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期待に沿う/添う/応えるの違いと使い分け|よく使われる表現

更新日:2024年03月14日

言葉の意味・例文

ビジネスシーンでよく使われることになる期待に沿うと期待に応えるの違い。ニュアンスではわかるけれども、どういうときに使い分けるのか具体的に考えたことはないのでは?ということで、期待に沿うと応えるの違いを、対お客様、対取引先とそれぞれの場合で徹底的に考えてみました

筆者はコールセンターなどでの勤務が長く、単なるご意見でのお客様の改善要請を受けたこともありますし、単なる今はやりのクレーマーのような人にも当たったことがあります。クレーマーのかたにはいかに怒らせず納得してもらうかが勝負。もちろんこちらの不手際や商品不具合での返品交換などのご要望に関しては、お客様のご要望を無理のない範囲でのむことがほとんどです。 届いていた商品が最初から不良品だった、なんていう完全な不手際には、ちゃんと対応します。当たり前の対応ですね。ちなみに私の働いていたコールセンターでは、あまりにも無理な注文や要望に沿うことができない場合でも、極力「申し訳ございません」という言葉を使わないという方針がありました。以前「言葉を出して謝罪をするなら誠意を見せろ!」といわれたことがあるそうです。

実際にあったやり取り

「色を間違えて注文した」 「はい」 「だから交換してほしい」 「はい、確認いたしますので少々お待ちいただけますか」 「はいといったのだから必ず交換して!」 となるケースがあります。クレーマーはオペレーターのささいな言葉も聞き逃さないのです。 この場合ははいをつけずに 「確認いたしますので少々お待ちいただけますか」 もしくは「はい」の部分を言葉の先を促す形で「ええ」と返すのが正解だと教わりました。オペレーターをやめて普通の電話の時でも、相槌にええと返すくせは残ってしまいました。 そして一応確認した後に 「お色を間違えてご注文されたということで、この場合お客様都合の返品となってしまいますので返金してほしいとのご期待には沿いかねます」 という返答になります。 ただ、どうしてもという場合には交換対応になることはあります。

期待に応えることが出来ませんでした、とお伝えする場合

ご意見としての改善要請の具体的な例としては、服やアクセサリーなどの通販のコールセンターでは「カラーバリエーションを増やしてほしい」「デザインのバリエーションがほしい」といったものや、「サイズ展開を増やしてほしい」といったものがあります。 そういった意見が一定数あり、なおかつ人気の商品であれば工場や取引先などに交渉してみることもあるでしょう。 つまり「能動的に動こうとした」にもかかわらず、求めるものを提供できなかった場合は 「ご期待に応えることができませんでした」というような文章や口調になります。

ご期待に添いかねます、とお伝えする例

対して明らかに無理なご意見・・・「おまけを付けてほしい」「もっと安くしてほしい」というような、実現が不可能、そもそもお客様が言い出したことに対し「受動的、そもそも能動的に動くつもりがない」時に 「ご期待には沿うことができかねます」という言葉を使います。

具体的なビジネスシーンでの使い方

無茶を言ってくるのはお客様だけではありません。別の仕事の時(ウェブデザイン関連)のときに取引先の方からあったご依頼で、たとえば単価20万円の企画を「半額でやってほしい」や「納期が月末だったのを一週間後にしてほしい」という依頼があったとします。 この場合、社内会議にかけるまでもなく無理な注文でだということがわかります。新人のうちは、一応上役に相談して見るのがいいのかもしれませんが、どう考えても一考の余地もなく無理な場合は「ご期待に沿うことができかねます」とお伝えします。

「ご期待に応えることが出来ませんでした」とお伝えする例

たとえば「単価をアップするので特急料金として納品時期を二週間短くしてほしい」などの一度社内で話し合ったり、こちらにもメリットがあるので能動的に動いて(会議にかけて)みて、しかしそれでも人員などの都合により期待に応えることができなかった場合は「ご期待に応えることができませんでした」と返答します。そしてこの場合は「二週間ではなく一週間でしたらご期待に沿うことが可能です」なんていう折衷案を出すことも多いです。 その方がお互い良い仕事ができますし、向こうも一応こちらが努力してくれているということをわかっていただける場合が多いからです。

ご期待に添うことができかねます、はとても便利な言葉

ご期待に沿うことができかねます、という言葉は、柔らかいながらもよく聞けば明確にNOと拒否を表現しているので便利な言葉です。やわらかい言葉でありながら、あなたの要求をのむことはありません。と明確に拒否の意思を表明しているからです。

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初回公開日:2017年03月14日

記載されている内容は2017年03月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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