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新入社員必携!やりがちな敬語ミス15選とプロが使う正しい言い換え・ビジネス例文集

更新日:2025年10月23日

コミュニケーション

「この敬語、本当に合っているかな…?」 社会人としての一歩を踏み出した新入社員の多くが、上司やお客様とのコミュニケーションで敬語の使い方に不安を感じるものです。ビジネスマナーの基本である敬語は、あなたの第一印象と信頼度を […]

スーツ姿の新入社員がオフィスで電話対応をしている。 表情は少し緊張しているが真剣。 デスク上に敬語のメモや資料。 「正しい言葉遣いを学ぶ姿勢」を象徴するフォトリアル構図。
「この敬語、本当に合っているかな…?」 社会人としての一歩を踏み出した新入社員の多くが、上司やお客様とのコミュニケーションで敬語の使い方に不安を感じるものです。ビジネスマナーの基本である敬語は、あなたの第一印象と信頼度を左右する重要な要素。正確な敬語を使いこなすことは、相手への敬意を示すだけでなく、ビジネスパーソンとしての信頼性を証明することに繋がります。 この記事では、新入社員が犯しがちな敬語の間違いを具体的な例文とともに解説し、すぐに使える正しい言い換え表現を網羅的にご紹介します。単なる暗記ではなく、なぜその表現が正しいのかという背景まで深く理解することで、自信を持って敬語を使いこなせるようになるでしょう。 この記事を読めば、以下の点がクリアになります。
  • 尊敬語・謙譲語・丁寧語の基本的な違いと、その構造的な役割。
  • 新入社員がやりがちな敬語ミス15パターンと、その間違いの文法的な背景。
  • 電話・メール・報告など、ビジネスシーン別の実践的な敬語応用例文。
  • コミュニケーションを円滑にするクッション言葉の戦略的な使い方。
  • 敬語を間違えた際のスマートな対応方法と、一生のスキルとしての敬語の習得法。

まずは基本から!尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いをおさらい

ホワイトボードに「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」と書かれ、 それを見ながらメモを取る若手社員。 背景は研修室。明るい光、学びの雰囲気。フォトリアル構図。
ビジネスシーンで正しい敬語を使うためには、まず3種類の敬語の役割を理解することが不可欠です。この違いを意識するだけで、敬語ミスは格段に減ります。

1. 相手を高める「尊敬語」

尊敬語は、相手や相手側の人物、行動、状態などを高めることで敬意を表す言葉です。主語が相手(上司、先輩、お客様、取引先など)になる場合に用います。
  • 役割: 相手の動作や状態を上の位置に持ち上げ、敬意を直接的に示します。
  • 構造: 一般動詞を「お(ご)~になる」の形にしたり、特別な動詞(特有の尊敬語)に置き換えたりします。
  • 例文:
    • (お客様が)ご覧になる(「見る」の尊敬語)
    • (部長が)お帰りになる(「帰る」の尊敬語)
    • (先生が)おっしゃる(「言う」の尊敬語)
    • (社長が)いらっしゃる / お見えになる(「いる」「来る」「行く」の尊敬語)

2. 自分をへりくだる「謙譲語」

謙譲語は、自分や自分側の人物、行動などをへりくだって表現することで、間接的に相手への敬意を表す言葉です。主語が自分や社内の人間(自分側の立場)になる場合に使います。
  • 役割: 自分を下げることで、相対的に相手を高く持ち上げ、間接的に敬意を伝えます。
  • 構造: 一般動詞を「お(ご)~する」の形にしたり、特別な動詞(特有の謙譲語)に置き換えたりします。
  • 例文:
    • (私が)拝見する(「見る」の謙譲語)
    • (私が)伺う / 参る(「行く」「聞く」の謙譲語)
    • (私が)申し上げる(「言う」の謙譲語)
    • (私が)いただく / 頂戴する(「もらう」「食べる」の謙譲語)
※注意: 謙譲語は社内の人間であっても、社外の人との会話で「社内を代表する自分側の人間」の行動について話す場合に使用します。

3. 言葉を丁寧にする「丁寧語」

丁寧語は、相手を問わず、言葉遣いを丁寧にするために使われる最も基本的な敬語です。「です」「ます」「ございます」などがこれにあたります。
  • 役割: 話全体を丁寧にすることで、相手に配慮を示し、敬意を表現します。
  • 構造: 語尾に「です」「ます」をつける、名詞に「お」「ご」をつける(例:お茶、ご飯)など。
  • 例文:
    • こちらが資料です
    • 会議室へ行きます
    • お茶でございます
ビジネスコミュニケーションの基本は、この丁寧語です。まずは全ての会話を「です・ます調」で話すことを意識するだけでも、社会人としての印象は大きく変わります。尊敬語や謙譲語に自信がない場面でも、丁寧語をしっかり使えていれば、失礼な印象を与えることは避けられます。

