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間違えやすい敬語「されている」の意味と使い方・正しい文法

更新日:2023年10月26日

雑学・歴史

日常会話などで、よく耳にする言葉に「~されている」というものがあります。これは主に受け身的な意味合いがあり、文法的には正しくないが使役の意味合いを込めて使われることもあります。さらに日本語では尊敬を表す意味の1つとして「~されている」が使われています。

「~されている」という言葉は日常生活でよく聞きますよね

私たちが日常生活で使っている会話やテレビなどで聞いたり、新聞などのニュースを見たり、自分で文章を入力したりする際に間接的ではあるものの、よく「~されている」というワードを耳にしたり書いたりしている人は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、「あの人、遊ばされていて可哀そう」という会話や、「ここに避難されている方の70%がトイレなどの設備に不満を持っている」という新聞記事などが挙げられます。これらのように「~されている」という言葉は日常生活においてよく使われている言葉の1つといえるのではないかと思います。

「~されている」の本来の意味合いは使われる場によって異なる

このように日常生活で使われている言葉である「~されている」の意味合いは主に3通りに分類されます。

日常会話や書籍など一般的に用いられる場合

「~されている」が日常での会話や書籍など文面でよく用いられる例として、「水分子は水素と酸素で構成されている」、「注意事項は説明書に記載されているから、よく見なさい」、「あの有名人は若い人に支持されているから人気である」などが挙げられ、これは、主語や主人公の動作や事柄が受け身な形として表したいときに用いられるパターンとなります。

主に会話で限定的に用いられる場合

普段の会話の中では、「~されている」という表現が受け身的な使われ方以外に用いられていることがあります。例えば、「~さんは自分が遊ばされていることに気付いていないのか」や「あの子は、またお使いに行かされているに違いないよね」などがあり、これらは主語や主人公の動作や事柄が、自覚しているか否かに問わず、結果的に他人に操られて行っていることを表したいときに用いられるパターンとなります。

これは、いわゆる使役的な意味合いであり、このような表現方法に対して好感を抱いている人は少ないのではないかと思います。

敬語として用いられる場合

「~されている」という表現方法は他にもあります。例えば、先述した「ここに避難されている方の70%がトイレなどの設備に不満を持っている」や「私の5つ上の先輩は課長に昇進するなど弊社で活躍されています」などがあり、これらは、主語や主人公の動作を敬っていることを表したいときに用いられるパターンであり、敬語として用いられるパターンになります。

「~されている」を国語的な観点から考えると

中学校などの国語の授業で、文章を読むだけでなく、主語・述語のことや、助動詞や連体詞のことなど文法的な事も少し扱っていたケースが多いと思いますが、今度はこのような観点から「~されている」について深く考えてみます。

文節のうち助動詞の役割で意味合いが決まる

「~されている」という表現方法としては、受け身的、使役的、敬語的の3通りの意味合いで使われている事を前章で扱いましたが、この「~されている」という言葉を文法的な面で考えるとき、まず文節という最小単位に区切る必要があり、この作業を行うと「~/さ/れて/いる」と分けることになります。

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初回公開日:2017年03月14日

記載されている内容は2017年03月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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