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間違いも多い「所存です」の正しい意味と使い方・意向との使い分け

更新日:2023年12月03日

言葉の意味・例文

よく耳にするのに、実はちゃんと意味が説明ができない敬語表現、「所存です」。慣れている表現だからこそ、曖昧な理解で使っていると場合によっては失礼になっているかもしれないですよね。意味と使い方を知って、「所存です」という表現の何となく感を解消しましょう。

着任挨拶する場合の例文は次のとおりです。

  • 本日からは、先輩の皆様のご指導・ご鞭撻のもと職務に全力を傾ける所存です。
  • この支店への着任にあたり、即戦力となるよう鋭意努力していく所存です。
  • 新たな仕事の場を与えられた今、リーダとして新しい挑戦に取り組む所存です。

社外への決意表明をする場合

社外への決意表明をする場合の例文は次のとおりです。

  • このたびは当方の連絡ミスで、貴社担当者さまに多大なご迷惑をおかけしました。今後二度と同じ誤りを繰り返さないように鋭意つとめる所存です。
  • このたび弊社工場の生産ラインの障害のため注文のお品を送り届けられず、御社に多大なご迷惑をおかけしています。障害の早期復旧を図り、同じような障害を繰り返さないよう鋭意つとめる所存です。

履歴書で自己PRをする場合

履歴書で自己PRをする場合の例文は次のとおりです。

  • ヒアリングのスキルを活かし、新規開拓営業として御社の売り上げに貢献していく所存です。
  • 前職で培ってきた経験を活かし、販促業務で目標を上回る売り上げを計上できるよう業務に取り組む所存です。

メールでお詫びをする場合

メールでお詫びをする場合の例文は次のとおりです。

  • このたびは私の不注意で会議開催の連絡を失念し、先生には大変ご無礼をかけお詫び申し上げます。二度とこのようなことのないよう努める所存です。
  • 拝借したお金を期日までにお返しできず申し訳ありません。夏期ボーナスで何をおいてもまずお返しに上がる所存です。

「所存です」の敬語は?

「所存」は、相手に対して自分を低く見る言い方になり、目上の人に対してへりくだってゆずることで相手に対して敬意を表すもので、謙譲を意味する敬語の一つです。

けん‐じょう〔‐ジヤウ〕【謙譲】 の解説 [名・形動]へりくだりゆずること。自分を低めることにより相手を高めること。また、控えめであるさま。謙遜 (けんそん) 。「―の美徳」 「日ごろ―な性質で、名聞を好まない景蔵のような友人ですら」〈藤村・夜明け前〉

この場合の「所存です」は、「思います・考えます」の謙譲的な意味合いを持ちますが、ここで使われる「です」は「所存」を丁寧に述べる丁寧語として使われています。

「所存です」は謙譲語ではない

このように「所存です」は、「思います・考えます」の謙譲的な意味合いを丁寧に述べた言葉で、相手に対して目下である自分の立場を示しながらも、相手の尊厳を傷つけることなく、こちらの決意や思いを伝えるもので、自分の考えのへりくだった表現となる単なる謙譲語ではありません。

謙譲表現は「所存でございます」

「所存でございます」の「ございます」は動詞「ある」の丁寧語で、謙譲的な意味合いのある「所存」と組み合わされて丁寧な謙譲表現となります。このように相手に対してへりくだる表現を使うことで、相手を敬いその立場を高める敬語として機能します。

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初回公開日:2016年12月07日

記載されている内容は2016年12月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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