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【業界研究】菓子業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年11月19日

業界・企業研究

菓子ほど日本らしさが表れた産業はありません。商品は安くて小さいですが、高い将来性と大きな可能性を秘めています。国内限定のガラパゴス製品のように見えて、世界のどこにでも輸出できるグローバル製品であったりもします。

1位:江崎グリコ:3,153億円 2位:カルビー:1,999億円 3位:明治ホールディングス:1,690億円

1位:明治ホールディングス:971万円 2位:江崎グリコ:781万円 3位:B-R サーティワン アイスクリーム:763万円

業界の動向

大人向け商品

少子高齢化が進み、近年の菓子消費のボリュームゾーンは高齢者に移っています。そこで、菓子業界各社は高齢者等をターゲットにした「大人向け商品」に力を入れるようになりました。

明治ホールディングスは2013年に「大人のたけのこの里」と「大人のきのこの山」を発売しました。外装をシックな色合いにして高級感を演出し、チョコレートの甘さを控えめにするなど大人の好みに合わせることで、「大人向け商品」ブームの火付け役になりました。

山崎製パンは、コンビニを利用するシニア層の増加にともない、コンビニ店頭での串団子や大福、まんじゅうなどの販売を強化しました。山崎製パンの和菓子の売上高は堅調に推移しています。

ロッテは2015年に発売した「乳酸菌ショコラ」がです。乳酸菌ショコラは、熱に強く死ににくいという植物性の乳酸菌が入ってるチョコレートで、健康志向の消費者を取り込んで、競合商品との差別化に成功しています。

菓子のパッケージ・サービス

菓子のパッケージを自分好みのイラストや写真にすることができるサービスが広がっています。

森永製菓は、2016年から、スマートフォンの無料アプリを使って、オリジナルのハイチュウなどを作れる「おかしプリント」をはじめました。不二家も2016年から同社の商品「ミルキー」誕生65周年を記念して、写真と名前が入れられるスマホサービス「スマイルミルキー」を開始しました。

サービスが広がる背景には、ギフトなどに個性を求める人が増えたことが挙げられます。

大手による直営店

カルビーが2011年に出店した直営店「カルビープラス」が好調なことを受けて、菓子業界の大手は直営店を出店しています。

ネスレ日本は直営の専門店「キットカットショコラトリー」を全国で展開しています。直営店を出店するのは自社商品の認知度を高めるためですが、普段消費者との接点がないメーカーにとっては、消費者の生の声を収集できる貴重な場でもあるので、消費者の声をフィードバックして商品開発に生かすことができれば、新しいタイプの商品も生まれやすくなるのではと期待されています。

市場動向

菓子業界の市場規模は3兆3,339億円

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