつけな感じに聞こえがちです。より丁寧な表現は「ご放念いただけますでしょうか?」または「ご放念くださいますでしょうか?」となります。 話し言葉で使う時には、早口で言うときつく聞こえるので、ゆっくり言いましょう。「放念」は文章の中にあるとわかりやすいのですが、話し言葉では意味が伝わりにくいこともあります。

使い方:無視してくださいの敬語として使う

「ご放念ください」は「無視してください」の敬語表現として使うことがあります。社内や同僚どうしのやり取りでも、話を付けた後に状況が変わり、「その話は無視してください」というときがあります。これの敬語バージョンと考えて良いでしょう。 ビジネスシーンや社会生活での「無視してください」は「なかったことにしてください」と言ことであり、暗に「その件はもはや重要ではない」ということを示します。

使い方:ビジネス電話やメールで使う

「ご放念ください」は、ビジネス電話などのフォーマルな会話や、メールなどの文章で使われることが多い言葉です。かなり「堅い」表現であり、公的な場で用いられます。 電話やメールは、直接会うことができない相手や、直接会うのを待っていられない場合に使われるコミュニケーション手段です。従って、状況の変化と相性のよい「ご放念ください」はこれらでのやり取りにおいてよく使われます。

使い方:強制する言い方にならないように注意

「ご放念ください」は、敬語であり、相手を敬っているとは言え、その意味は「忘れてください」という「依頼」または「命令」のニュアンスを含んでいます。そのため、言い方や使う状況によっては強制しているように捉えられてしまうこともあります。 ビジネスシーンでは、仕事をうまく進めるために、人間関係が円滑であることがなにより大事です。依頼やお願いをするときには特に言葉の使い方に気を遣いましょう。

「ご放念ください」のビジネス例文3つ

それでは、ビジネスシーンでの「ご放念ください」の例文を3つ紹介します。「放念」の意味が「忘れる」「気にしない」ということであることからもわかるように、この言葉が使われる場合、それより前に相手と何らかのやり取りがあることがほとんどです。 そのやり取りの一部またはすべてを「忘れてください」というときに「ご放念ください」を使います。これを前提に以下の例文を見ていきましょう。

例文1:この件についてはご放念ください

「この件についてご放念ください」という表現は、「この件については忘れてください」という意味を表します。例えば、それまでに相手と自分との間にやり取りがあったが、状況が変化してそのやり取りをこれ以上続けることができなくなってしまった、中止せざる負えなくなってしまった場合に使います。 この場合、今までのやり取りは着地点を失い、どうすることもできません。つまり、「なかったことにする」ことしかできません。

例文2:ご放念いただけますでしょうか

「これまでのことについてはなかったことにしてください」「今までのやり取りを忘れてください」という意味で「ご放念いただけますでしょうか」という風に使います。 相手にお願いをしている表現ですので、相手を不快にさせないためにも、敬語を用いています。「○○いただく」は相手を敬う尊敬語であり、「ご放念ください」よりも丁寧な印象を与えます。また、「ますでしょうか」でより丁寧さを強調しています。

例文3:本通知はどうかご放念ください

誤った相手に誤った通知を送ってしまい、それについて「あなたにあてたものではありません」「あなたにとっては意味のない物です」ということを伝えるときに「本通知はどうかご放念ください」と言います。 この場合、自分の側に非があることが多いです。「ご放念ください」という言葉を入れておくことで、「これは間違いです」という意味を確実に伝えることができます。

「ご放念ください」のように、日常生活ではめったに使わないけれどビジネスシーンや社会生活では多用される言葉は意外に多いです。 しかし、それを辞書でいちいち確認する時間はありません。どうせなら、今すぐ使える敬語力を身につけたいと思うでしょう。仕事の効率を上げるためにも、言葉の使い方は勉強しておいて損はありません。今一度、自分の敬語力を見直してみませんか。

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放念と失念の違い

「忘れる」という意味を含む表現は「放念」の他に「失念」というものがあります。「放念」と「失念」、どのように違うのでしょうか。 「放念」は「念」を「心の外へ放つ」こと、「失念」は「念」を「心の中から失う」ことと言えます。これだけ見ると、同じ意味を示すように思えますが、その意味するところはかなり異なっています。「放念」と「失念」は言い換え表現としては使うことができません。

放念は「忘れてください」

「放念」は、「ご放念ください」という表現で使われることが多く、誰かに「忘れてください」と依頼する言葉です。忘れることを依頼している、つまり、今はまだ覚えているということになります。 「放念」が使われる場面では、「余分な」情報や仕事が存在しているため、それを削除したいという状況にあることが多いです。「放念」は引き算のイメージです。

失念は「忘れてしまいました」

「失念」は、「失念しておりました」という表現で使われることが多く、自分が何かを「忘れていた」ことを伝える言葉です。忘れていたという状況を説明しているため、「忘れる」という行為は過去の物です。 「失念」が使われる場面では、必要な情報や仕事が不足しているため、それについて謝罪をすることが多いです。つまり、「失念」はマイナスの「状態」を表し、これから足し算をする必要性を感じさせます。

「ご放念」の正しい使い方を心がけよう

「ご放念」くださいという表現は、相手に「忘れてください」「気にしないでください」「心配しないでください」ということを伝える敬語です。ビジネスシーンでありがちな、時の流れに従ってやらなくても良い仕事が出てきてしまったときなどに使います。 丁寧な敬語表現ではありますが、相手に依頼や命令をする意味を含む言葉であることに変わりはないので、強制するような言い方を避けることを心がけましょう。

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