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期待に沿う/添う/応えるの違いと使い分け|よく使われる表現

初回公開日:2017年03月14日

更新日:2020年02月08日

記載されている内容は2017年03月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

言葉の使い方

ビジネスシーンでよく使われることになる期待に沿うと期待に応えるの違い。ニュアンスではわかるけれども、どういうときに使い分けるのか具体的に考えたことはないのでは?ということで、期待に沿うと応えるの違いを、対お客様、対取引先とそれぞれの場合で徹底的に考えてみました

「期待に沿う(添う)」と、「期待に応える」って、どう違うの?

ビジネスシーンで、取引先の担当者やお客様とメールや文書でやりとりする場面が増えてくると必ず「相手の要望を断らなければいけない場面」が出てきます。今後の関係に悪影響が及ばないように、丁重に断りのメールや文書を出したい。と思う方がほとんどなのではないでしょうか。 そのときよく使われる言葉と言えば、「ご期待に沿うことができません」と「ご期待に応えることができません」かと思います。期待に沿右派よく使います。ほとんど同じ意味のように見えますが、一体この場面ではどちらを使えばいいんだろうと悩む方は多いかと思います。

正しい使い分け方を知っておこう!

断りの文章だけではありませんね、そもそも向こうから依頼やご要望があったとき、 「ご期待に添えるように善処いたします」と 「ご期待に答えられるよう努力して参ります」の、どちらの返しが正しいのか・・・・・・。 この二つの言葉の違いについて、調べてみました。

結論から言えば、どちらも正しいけれど、ニュアンスが若干違う、です!

期待に応えるの意義素は機能を発揮して「よい影響をもたらす」ということ。単純に言えば「役に立つ」「功績をあげる」「期待通りに働く」「手柄をたてる」「売り上げをアップする」という、「能動的」な場面で使われます。 比較的ポジティブ表現ですね。 期待に沿う、の意義素は期待に応えると同じで「機能を発揮してよい影響をもたらす」ということになります。期待に応える、と一緒ですね。それならば、どっちをつかってもOKでは?とおもうかもしれません。けれど、期待に沿うという言葉にはもう1つ意義素があるのです。

どっちを使ってもOK?

なんだ、それならどちらを使っても良いじゃないか、と思うかもしれません。けれど期待に沿う、の意義素にはもう一つ「他者からの求めを受け入れる」という「ニーズに応える」や「要望に`従う’」という受動的な意味をはらんでいます。ここが2つの言葉の大きな違いです。

期待に答えるは能動的、期待に沿うは受動的

では、例えば新人歓迎会などの飲み会の席で「○○君は有能なんだ!期待しているよ!」と上役に唐突に声をかけられたときは「期待に応えるようがんばります」と「期待に沿うようがんばります」のどちらで返答すればいいでしょうか?少し考えてみましょう。そう、この場合は会社のために「能動的にいい働きを期待する」ということが求められているので「期待に答えられるよう精一杯がんばります!」が正しい答えになりますね。「期待に沿えるようがんばります」では、少し消極的な子だな、と思われてしまうかもしれません。

「期待に応える」と「期待に沿う」の使い方の違い

問題なのは、取引先様やお客様から何かご要望やご意見、クレームや改善要請があり、それを達成することが困難なとき。それを取引先様やお客様を怒らせないように伝えるか、という時に期待に応えることが〜、と期待に沿うことが〜、のどちらを使えばいいのでしょうか。ここでもう一度、「期待に応える」と「期待に沿う」の違いを思い出してみましょう。 前者の「期待に応える」は「能動的」で「期待に沿う」は「受動的な意味をはらむ」でしたね。 これより下は筆者が実際体験した例をもとに回答していきます。

筆者がコールセンターで体験した例

筆者はコールセンターなどでの勤務が長く、単なるご意見でのお客様の改善要請を受けたこともありますし、単なる今はやりのクレーマーのような人にも当たったことがあります。クレーマーのかたにはいかに怒らせず納得してもらうかが勝負。もちろんこちらの不手際や商品不具合での返品交換などのご要望に関しては、お客様のご要望を無理のない範囲でのむことがほとんどです。 届いていた商品が最初から不良品だった、なんていう完全な不手際には、ちゃんと対応します。当たり前の対応ですね。ちなみに私の働いていたコールセンターでは、あまりにも無理な注文や要望に沿うことができない場合でも、極力「申し訳ございません」という言葉を使わないという方針がありました。以前「言葉を出して謝罪をするなら誠意を見せろ!」といわれたことがあるそうです。

