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社会的弱者とは?支援の現状と制度|”社会的弱者”は差別用語?

更新日:2024年11月10日

社会人常識

社会的弱者の定義やその立場について触れたうえで、今現在の国や民間、個人に置ける支援のメリットとデメリットについて説明しています。また、社会的弱者という言葉が差別用語であるのかという問いについても最後にソーシャルデザインという側面から言及しています。

社会的弱者を減らすために必要なことは正しい支援のありかただといえます。今現在の日本の支援のあり方は利点もありますが問題点もあります。国、民間、個人の三点の視点からそれぞれ見ていきたいと思います。

社会的弱者を少なくするために国が施策を打つことでのメリットは、より広い範囲の人に支援が伝わりやすいという点です。国が法律の中に新しい方針を組み込んだ場合、日本国民全てに対してその法律が適応されることになります。そういういみでは助けられる人数が多くなるということはいえます。一方デメリットもあります。国の施策に穴や隙間がある場合に、そこに該当する人が今まで以上に社会的弱者となりえるという事がいえます。また、国が政治家本位の立場で支援策を打ち出した場合にニーズが合わず全く誰も助けられないという状況が発生します。

民間

民間でのメリットは、その地域に根づいた問題について焦点をあて、その土地に合わせた形での支援が行えるということです。国には出来ないような細かい支援が民間では行うことが可能です。デメリットは助成金をもらっている民間企業の場合、助成金頼りになってしまい、企業努力が少なくなってしまうという傾向にあるということです。民間と利用者の間に大きな軋轢が生じてしまう事があるのはそのためです。民間で必要なことは利用者となるひととのコミュニティをどれだけ広げることが出来、そのコミュニティからどれだけの人を支えることができるのかということです。社会的に一般的な生活が送れるように支援するはずの場が、逆に社会的弱者を弱者としてさらに貶めている場合もあります。

個人

個人のメリットは、民間のように何か規則や決まりに縛られて組織を動かすようなことも少なく、自分が助けたい人を支援できるということです。一方メリットもあります。個人が集まれば話は違いますが、どうしても少人数では支援しきれない問題もでてきます。社会的弱者が抱えている問題はそれぞれに大きく、個人の精神的負担も大きいため支援者が個人の場合では解決し得ないことがあります。

ソーシャルデザインという考え方

社会的弱者を支援する為にできることは限られているように感じていませんか。それは、「自分に解決する能力がない」「そこまで大きく変わるはずがない」という考えがあるからかもしれません。ここで大切なのは社会的弱者を支援するためにはその問題を皆でシェアし、共有し、互いに助け合うという思考だといえるでしょう。具体的に言うならば、自分が持っている社会的ハンディについての共有をおこなうのです。 相手は支援者でありながら、利用者の状況について理解しきれていない場合があります。当事者だからこそ抱えている問題があるはずで、本当は社会にこうなってほしいという希望や思いがある場合もすくなくありません。まずは当事者の話をきき、その相手の立場になって当事者と一緒に世の中をどうしたいかということについて同じ目線で話し合う必要があります。また、支援者は利用者が何が出来る人なのかということについては目をあまりむけません。一緒に何かをするということを考えた時に、出来ないことを探すのではなく、一緒にできそうなことを探すことは大変重要です。 社会的弱者であったとしてもひとりひとりに人権や尊厳というものがあります。それをないがしろにしたシステムを構築してしまうと、利用者も離れていってしまいますし、支援とは程遠いものになってしまします。大切なのは相手が何を欲しているのかというニーズにみみを傾け、相手が一緒に何ができるのかということを共に考えることにあるでしょう。世の中の仕組みを全ての立ち位置の人が生きやすいものへと変えていくという社会変革が社会的弱者支援には欠かせないといえるでしょう。

社会的弱者は差別用語なのか

社会的弱者だからといって何もかもが出来ないわけではありません。できないことが他の人よりも多かったり、深刻なレベルであるというだけであり、他のことはむしろ支援者よりも優位にすることが出来るということは非常に多いといえます。できないことがあるというのはむしろ人全てが抱えていることです。何もかもが完璧に出来るという人は1人もいないのです。それを考えた時に社会的弱者という定義がとても曖昧なものであるということも理解ができます。1人の人間として個々が何ができるのかということについて真剣に考え、できないところは互いに支え合い、生活していくという当たり前の事ができているのかということを今私たちは見直す必要があるのではないでしょうか。

初回公開日:2017年03月19日

記載されている内容は2017年03月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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