間違いも多い敬語「尊敬の念」の意味と使い方例文

「尊敬の念がやまない」の「やまない」の部分には、「どこまでも～する」「～しないではいられない」といった意味です。 つまり、尊敬する気持ちがとめどなくあることを表現しており、尊敬する気持ちが大きいことを表現できます。「尊敬の念」の前には対象を書き、「〇〇に（対する）尊敬の念がやまない」と記述します。例文で確認しましょう。

「尊敬の念を覚える」は「尊敬の念を抱く」と同じように使いますが、「尊敬の念を覚える」には理性派という印象があるとされます。対する「尊敬の念を抱く」は感性派の印象だとされます。 「尊敬の念を覚える」と「尊敬の念を抱く」は同義として使えますが、どちらを使うかによって、話し手の人間性を推測することも可能です。

「尊敬の念が尽きない」は、尊敬する気持ちがずっと継続しているという表現です。「尊敬の念が尽きない」は、「誰に対して」や「どのような行動に対して」を書く必要があります。「〇〇に対して尊敬の念が尽きない」を基本形として覚えておきましょう。 例文から、「尊敬の念が尽きない」を使うときの文章の構造を読み取ってみましょう。

「尊敬の念を抱かざるを得ない」は「尊敬する気持ちを避けられない」という意味で使われています。「尊敬の念を抱かざるを得ない」では、「尊敬せずにはいられない」という気持ちを表現できます。 例文を参考に、「尊敬の念を抱かざるを得ない」から、誰が何といおうと尊敬する気持ちを止めることはできない、という気持ちを読み取りましょう。

「尊敬の念を込めて」は、「気持ちを込める」の「込める」と同じように、「尊敬」という気持ちを含ませる様子を表現できます。 「尊敬の念を込めて一礼した」といえば、単に頭を下げるだけでなく、相手に対する尊敬の気持ちが込められています。例文を読んで、「尊敬の念を込める」という様子を感じ取ってみましょう。

「尊敬の念に堪えません」「尊敬の念を禁じ得ません」はいずれも「尊敬する気持ちが大きい」ことを丁寧に表現する言い方です。 「尊敬の念を抱く」「尊敬の念しかない」を丁寧に表現して伝えるときは、「尊敬の念に堪えない」「尊敬の念を禁じ得ない」に言い換えてみましょう。 「尊敬の念を禁じ得ない」は、「たとえ禁止されようとも抑えることができないほどの強い尊敬の念」の表現になります。