新入社員がやりがちな敬語の間違い15選と正しい言い換え

新入社員が上司に注意を受けながらメモを取っている。 上司は穏やかに説明しており、学びの雰囲気。 背景に「了解 → 承知いたしました」と書かれたホワイトボード。
敬語の基本を理解しても、実際のビジネスシーンではつい間違った使い方をしてしまうことがあります。ここでは、新入社員が特に陥りやすい敬語ミスを15パターンに分け、間違いの背景正しい言い換えの例文とともに解説します。

【間違い①】了解しました → 承知いたしました・かしこまりました

  • 誤りの背景: 「了解」は目上の人が目下に使う表現で、敬意が薄いため上司や顧客には不適切。
  • 正しい言い換え:承知いたしました」「かしこまりました」が丁寧で正しい。
  • 例文: 「ご指示、承知いたしました。」

【間違い②】参考になりました → 大変勉強になりました

  • 誤りの背景: 「参考」には上から目線のニュアンスがあり、謙虚さに欠ける印象。
  • 正しい言い換え:大変勉強になりました」「ご教示いただきありがとうございます」が丁寧。

【間違い③】ご苦労様です → お疲れ様です

  • 誤りの背景: 「ご苦労様です」は上司が部下に使う表現。
  • 正しい言い換え: 社内であれば「お疲れ様です」。

【間違い④】~になります → ~でございます

  • 誤りの背景: 「なる」は変化を示す語。現在の状態を表す際には不自然。
  • 正しい言い換え:~でございます」でOK。

【間違い⑤】お座りください → お掛けください

  • 誤りの背景: 「お座り」は動物に対して用いることが多く、人には不適切。
  • 正しい言い換え: 「どうぞ、お掛けください。」

【間違い⑥】拝見させていただきました → 拝見しました

  • 誤りの背景: 「拝見する」と「いただく」の重複(二重敬語)。
  • 正しい言い換え: 「資料を拝見いたしました。」でOK。

【間違い⑦】〇〇様でございますね → 〇〇様でいらっしゃいますね

  • 誤りの背景: 「ございます」は丁寧語、尊敬表現には不十分。
  • 正しい言い換え:〇〇様でいらっしゃいますね」。

【間違い⑧】よろしかったでしょうか? → よろしいでしょうか?

  • 誤りの背景: 現在確認なのに過去形を使うのは不自然。
  • 正しい言い換え:よろしいでしょうか?

【間違い⑨】すみません → 恐れ入ります / 申し訳ございません

  • 呼びかけ:恐れ入ります
  • 感謝:ありがとうございます
  • 謝罪:申し訳ございません

【間違い⑩】弊社と当社の使い分け

  • 弊社: 社外向けの謙譲語。
  • 当社: 社内向けの丁寧語。

【間違い⑪】〇〇社長様 → 〇〇社長

  • 誤りの背景: 役職名自体が敬称、「様」を重ねるのは誤り。

【間違い⑫】おられますか → いらっしゃいますか

  • 正しい言い換え:〇〇様はいらっしゃいますか。」

【間違い⑬】どうしますか? → いかがいたしましょうか?

  • 正しい言い換え:いかがいたしましょうか?」

【間違い⑭】おっしゃられる → おっしゃる

  • 二重敬語: 「おっしゃる」でOK。

【間違い⑮】私では分かりかねます → 確認してまいります

  • 正しい言い換え:確認してまいります。」

【シーン別】すぐに使える!ビジネス敬語の正しい使い方と例文

明るいオフィスの受付で、若手社員が電話対応をしている。 丁寧にメモを取りながら「承知いたしました」と答える瞬間。 背景に社名プレートや観葉植物。

1. 電話対応

  • 「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇の△△でございます。」
  • 「少々お待ちくださいませ。」
  • 「〇〇は席を外しております。」
  • 「折り返しご連絡を差し上げます。」

2. メール・チャット

  • いつもお世話になっております。」
  • 大変恐縮ですが、ご確認いただけますでしょうか。」
  • ご教示いただけますと幸いです。」
  • 誠にありがとうございました。」