実際にあったやり取り

「色を間違えて注文した」 「はい」 「だから交換してほしい」 「はい、確認いたしますので少々お待ちいただけますか」 「はいといったのだから必ず交換して!」 となるケースがあります。クレーマーはオペレーターのささいな言葉も聞き逃さないのです。 この場合ははいをつけずに 「確認いたしますので少々お待ちいただけますか」 もしくは「はい」の部分を言葉の先を促す形で「ええ」と返すのが正解だと教わりました。オペレーターをやめて普通の電話の時でも、相槌にええと返すくせは残ってしまいました。 そして一応確認した後に 「お色を間違えてご注文されたということで、この場合お客様都合の返品となってしまいますので返金してほしいとのご期待には沿いかねます」 という返答になります。 ただ、どうしてもという場合には交換対応になることはあります。

期待に応えることが出来ませんでした、とお伝えする場合

ご意見としての改善要請の具体的な例としては、服やアクセサリーなどの通販のコールセンターでは「カラーバリエーションを増やしてほしい」「デザインのバリエーションがほしい」といったものや、「サイズ展開を増やしてほしい」といったものがあります。 そういった意見が一定数あり、なおかつ人気の商品であれば工場や取引先などに交渉してみることもあるでしょう。 つまり「能動的に動こうとした」にもかかわらず、求めるものを提供できなかった場合は 「ご期待に応えることができませんでした」というような文章や口調になります。

ご期待に添いかねます、とお伝えする例

対して明らかに無理なご意見・・・「おまけを付けてほしい」「もっと安くしてほしい」というような、実現が不可能、そもそもお客様が言い出したことに対し「受動的、そもそも能動的に動くつもりがない」時に 「ご期待には沿うことができかねます」という言葉を使います。

具体的なビジネスシーンでの使い方

無茶を言ってくるのはお客様だけではありません。別の仕事の時(ウェブデザイン関連)のときに取引先の方からあったご依頼で、たとえば単価20万円の企画を「半額でやってほしい」や「納期が月末だったのを一週間後にしてほしい」という依頼があったとします。 この場合、社内会議にかけるまでもなく無理な注文でだということがわかります。新人のうちは、一応上役に相談して見るのがいいのかもしれませんが、どう考えても一考の余地もなく無理な場合は「ご期待に沿うことができかねます」とお伝えします。

「ご期待に応えることが出来ませんでした」とお伝えする例

たとえば「単価をアップするので特急料金として納品時期を二週間短くしてほしい」などの一度社内で話し合ったり、こちらにもメリットがあるので能動的に動いて(会議にかけて)みて、しかしそれでも人員などの都合により期待に応えることができなかった場合は「ご期待に応えることができませんでした」と返答します。そしてこの場合は「二週間ではなく一週間でしたらご期待に沿うことが可能です」なんていう折衷案を出すことも多いです。 その方がお互い良い仕事ができますし、向こうも一応こちらが努力してくれているということをわかっていただける場合が多いからです。

ご期待に添うことができかねます、はとても便利な言葉

ご期待に沿うことができかねます、という言葉は、柔らかいながらもよく聞けば明確にNOと拒否を表現しているので便利な言葉です。やわらかい言葉でありながら、あなたの要求をのむことはありません。と明確に拒否の意思を表明しているからです。

正しい「期待に沿う」と「期待に応える」の使い分けをして社内評価アップ!

いかがでしたか?期待に応えることができませんでした。は能動的、自分の中や会社の中で一考の余地があり、それでもなおお客様の要望に応えることが出来なかった時の、比較的ポジティブな断り文句です。その後に、折衷案を出す場合などにはこちらの言葉を使うことが多いです。 それに対して期待に沿うことができません、は受動的、お客様からの指示が無茶だったり、社内などに余裕がない時に使う控えめな、しかし明確な断り文句です。しかし柔らかい表現であるため、お客様や取引先の心象をそこまで損ねはしないでしょう。 少しの言葉遣いの違いで、お客様や取引先様、ひいては上司からの評価は変わるものです。 正しいシーンで正しい日本語を使って「この部下はしっかりした、仕事を任せられる人間だな」と社内での評価があがるように、頑張っていきましょうね。

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