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贈答品を経費で計上できる?勘定科目の仕訳や気を付けることを解説

更新日:2023年11月07日

ビジネスマナー

取引先や従業員に贈答品を贈った場合は、経費に計上できるのでしょうか。本記事では贈答品やプレゼントの勘定科目や経費で計上する時に気を付けること、贈答品を贈る際のマナー等について紹介しています。ビジネスにおける贈答品について疑問のある方は、参考にしてください。

新規の取引先や仕入先に手土産を用意して相手の会社を訪れることがありますが、手土産の費用は基本的に接待交際費として経費に計上できます。 また、手土産を持参した後に会議が予定されていて、なおかつ持参した手土産が少額であった場合は会議費として計上することも可能です。 接待交際費として計上するのであれば、その謝礼品がお礼の意味を強く含んでいる必要があります。 たとえば取引先に特別に配慮してもらったような場合の謝礼品であれば、お礼として渡すため接待交際費で構いません。しかし講師を招いたことに対する謝礼の場合は、お礼よりも報酬という意味合いの謝礼になるため、接待交際費では計上できないでしょう。 出典・参照: 第1款 交際費等の範囲|国税庁

季節のご挨拶

取引先や仕入先への季節のご挨拶として、年賀状を送付したりお歳暮を贈ったりした費用も経費として計上できます。 取引先や仕入先へ新年のご挨拶として、年賀状を送った費用は基本的に「通信費」として処理します。挨拶のために送付する年賀状であれば、印刷会社を利用したとしてもその費用が高額でなければ、そのまま通信費で処理できます。 ただ、挨拶のためというよりも宣伝のために年賀状を送付したような場合は、通信費ではなく「広告宣伝費」になります。 また、お歳暮やお中元を取引先や仕入先に贈った費用は「接待交際費」となります。年賀を祝うためにお菓子類を購入した場合も、同じく接待交際費として処理可能です。 ただし、お年玉は事業に関係ないという考え方のため、経費として計上できません。たとえお年玉を配る相手が取引先や仕入先の社長の子であっても、経費として計上しないようにしましょう。 出典・参照: 第1款 交際費等の範囲|国税庁

贈答品を経費で計上する時に気を付けること

贈答品やプレゼントは経費で計上できますが、いくつか気を付けておかなければならないポイントがあります。 ここからは、贈答品を経費で計上する時にどのようなことに気をつけなければならないのか、4つのポイントを紹介していきます。贈答品やプレゼントを経費として計上する前に、しっかり把握しておきましょう。 出典・参照:第1款 交際費等の範囲|国税庁

金券や商品券は避ける

商品券やギフト券等の金券を贈答品として経費で計上する際はいくつか注意点があるため、できれば避けた方が無難でしょう。商品券等を購入して取引先や仕入先に贈った場合は、「接待交際費」として計上できます。 しかし、金券は使った時に費用計上することになるため、金券購入時点では費用として計上できないことに注意が必要です。 また、金券ショップを利用し額面よりも安価で購入していた場合は、得をした部分の金額は「雑収入」で処理する必要があります。 さらに自社の従業員に対して商品券等の金券を贈った場合は、現金と同等の扱いをしなければなりません。「福利厚生費」あるいは「給与」として処理しましょう。 出典・参照: 商品券を税金対策として利用する際は要注意!経費として活用する方法 | 石井重洋税理士事務所

常識の範囲内のものを贈る

もしも常識の範囲を超えた贈答であると判断された場合、経費として認められなくなる可能性があるでしょう。 具体的な贈答品の常識の範囲内というのは、基本的に1つの贈答につき1万円程度です。会社の規模によってはもう少し高くても認められる可能性はありますが、数万円になると認められない可能性が出てくるでしょう。 これはあまりに高価な贈答品は、贈りものではなく本人が使っている可能性があると見なされるためです。高額な贈答品は、税務調査時に問題になる可能性があることを認識しておきましょう。 従業員に対する福利厚生費として処理する際にも、注意が必要です。常識の範囲内の贈答品であれば福利厚生費として計上できますが、あまりにも高額だった場合は給与に該当するとされる可能性があるでしょう。 出典・参照:お中元やお歳暮に商品券を贈るのは経費になるの?~誰に渡したかはメモしておきましょう!|鈴木一彦税理士事務所

どんな贈答品をしたか説明できるようにしておく

贈答品を経費として計上するためには、どんな贈答品を誰にしたのかをしっかり説明できるようにしておく必要があります。 もし贈答品を経費で計上していても、どんな贈答品を誰にしたのか明らかになっていないと社長個人が使った可能性があると受け取られてしまい、経費として認められなくなってしまいます。 税務調査の時にしっかり説明できるように、誰にどんな贈答品を渡したのかしっかり記して説明できるようにしておきましょう。 とくに、商品券等の金券をまとめて購入したような場合は注意が必要です。少しずつ取引先に贈った場合でも、どこにどれだけ贈ったのかをしっかり説明できるようにしておかなければなりません。 いらぬ疑いを招かないためにも、贈答についてはしっかり記録を残しておくことをおすすめします。 出典・参照:お中元やお歳暮に商品券を贈るのは経費になるの?~誰に渡したかはメモしておきましょう!|鈴木一彦税理士事務所

贈答品として経費に計上できないケースを知っておく

たとえば贈答品として購入した商品券を自分で使ってしまった場合や、プレゼント先が事業に関係のない家族や友人等だった場合は、経費として計上していても認められないでしょう。 贈答品として購入しても、自分で使った場合は贈ったことにはなりません。また、プレゼント先が自分の家族や友人の場合は事業に必要な贈答品とは認められないことから、経費として認められません。 さらに個人事業主や役員のみの会社では公私の区別がつきにくいため、福利厚生費として計上するのは難しいでしょう。 出典・参照:商品券を税金対策として利用する際は要注意!経費として活用する方法 | 石井重洋税理士事務所

取引先に贈答品を贈るコツ

贈答品を取引先や仕入先といったビジネス上の付き合いのある相手に贈る場合には、マナーを守って贈るようにしましょう。贈答品を贈っても、マナーがなっていなければ失礼になってしまったり、相手に不快な思いをさせてしまったりする可能性があるためです。 ここからは、贈答品をビジネスで贈る場合のマナーについて紹介していきます。 とくにこれまであまり付き合いのなかった相手に贈る場合や初めての相手に贈るような場合は、最低限これらのマナーを押さえておく必要があるでしょう。贈答品のマナーで迷った際は、参考にしてみてください。

  • 前もって取引先に送り状を送付する
  • 取引先が贈答品を受け取れる企業かどうか確認する
  • のしを付けてもらう
  • 季節の贈り物をする場合には時期を確認する

前もって取引先に送り状を送付する

贈答品を取引先に贈る際はいきなり贈るのではなく、前もって取引先に送り状を送付し、贈答品が届くことを知らせておきましょう。一方的に贈答品を贈りつけるような行為は、かえって迷惑になってしまう可能性があります。 また、贈答品の送り状はパソコンで作成するのではなく、手書きで作成しましょう。一般的には「頭語」から「時候の挨拶」を述べ、「取引への感謝」「贈答品について紹介」を記した後「先方の健康や成功を願う言葉」と「結語」で締めるのがマナーです。 近年ではオンラインでのやり取りが増えたこともあり、メールを送信して送り状を送付したことにするケースも増えてきました。相手との付き合いの程度や親しさによっては、メールだけで済ませても問題ないでしょう。

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初回公開日:2023年05月23日

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