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「折を見て」の意味や使い方|使用時の注意点に類語や英語表現も併せて解説

更新日:2024年04月09日

言葉の意味・例文

ビジネスにおいて「折を見て」という言葉を間違えて使っていませんか。本記事では「折を見て」について、正しい使い方から、類語や英訳まで幅広い点で紹介しています。「折を見て」を正しく使えているという自信がない方は、ぜひこの記事を読んでみて下さい。

ではどんな場合でも「折を見て」を目上の人に対して使ってはいけないのかと言うと、必ずしもそうとは限りません。「×月×日までに○○します」とはっきり明言できない場合には、たとえ目上の人が相手であったとしても、「折を見て」を使って曖昧な返答を返すこともあります。 もちろん目上の人や大事な取引先に対して「返答を濁す」ということは、あまり望ましいことではありませんし、基本的には失礼に当たることです。しかしビジネスにおいては何事もケースバイケースである、という部分もあります。 状況によっては目上の人に対して「折を見て」を使ってもよいのだと理解しておきましょう。

確約が難しいときに上手に使う

ここまでの注意点を見ていると「折を見て」を使うのが難しいと思われるのではないでしょうか。しかし、確約しなければいけない場面かどうかを見極めて上手に使うことが大事なのです。 相手が返事を早めに欲している場合や、白黒はっきりつけなければならない場合で「折を見て」を使うと失礼にあたってしまいます。 例えば、あなたが企画会議の参加有無を聞いた場合に「折を見て参加します」と返答されたらどう思いますか。会議には資料の準備や部屋の確保が必要なので、参加するのかどうかはっきりしていないと迷惑に感じてしまうでしょう。 反対に、そこまで緊急の事由でない時や付き合いで誘ってきた時に、了承するという保証がないものの、ストレートに「お断りします」や「できたらやります」と答えて場の空気を気まずくさせることを避けるために「折を見て」を使うことは相手を気遣うという意味でも有用です。

「折を見て」の言い換え表現

ここまで「折を見て」について紹介しましたが、以下に「折を見て」の言い換え表現について紹介します。 言い換え表現の方が相手に伝わりやすい場合もありますので、チェックして下さい。

頃合いを見て

「頃合いを見て」は「折を見て」の類語です。「頃合い」とは、タイミングがいいことや、丁度良いタイミングという意味があります。「頃合いを見計らって」という表現もあり、「適当な機会を見計らう」という意味は3つとも同じです。 例えば以下の例文の「頃合いを見て」や「頃合いを見計らって」の部分を「折りを見て」と入れ替えても、文章の意味は変わりません。 1.頃合いを見て私から部長にお伝えしておきます。 2.頃合いを見て研修会を開きたいと思います。 3.頃合いを見計らってお電話させて頂きます。

時期が来れば

「時期を見て」も「折を見て」の類語の1つです。堅苦しくやや意味が伝わりにくい「折を見て」に比べると、「時期を見て」を使う方がわかりやすいとも言えます。「時期を見て」という語句を使った例文を掲載しておきます。 【例】 1.この件については時期を見て詳細をお伝えしたいと思います。 2.時期を見て○○君を課長に昇進させようと考えている。

適当な時期に

「時期を見て」よりさらに砕けた「折を見て」の類語に、「適当な時期に」という言葉があります。この場合の「適当」は「求められている条件や目的に合致する」「妥当な」という意味で使われていることは言うまでもありません。 しかし「適当」には「興味が感じられない様子」や「本格的な対処ではなく一応のつじつまがあうようにして事態を収束する」という意味もあります。日常会話の中では、こちらの意味で使われることが多いです。 ビジネスにおける会話の中で「適当な時期に」を使うと、人によってはぞんざいな口調に聞こえたり失礼に思われたりする怖れもあります。ビジネスシーンでは「適当な時期に」を使うよりは「折を見て」を使う方がよいでしょう。

機会があれば

「機会があれば」も「折を見て」の類語と言ってよいでしょう。こちらも「折を見て」と同じく、「機会があれば○○します」と「機会がなければ○○しません」という含みを持たせた表現になっています。 「折を見て」に比べるとストレートでわかりやすい表現なので、会話の中では「機会があれば」を使う方が意図が伝わりやすいでしょう。 【例】 1.(飲み会の誘いに対して)機会があればぜひご一緒させて下さい。 2.(見学の勧誘に対して)機会があればお伺いさせて頂きます。

潮時を見て

「潮時」は満潮や干潮の時刻のことを指し、そこから転じて「物事を始めたり終えたりするのに適した時」「物事を始めたり終えたりするのによいタイミング」を意味しています。自然な時の流れの中で巡ってくるチャンス、というニュアンスがあります。 「折を見て」と同じく「よいタイミングを見て○○します」という意味で「潮時を見て」と表現する場合は問題ありませんが、「潮時」を単独で使う場合は使い方に注意が必要です。ビジネスにおける「潮時」の使い方について次の項目で詳しく説明します。 「潮時」は「ラッキーなチャンス」のこと! 「潮時」は「よいタイミング」のことであり、「絶好のチャンス」「好機到来」というニュアンスで使われる言葉です。 ところがこの「潮時」を、「物事を終えるタイミング」という意味で使う場合に、「もう終えないとダメだ」「もう先の見込みがない」とマイナスの意味を込めて誤用していることがあります。 例えば「そろそろ今の会社を辞める潮時だ」という文章です。この文章は、「これ以上今の会社ではやっていけそうにない」「そろそろ辞め時だ」という意味に解釈しがちです。 しかし「潮時」には本来「絶好のチャンス」「ラッキーなチャンス」の意味しかないので、「今の会社ではもうやっていけそうにない」というマイナスの意味で使うことは誤用と言えます。 「そろそろ今の会社を辞める潮時だ」という文章の解釈は、「今の会社を辞める絶好のチャンスだ」が正解です。

そのうち

「そのうちに」は、「折を見て」の類語の一つです。「近いうちに」「近日中に」という意味のほかに、「折を見て」と同じ「時期を見て」という意味があります。部下に対して期日をあいまいにして返答するときなどに、「そのうちやっておくよ」という使い方をします。 「そのうち」は会話の中で使うと、「気乗りしない」「あまり興味がない」という意味合いを含む場合があります。そのため取引先に対して「そのうちに○○しておきます」などと言ってしまうと、やる気がないのだと受け取られかねません。 【例】 1.(取引先)「来月はぜひ我が社の工場に見学にいらして下さい」 2.(あなた)「そのうちに見学させていただきます」 上の例文のように、相手が熱意をもって勧誘している事柄に対して無関心な返答をしているように聞こえてしまいます。「折を見て」と同じく婉曲なお断りや曖昧な返答として使う言葉であることを覚えておきましょう。

いずれ

「折を見て」を口語的に表現する言葉には、「いずれ」もあります。「そのうちに」の類語ですが、「時期を見て○○する」という意味はなく「近いうちに○○する」という意味で使われる言葉です。 「いずれ」は「折を見て」や「そのうち」と同じく、積極的に行うつもりがないことや先延ばしにする意図を示して婉曲に断る気持ちを表現している場合があります。 【例】 1.その件についてはいずれお話しすることにしましょう。 2.いずれお伺いさせて頂きます。 時期やタイミングを示唆せずに単に「近い未来に」と、期日を定めないで返答する場合に「いずれ」が用いられています。曖昧な返答でお茶を濁したいときには便利な言葉ですが、あまり頻繁に使うと「仕事をする気がない」「頼み甲斐がない」などと思われることになりかねません。

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初回公開日:2018年04月11日

記載されている内容は2018年04月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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