拓くの意味や読み方は？｜例文5つを参考にして「拓く」を正しく使おう！

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普段何気なく使っている熟語を構成する漢字の中には、その意味を詳しく知らないものもありますよね。 「拓」という漢字もそういった漢字の一種ではないでしょうか。 今回は「拓」という漢字の意味や使い方を、例文を交えて詳しく解説していきます。

「拓」の訓読みは開くと同様に「ひらく」と読み、音読みは「たく」です。 人名として用いられる場合は「拓」単独で「ひらく」と読んだり「ひろ」、「ひろし」と読ませることもあります。 「ひらく」と読む文字にはこの他にも「披く」や「啓く」といった言葉があり、それぞれ意味が異なっています。 「拓く」には「今までなかったことを始める」という意味があり、「拓く」を用いた熟語でもこの意味を含んだものが数多く存在します。

「拓く」は手偏と石の旁から構成されている漢字です。手偏は人の手を表しており、旁の石は崖の象形です。 2つの部位が合わさることで「多くのものを集める」すなわち拾うという意味を持つようになったのが「拓く」の始まりです。 また、「拆(せき)」という漢字に通じることで現在の「拓く」に近い「切り開く」という意味を持つようになったと言われています。

「拓く」は訓読みで使用されることもありますが、「開拓」や「魚拓」をはじめとした熟語の中に登場することもあります。 また、人名としても使用されるケースも多く、男の子の名前でよく見られる「たくや」という名前の「たく」に拓の文字を当てる例も見受けられます。

出典: Glass Ball on Wood Clip Art · Free Stock Photo

「拓く」の意味や語源を知ったところで、次は「拓く」の実際の使い方を学んでいきましょう。 「拓く」を「ひらく」と読む場合は、同じ読みを持つ言葉との使い分けが肝心です。 「ひらく」の使い分けのポイントは、「ひらく」対象が何かという点に注目します。 「拓」を用いた熟語を使用する際には、「拓」と組み合わせる漢字の意味を考えましょう。

長年無駄と思われていた彼の研究がようやく実を結び、新たな分野を切り拓く端緒となった。 上記の例文では「切り開く」という熟語で「拓く」が使われています。 この文の中で「切り開く」対象となっているのは「新たな分野」です。 「新たな分野」は未知の領域であり、「今までなかったことを始める」という「拓く」本来の意味に合致しています。

児童虐待の予防は、将来生まれる子どもたちの未来を拓くことと同義である。 こちらの例文もまた、「拓く」の「今までになかったことを始める」という意味で使用されています。 「子どもたちの未来」は現在において未知の時間ですから、誰にもわからない未来を「拓く」ために、児童虐待の予防が必要という文意を構成しています。 「未開」や「未来」など、「未」の付く熟語は「拓く」の目的語になりやすい傾向にあります。

入植者たちは厳しい気候に阻まれながらも、懸命に努力を重ねて不毛の地を拓いた。 ここまで紹介した例文は「新しい分野」や「子どもたちの未来」といった手に取ることができないものを対象にしていましたが、「不毛の地」をはじめとした具体的な存在も、「拓く」の目的語になり得ます。 「不毛の地」とは人の手が入っていない土地であり、ここに手を加えることが「今までになかったことを始める」を意味するからです。