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「津」という漢字の意味と使い方|読み方や「港」「湊」との違いも紹介

更新日:2024年07月26日

言葉の違い

「津」という漢字はどんな意味や使い方があるのだろうと思う方もいるでしょう。本記事では、「津」の読み方、成り立ち、どのようなシーンで使用されることが多いのか「港」「湊」との違いについてなど紹介していきます。「津」に興味がある方はぜひ参考にしてください。

「津ってどんな意味の漢字?」 「津の使い方って?」 「津という字が入る四字熟語にはどんなものがある?」 このように、「津」という漢字についてさまざまな疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。 「津」というたった1文字の漢字には、実は多くの意味が隠されています。本記事では、「津」という漢字について、意味や由来、部首、使い方など幅広く紹介していきます。この記事を読むことで「津」に関する知識が深まるでしょう。 「津」という字は日常的に目にすることもあるため、なぜそのようなところで使われるかも、この記事で取り上げている内容を知ることで分かってくることもあります。「津」という字に興味を持っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

「津」という漢字の語源・成り立ちと読み方

「津」という1文字の漢字でも、何に由来するのか、どういう使われ方をしてきた字なのかというストーリーが存在します。ここでは、「津」という漢字の語源・成り立ちと読み方について紹介していきます。

「津」の意味・成り立ち

「津」には、船の渡し場、船着き場という意味があります。「津」を「しる」の意味で使う場合は、「津液(つえき)」のように、「つば」や「汗」、「涙」などの体液を表します。また、多くの人が集まり、賑やかなところという意味もあります。 日本神話に「天津神(あまつかみ)」、「国津神(くにつかみ)」という語が出てきます。「天津神」とは、天照大神がいる高天ヶ原の神をいい、「国津神」は、大国主命などの地を治めていた神をいいます。 この場合の「津」は「つ」と読みますが、現代語の「の」という意味を持ち、「天津神」=「天の神」という意味になります。 「津」の成り立ちを見てみると、この字の部首は「氵(さんずい=水の意)」「聿(ふで)」からできています。「聿」は「筆」のことですが、「津」は同じ読みを持つ「進(シン)」と同じ意味を持つようになります。 そこで「すすむ」の意味から、「水を進む船の発着所」を意味する、「津」という語ができました。

読み方は訓読みで「つ」・音読みで「しん」

「津」の読み方は、訓読みでは「つ」、「しる」です。音読みでは「しん」です。「しる」と読む場合の意味は、「つば」や「汗」、「涙」などの体液を表します。「津」という語も読み方によって意味が違ってきます。 「津」を地名や苗字に用いる場合は、「つ」または「づ」と訓読みが多く見られます。「津」を使った熟語には「津津浦浦、津々浦々(つつうらうら)」、「津波(つなみ)」があります。 「津」を「しん」と読む場合の使い方としては、熟語では「興味津津(きょうみしんしん)」や「竜躍雲津(りゅうやくうんしん)」があります。 中国に「天津市(てんしんし)」という街があり、貿易港となっています。中国でも日本と同じ意味で「津」が用いられています。

「津」の使い方

続いては、「津」の使い方について取り上げていきます。実際に「津」という字はどういうところで使われやすい字なのか分かってくるでしょう。「津」の意味や成り立ちを知っていると、なぜそのような使い方がされているのか、より理解が深まります。

水に関連する場合

「津」という字を見て水に関連するものでは「津波」を連想することは多いのではないでしょうか。「津波」というと、今でも平成23(2011年)年3月11日に発生した「東日本大震災」の津波の映像が目に浮かぶ人もいるでしょう。 「津波」の語源は、「津」(港、船着き場)に押し寄せる「波」のことです。甚大な被害を及ぼす「津波」は「大津波」や「巨大津波」といいます。「津波」の言葉は、世界でも「Tsunami」と表記され国際語として用いられています。 出典・参照: 特集 東日本大震災|内閣府

人の名前に使われる場合

「津」のつく名前を「男の子」と「女の子」に分けて、次にいくつかあげ、その由来を紹介します。 ・秋津(あきつ)=「秋」の季節のように落ち着いた雰囲気の大人に、そして「津」の人が集まってにぎわう語意から、人から信頼され、多くの友人に囲まれ幸せな人生を送れるようにとの願いが込められています。 ・佳津(かつ)=「佳」には、優れた能力を活かして成功し、幸せをつかんでほしい、そして「津」には、人が集まってにぎわう語意から、人から信頼され、多くの友人に囲まれ幸せな人生を送れるようにとの願いが込められています。 ・津伍(しんご)=「津」にも「伍」にも、多くの友達、良い仲間、親友に恵まれるようにという願いが込められています。そして充実した人生を送ることができますようにという願いです。 ・亜津(あつ)=「亜」には、親や先人を敬い、伝統文化を大事にする人になってほしい、そして「津」の語意から多くの友人に囲まれ喜びの多い人生を送ってほしいという願いが込められています。 ・有津(あづ)=「有」には、存在感があり、上昇志向の人になってほしい、そして「津」の持つ、人から信頼され、多くの友人に囲まれ幸せな人生を送れるようにとの願いが込められています。 ・和津(かづ)=「和」には、人の和を大切にする人になってほしい、そして「津」の持つ、多くの友人に囲まれて充実した人生を送ることができますようにという願いが込められています。

地名に使われる場合

「津」が船着き場や港を意味することから地名に使われている例は数多くありますが、その中から主だった地名を紹介します。 ・大津(滋賀県大津市)=大津港は、かつては琵琶湖湖上の水運の拠点として栄えましたが、鉄道の出現で斜陽となり現在は、遊覧船の発着や、一部の船の運行拠点となっています。 ・沼津(静岡県沼津市)=沼津港は、外港(おもに大型船が停泊する)と内港(おもに漁船が停泊する)に分かれています。 ・宮津(京都府宮津市)=宮津港は、江戸時代には宮津藩の港として、また西廻海運の寄港として繁栄し現在は、商業港となっている他、湾内での観光船の運航や、舟屋(伊根町)の間で観光航路を運行しています。 ・油津(宮崎県日南市)=油津港は、天然港であり、現在は、重要港湾に指定されています。コンテナ船やRORO船などの貨物船の入港も可能であり、大型の国内・外国客船が寄港しています。

「津」が入る四字熟語

よく知られている「津」を用いた四字熟語「津々浦々(つつうらうら)」の「津」は港の意味で、「浦」は海辺や海岸の意味です。 「津浦」でもいいのでしょうが、「津々浦々」と四字熟語にすることで、「全国くまなくいたるところ」という意味で用いられています。旅行好きの人が、「日本の津々浦々を訪れてみたいな」などの言い回しに用います。 また「津」を用いた四字熟語には「興味津々(きょうみしんしん)」もあります。「興味津々」の意味は、あることや、できごとに興味を持ち始めどんどんエスカレートして興味が尽きない状態や状況をいいます。 「津」の、つくりの「聿」は「ふで」と読み「筆」と同じで、筆からしとしととしずくが垂れるイメージから「興味」の語と合わせて「津津」と重ねることで興味が続く状態を表す言葉にしたのでしょう。

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初回公開日:2018年03月14日

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