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庵の読み方・意味と類語・亭との違い・使い方|庵を結ぶ/庵点

更新日:2020年06月26日

言葉の読み方

皆さんこんにちは、今回は「庵の読み方・意味と類語・亭との違い・使い方」と題して、「庵」という言葉の正確な意味やその用法、またさまざまな分野で扱われる「庵」の用例についてご紹介します。「庵」の意味にはとても奥深い背景が隠されており、実に興味深い歴史があります。

「庵」の読み方

日本語には多くのむずかしい漢字やその読み方があり、それぞれの漢字に見合った読み方や意味合いが当てられています。 この「庵」という漢字もややむずかしい漢字・言葉に含まれますが、実際に漢字を「自分の言葉や表現」として覚えるためには、その言葉を例文や表現などで実際に使ってみることが大切です。

「庵」の読み方にある「あん」

この「庵」の読み方は一般的に2つあり、そのうちのひとつが「あん」です。これは多くの食事処でも使われている読み方で、「○○庵」という言い方で食事処、レストラン、またカフェであることを世間に公示しています。 「庵(あん)」というのはそもそも「庵(いおり)がある家屋」や「草ぶきの住まい」などを意味し、そうした粗末な家屋を装った店のことを呼んでいましたが、現代では実に多くの「庵」の内装や外装が用意されていて、一見、従来の「庵」の意味合いからは想像がつかないほどの装飾がなされていることもあります。

「庵」の読み方にある「いおる」

この「いおる」という読み方はほとんどされませんが、これは「庵」の動詞としての用法・読み方にあり、「今日はこの宿にいおる」と言うと「今日はこの宿に泊まる」という意味になります。 この「いおる・いほる」という読み方や用法が採られていたのは古典の世界が有名で、日本の語学の歴史を紐解いて見てみると平安時代やそれ以前、また江戸時代においても和歌や随筆においてこの「庵(いお)る・庵(いほ)る)」という活用が見られます。

「庵」の読み方にある「いおり」

「庵」のもうひとつの読み方として「いおり」があり、この「庵(いおり)」というのも「庵(あん)」と同じく、僧侶が世間を捨てて隠遁生活を営む小さな小屋・家屋を意味しました。 そうした「世捨て人が住まう家屋」を一般的に公開した店の内装や、それに近い住まいを指して「庵(いおり)」と呼ぶようになりました。

「庵」の意味

先述でご紹介しましたように、「庵」という言葉の読み方には2種類の読み方があります。そしてこの「庵」の意味合いにもその読み方と同じく、2つの意味合いが含まれています。 「庵(あん)」という場合は「小さな家屋で草ぶき屋根の住まい」を指し、この場合も「世捨て人となった僧侶が住まう簡易の家屋」の意味を指します。 「庵(いおり)」という場合は主に「仮小屋」の意味合いが強く、「庵(あん)」の場合と同じく「隠遁生活を営む僧侶が住まう家屋」の意味合いも兼ねながら、農業や林業を行なうために仮に造った家という形容が一般的に認められます。

草木や竹などを材料としてつくった質素な小屋

この「草木や竹などを材料としてつくった質素な小屋」という形容が先でご紹介しました「仮小屋」や「仮設家屋」を強く示す意味合いを含めており、特に江戸時代以前の日本では、この仮小屋を指す長屋造りが非常に多く点在していました。 この「仮小屋」を指す「庵(いおり)」の特徴は、「世捨て人となった僧侶が隠遁生活を営むために造られるほったて小屋」をイメージしたものが多く、「当面の生活に必要な物だけがある」という非常に簡素な生活環境が認められる点です。

僧・隠者などが住む小さな住居

現代でこの「庵(あん、いおり)」を継承してその家の造りに表しているのは、主に麺処(めんどころ)としても有名な蕎麦屋や、昔から味づくりが伝わっている漬物屋、また大衆食堂などでしょうか。 従来の「庵」の意味は、先述のように「隠遁生活を営む僧侶の家屋」として認められていました。 食堂というのはその昔、日本の各地では現在に見られるような立派な建物ではなく、非常に一軒家に近い小さな住まいとして建てられていました。 そうした食事処では必ず「あがり」といった粗茶が用意されていることも多く、このお茶を食後に用意するために囲炉裏(いろり)も設置されていました。 こうした一般の民家を指して「庵(あん、いおり)」と呼んだ歴史もこれまでに認められており、つまり「庵」というのは僧侶や世捨て人だけが住まう「小さな小屋」というイメージだけではないこともうかがえます。

農作業などの仮小屋

先でご紹介しましたが、「庵」という言葉の歴史を紐解いていくと、この「庵」が差す家屋の用途がどんな感じであるかがよくわかります。 庵というのは「仮小屋」を指す意味合いも強く、「何らかの仕事をするために建てられた仮小屋・仮設家屋」を指す意味合いとして使われ、その場合でも「その仕事に必要な物だけが置かれている」というイメージになります。 「仕事に間に合うようにと造られた家屋」ですから、この場合の「庵」というのは現代風に言えば「アトリエ」に近い住まいになるでしょう。

自分の家を謙遜していう

「庵」という言葉が持つ意味合いが先述のように「非常に簡素で粗末な佇まいをしている家屋」であることから、話者が自分の家を「狭い家」や「何もない家」などと簡素なことを引き合いに出し、相手に対して自分の家を謙遜して言う場合でもこの「庵」という言葉が使われます。 「草庵(そうあん)」という言葉がありますが、この言葉も同じく「自分の家屋をへりくだって言うときに使われる言葉」に認められ、この言い方は近現代頃の小説の中でも普通にうかがえます。 ・山梨県、甲府のまちはずれに八畳、三畳、一畳という草庵を借り(太宰治『畜犬談』) ・御部屋は竹縁をめぐらせた、僧庵とも云いたい拵(こしら)えです(芥川龍之介『俊寛』) このように近現代頃の文学作品の中でも「草庵」や「僧庵」という言葉が使われており、「粗末な家」や「世捨て人が住む家」などと形容されて、相手に対する話者の謙遜の意味合いが見てとれます。

初回公開日:2018年03月08日

記載されている内容は2018年03月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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