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更新日:2024年10月08日
就活の際に、多くの企業がエントリーシートの提出を求めてきますが、その中に、大学のゼミでの研究内容について書かせる欄を設けている企業も多数見受けられます。このような時に、多くの学生は迷ってしまいがちです。
目次
そして、そのアクションを表現するには、
「なぜそのアクションを実施しようと思ったのか」 「どのような考えに基づき、いかなるアクションを起こしたか」 「そのアクションの成果はどうなったか」
という3つの要素、つまり、ひとつのアクションの因果関係がもれなく表現できていると、その人のアクションに臨む姿勢や思考力が採用側に伝わるエントリーシートになります。
その意味で、改めて模範解答例を見てみると、「私は、人を裁くという重い決断を迫られる時に、公平性や一貫性を可能な限り担保するためには、この論争がキーとなるため・・・・ゼミの研究室内での課題や議論に終始するだけにとどまらず、積極的な情報収集を実施致しました。」としており、このテーマを深めようと思った理由がしっかりと表現されています。
それに加え、「他大学の教授をご紹介頂き、研究室に同じゼミの仲間も誘ってインタビューに伺い、アカデミックな有識者の見解を伺い、さらに、・・・・弁護士や検察官の方々をゼミの仲間に紹介してもらい、実務の観点からの見解も伺うことができました。・・・・裁判の傍聴も複数件行い、・・・・生の臨場感ある裁定の様子を垣間見ることもできました。」としており、このテーマについてアカデミックな観点と法実務の観点から情報を主体的に収集していることが分かります。
一方で、悪い書き方例を見てみると、 「私は、このテーマを追究するため、・・・・他大学の教授をご紹介頂き、研究室に同じゼミの仲間も誘ってインタビューに伺いました、この〇〇教授は、・・・・・・私たちの研究テーマに対する理解も一層深まったように思います。続いて、・・・・現職の弁護士や検察官の方々にも複数インタビューをお願いすることができ、貴重な発見をすることができました。実際の裁判も積極的に傍聴に出かけ・・・」 とあり、実施したアクションをただ羅列しているだけの表現にとどまっています。
また「理解が一層深まった」「貴重な発見をすることができた」のように表面的なコメントで終わっており、具体的にどんな貴重な発見をすることができたのかが記載されていません。せっかくこれだけ色々なアクションをとっているのに非常に残念なところです。
そして、それぞれのアクションの成果として、模範解答では、 「3年間の研究を通して、“一般的にはこう言われている”という常識にとらわれることなく、情報を多面的な観点から収集・分析することで自らの見解を導くことが研究においても、今後の社会人生活の中でも重要なことであること、そして、積極的に仲間と協業し、人に会い、頭だけではなく体をも使ってアクションを起こすことで、よりクリアに物事の本質が見えてくる、ということを学ぶことができました。」 として、自身の研究を見事に今後の社会人生活への学びに結びつけた成果として振り返っています。
一方で、悪い書き方例では、 「結果的に私としては通説・判例の主流を占めている道義的責任論こそ、犯罪者を犯罪者として刑法により処罰する論拠として、実務上、そして理論上妥当であるという結論に至り・・」 としており、研究の成果として、自分の見解をもつに至ったことを述べていますが、これも繰り返しになりますが採用側にとってはそれほど必要のない情報といえます。さらに、理論上妥当である、という部分についてはなぜ妥当といえるのかも不明です。
さて、これまでエントリーシートにおける研究内容の悪い例と良い例を比較して見てきましたが、その中で、企業の採用側がなぜゼミの研究内容をエントリーシートに書かせるのか、少しずつ分かってきた方といらっしゃるかもしれません。
採用側はエントリーシート全体を通じて、その学生が目の前の困難など課題に対し、どう考え、どうアクションを打ち、何を学びとるのか、そういった姿勢や思考力を確認することで、入社後の仕事への取り組み方を推測したいのです。
中途社員と異なり、実務上の実績がゼロの状態の学生を登用するには、そのポテンシャルを、何かしらのエピソードから把握するほかありません。そ
の意味で、アルバイトやゼミの研究などは、学生時代の相当の時間を投下して、しかも複数の人ともコミュニケーションを取りながら進めて行く取り組みであり、学生の物事に対する取り組み姿勢に加え、社会性、協調性、集団の中での立ち回り方などがよく分かるものです。だからこそ、ゼミの研究内容について書かせるのであり、決して、どれだけすごい専門性をもっているかを精査するためではないのです。
さらに、エントリーシートの書き方を見れば、情報を整理する力、平易かつ具体的な表現で相手に伝える力、論理性、ストーリー性、最低限の語彙力など、文書作成能力も同時にチェックすることが可能です。エントリーシートで採用側がチェックする観点をしっかりおさせて対策を立て、採用側が知りたいアピールポイントを存分にアピールしつつ、文書のまとめ方についても、文章がうまい人に教えてもらったり、解説書を読むなどして、書き方対策を立てておくとよいでしょう。
では、応募企業のエントリーシートにゼミの研究内容を記載するように指示があったにもかかわらず、「実はゼミに入っていなかったので書くことがない・・・」という学生はどうすればよいのでしょうか。ゼミに入っていないと選考上不利になってしまうのでしょうか。
結論から言うと、決してそんなことはありません。昨今では日本企業でも、まだまだ保守的なところはありながらも、積極的に外国人社員を登用したり、海外に進出したりと、グローバル化を進めています。
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