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社会的弱者とは?支援の現状と制度|”社会的弱者”は差別用語?

更新日:2024年11月10日

社会人常識

社会的弱者の定義やその立場について触れたうえで、今現在の国や民間、個人に置ける支援のメリットとデメリットについて説明しています。また、社会的弱者という言葉が差別用語であるのかという問いについても最後にソーシャルデザインという側面から言及しています。

社会的弱者とは

社会的弱者という立場

社会的弱者ということばを様々な場所で見聞きするようになりました。今社会的弱者とはどのような人たちのことを言うのでしょうか。また、社会的弱者が置かれている状況とその支援のあり方は本当に正しいものだといえるでしょうか。

社会的弱者の意味

社会的弱者(しゃかいてき じゃくしゃ、英: socially vulnerable)とは、一社会集団の成員でありながら、大多数の他者との比較において、著しく不利な、あるいは不利益な境遇に立たされる者(個人あるいは集団)のことである。

社会的弱者の支援の現状と制度

支援の現状

社会的弱者に対して今現在主に国、民間、個人の機関といった場所が支援をしています。対象者も女性、子供、高齢者や、生活保護を受給している人など、本当に様々です。社会的弱者と呼ばれているひとは多くなる一方で、支援する側も助成金頼りになってしまい財政が現在圧迫しているという状況があります。また、その支援の内容も満足なものではなく、利用者ニーズと支援者の意図が合致しないという状況が発生しています。このような支援の現状のなかでの課題解決は難しいと考えられており、その改善策の検討が行われています。

支援の制度

例えば支援制度の例としてあげられるのは、就労支援事業です。

就労継続支援事業とは 通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき,就労の機会を提供するとともに,生産活動その他の活動の機会の提供を通じて,その知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業の事を言います。雇用契約を結び利用する「A型」と、雇用契約を結ばないで利用する「B型」の2種類があります。

就労支援事業について調べると知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業という説明があります。しかし、実際の現実は、新しい就労場所に向けた就労支援は十分に行われておらず、障碍を持つ人が生きていく上で困難な状況が続いています。 社会復帰をするための支援として期待されていたはずの制度が、社会的弱者を十分に支えることなく低賃金労働させることで支援事業体を存続させ、助成金を国から取得するという状況を生み出している現状があるのも事実なのです。これは生活保護を受給している人にも言えることです。新しい職や生活をしようとしても、社会的復帰が難しい状況が発生しています。自己破産したうえで保護を受給している場合もあるため、新しい職についても借金の返済が始まってしまい生活の維持が難しいという状況も発生しています。

社会的弱者がうまれたきっかけ

そもそも社会的弱者が生み出される要因とはなんなのでしょうか。考えられるものについて具体的に見ていきたいと思います。

まずは所得格差による差別です。生活保護受給者は年々増加傾向にあり、生活保護を受給していなくとも、生活に困窮した家庭が今現在とても多くなってきています。貧困問題は日本にもあるのです。高所得者と低所得者を分け、より少ない所得を持つものを差別するという傾向は未だ改善されていません。

またジェンダーによる差別も日本では深刻です。女性だから、男性だからと性的に差別され、仕事の内容や所得についても配当がことなる会社なども未だに存在しています。男女平等といいつつも、女性が男性と同様に仕事をこなすことが要求され、心身不調になるなど、平等という概念が逆にジェンダーの尊重につながっていないという現実もあります。

震災の被災者や公害や原発事故の被害者も社会的弱者といえます。災害や人災における被害者も社会から見れば弱者になります。支援や賠償と言った施策が未だ十分に行われているとは言い難いでしょう。

国や人種、宗教的な差別もあります。『ブラック』『ホワイト』『イエロー』などと言った肌の色で差別する文化もやはり根付いている国もあります。

社会的弱者を減らすために

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初回公開日:2017年03月19日

記載されている内容は2017年03月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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