3. 上司への報告・相談

  • 「〇〇の件、ご報告いたします。」
  • 「今、少しお時間をいただけますか。」
  • 「この件について、どのように進めればよろしいでしょうか。」

4. 印象アップ!コミュニケーションを円滑にするクッション言葉

ミーティング中、若手社員が「恐れ入りますが…」と丁寧に発言している。 周囲の上司や先輩は穏やかな表情で聞いている。 「配慮ある伝え方」と「円滑なコミュニケーション」を象徴する温かい構図。
正しい敬語に加え、「クッション言葉」を効果的に使うと、コミュニケーションはさらにスムーズになります。お願いや反論など、言いにくいことを伝える際に言葉の前に添え、衝撃を和らげるフレーズです。
  • お願いするとき:恐れ入りますが」「お手数ですが」「ご多忙のところ恐縮ですが
  • 断るとき:申し訳ございませんが」「大変心苦しいのですが」「せっかくですが
  • 尋ねるとき:失礼ですが」「差し支えなければ」「よろしければ
これらのクッション言葉を会話やメールに自然に取り入れることで、相手への配慮が伝わり、より良い人間関係を築くことができます。クッション言葉は、敬意と配慮という非言語メッセージを伝える戦略的なツールです。

5. まとめ:正しい敬語は一生のスキル

ビルの外で、電話を終えた新入社員がほっと笑顔を見せる。 背景に春の青空と街の景色。 「学びから自信へ」という成長の物語を感じさせる構図。
新入社員にとって、敬語は社会人としての第一歩であり、覚えることの多さに戸惑うかもしれません。しかし、今回ご紹介した基本的なルールや間違いやすいポイントを覚えておくだけで、自信を持ってコミュニケーションが取れるようになります。 敬語の目的は、相手への敬意を示し、スムーズな人間関係を築くことです。完璧を目指すあまり話せなくなっては本末転倒。まずは丁寧語を基本に、少しずつ尊敬語や謙譲語に慣れていきましょう。 もし間違えても、素直に認め、次に活かす姿勢が大切です。正しい敬語は、あなたの社会人生活を支える一生のスキルになります。

6. 新入社員の敬語に関するQ&A(応用知識)

会議室でマナー講師と新入社員が敬語について質問・回答している。 ホワイトボードに「各位」「とんでもございません」などの単語。 学びと笑顔が交差する温かい構図。

Q1. 社内の先輩や年の近い上司には、どこまで敬語を使えばいいですか?

A1. 基本的には、役職や年齢に関わらず、社内の人には丁寧語と、状況に応じた尊敬語・謙譲語を使うのがビジネスマナーです。 特に、第三者(社外の人)の前で社内の人間について話すときは、必ず謙譲語を使いましょう(例:「部長はただいま外出しております」)。 迷ったときは「丁寧すぎるくらいでちょうど良い」と考えましょう。

Q2. メールで「各位」を使うときのマナーを教えてください。

A2. 「各位」は複数の人に対して使う敬称で、「皆様」という意味を持ちます。それ自体が敬称なので、「各位様」は二重敬語です。 「関係者各位」「営業部各位」といった使い方をします。役職者が含まれる場合は「〇〇部長ならびに関係者各位」と表現しましょう。

Q3. 「とんでもございません」は正しい敬語ですか?

A3. 本来は「とんでもないことでございます」が文法的に正しいですが、「とんでもございません」も文化庁が容認しています。丁寧な否定や謙遜表現としてビジネスでも使用可能です。

Q4. 敬語を間違えてしまったら、どうすればいいですか?

A4. 気づいた時点で訂正し、謝罪するのが最善です。「大変失礼いたしました。正しくは〇〇です」と伝えましょう。

Q5. 「お(ご)〜になる」と「お(ご)〜なさる」の違いを教えてください。

A5. どちらも尊敬語ですが、「お(ご)〜になる」の方が一般的で自然です。「お(ご)〜なさる」はやや改まった印象になります。

Q6. 「〜のほう」や「〜させていただきます」の多用はなぜいけないのですか?

  • 「〜のほう」: 「コーヒーのほうはいかがですか?」のような曖昧な使い方は避け、「コーヒーはいかがですか」とシンプルに言う方が明確です。
  • 「〜させていただきます」: 許可を得る必要がない場面で使うと過剰。「資料を送ります」で十分な場合も多いです。

💡まとめ: 敬語は「形」ではなく、相手への敬意と心配りを伝えるためのツールです。 正しい言葉遣いを身につけることは、社会人としての自信と信頼を育てる第一歩となります。
初回公開日:2025年10月23日

記載されている内容は2025年10月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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