IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

「恐れながら」の意味の使い方・例文|メール/ビジネス

メール

ビジネスシーンでも耳にする「恐れながら」、堅苦しくて使うのにためらってしまう人もいるのではないでしょうか。人間関係やビジネスを円滑にしてくれるクッション言葉はぜひ使いこなせるようにしておきましょう。便利な「恐れながら」の意味や使い方を解説します。

更新日時:

「恐れながら」うまく使えますか?

「恐れながら申し上げます」、時代劇や時代物のドラマなどで、従者が主君に話をするときに片膝をついて話し始めているシーンなどで聴いたことは無いでしょか。「恐れながら」は古語というわけではなく、あまり意識していないけれど社会に出ると使っている人は実は少なくない言い回しです。 どんな時に「恐れながら」を使うのか、どんな相手に使っていい言葉なのか、その使い方や例文と一緒に確認していきましょう。

「恐れながら」の意味・使い方

目上の人に対してへりくだってものを言うときに使う言葉で、「(わたくしなどのような者が意見申し上げるなど)恐れ(多い事とは判ってい)ながら」といった意味です。一般的に話し始める前の文頭に置かれ、使い方としては「クッション言葉」と言われるもののひとつと分類されます。 クッション言葉とは、主に会話の相手に対して「お願い・依頼」「反対意見・反論」「拒否・断り」などの、そのまま伝えてしまうと冷たい印象となってしまう場合などに使われます。そういったマイナスの要素のある発言を、やわらかい印象にするための話し方・書き方のマナーとなります。

「ながら」の意味

「恐れながら」の使い方を考えるうえで「〇〇ながら」というものの使い方を改めて知っておきましょう。 「〇〇ながら」は「〇〇でありながら」「〇〇にもかかわらず」「〇〇とは言え」といった逆説的な用法で使われます。そして多くの場合、その逆説にの中にへりくだるニュアンスを含んでいます。 例えば「稚拙(ちせつ)ながら」とすれば、「稚拙(=未熟・幼稚)ではありますが」と言った意味になります。主に目上の人や、意見する事柄について自分より詳しい、深い立場にある人に対して使われます。

「恐れながら」の使い方

前述のとおり、お願いごとや反対意見などを伝える文の文頭に置いてクッション言葉として使われます。口頭での使用はもちろん、メールや手紙などの文章、そしてビジネスシーンでも問題なく使うことのできる便利な言い回しです。「恐れ乍ら」と記述する人もいますが「恐れながら」が一般的です。

古文書での「恐れながら」

時代劇などでも使われる「恐れながら」は昔から定型の形として使われてきたフレーズです。現在と同じように手紙の文頭のクッション言葉などで用いられる例も残っています。 例えば願状や訴状の最初の行において、「乍恐以書付御願奉申上候」という一文が良く見られます。これは手紙の書き出しの定型文のひとつで「恐れながら、書き付けをもってお願い申し上げ奉り候」という意味です。「乍恐」の部分が「恐れ乍ら」を指しており、当時では領主や地主などの目上の人への手紙であることが想像できます。

「恐れながら」の敬語での使い方

「恐れながら」は、主に目上の人や、自分よりもその物事に深い教養のある人に対して使う言葉で、友人同士や後輩などに対してはあまり用いられません。基本的にはへりくだって発言をするときに冒頭に用います。

「恐れながら」の意味の例文

クッション言葉である「恐れながら」は前述のとおり「お願い・依頼」「反対意見・反論」「拒否・断り」を伝える時などに重宝されます。具体的に「恐れながら」の使い方を見ていきましょう。

お願い・依頼

社会に出ると、相手方に何かを依頼したりされたり、時には無理なお願いをすることで仕事が回ります。そんな当たり前のこととはいえ、当然のように依頼を投げるのではなく、少しでも気持ちよく仕事を請け負ってもらえるように配慮されているのが日本における「ビジネスマナー」の役割のひとつです。 ・「恐れながら経理部門とお話頂き、ご対応お願いできませんでしょうか。」 ・「誠に勝手なお願いで恐れながら、何卒ご協力いただけませんでしょうか。」 ・「恐れながら至急ご対応いただけますようお願い申し上げます。」 ・「恐れながら、別案のご提示お願いいたします。」

反対意見・反論

「恐れながら」が一番使われる機会の多いシチュエーションがこの「反対意見」「反論」を言う時ではないでしょうか。特に上司や、目上の人のいる場での発言の際に用いられます。後に続く反論意見の印象を和らげる効果があるとともに「恐れながら」から始めることで「何か違う意見が出そうだ」と相手に少しの準備の時間を与えることもできます。 ・「恐れながら、今の計画ですと時間不足の念が否めません。」 ・「恐れながら申し上げます。当件については再検討の必要があると思われます。」 ・「課長、恐れながらその件は通達でストップがかかっております。」 ・「恐れながら例のプロジェクトは○○○○社との競合となっておりますため、現実問題開始は○月に間に合いません。」

拒否・断り

ビジネスの場面では、相手の言うことを聞いてばかりもいられません。取引先やお客様をはじめ、時には上司などの目上の人間に対してもその意見を拒否したり断ったりする必要があります。また、はじめから無理なことを言って来られるようなシチュエーションも珍しくありません。そんな時にも相手の機嫌を少しでも損ねないように配慮が必要です。 ・「前回お申し入れのありました○○の件ですが、上長とも相談いたしましたが、恐れながら了承しかねます。」 ・「恐れながら○○様のご提案はお受入れかねます。」 ・「ご連絡いただいておりました○○の件ですが、社内での検討の結果、恐れながら当社としては○○部分の変更にはご対応いたしかねますとの判断に至りました。」 ・「恐れながら次回の○○の打合せ後の懇談会は、○○のため欠席とさせていただきます。次回またよろしくお願い申し上げます。」

メールでの「恐れながら」の使い方

「恐れながら」は口語文語共に使うことのできる言い回しで、メールなどでも使用することができます。昨今ビジネスでの発注や依頼の方法は、相手と自分とに同じ履歴の残るメールが多用されています。 その際、少々無茶な依頼を掛ける時や、相手方に迷惑になるような可能性のある事の場合には、前述したような「恐れながら」をクッション言葉として用いると感じの良い依頼とすることができます。また反論やお断りなども同様です。

ビジネスでの「恐れながら」の使い方

「恐れながら」は口語文語共に使うことのできる言い回しです。メール、手紙、電話や直接など、仰々しすぎないため気軽に使うことのできる便利な一言としてスムーズに添えられるよう準備をしておきましょう。 定型的な言い回しでもある「恐れながら」は、急な依頼や相手にとって大変に厄介なものの場合には、メールやFAX内のその一言だけでは不十分と言える時もあります。直接口から出た「恐れながら」の方が重みもあり相手にも伝わりやすいため、電話を併用するなどの対策と気遣いが必要です。

「恐れながら」の類語と使い方

「恐れながら」の類語と使い方

クッション言葉にはさまざまな種類があり、「恐れ入りますが」と似たような意味合いの言葉も多々あります。文章内で何度も同じ文末や表現を使うことは美しくなく、文としても読みにくくなるということもあり、日本語のマナーとしては敬遠されています。 クッション言葉もそのシチュエーションや前後の文章、または使う相手に合わせて、さまざまな表現も使えるようにしておくと大変便利です。そんな「恐れながら」の類語とニュアンスなどの違いについてご紹介します。

「恐れながら」と「僭越ながら」の違い

「僭越(せんえつ)」とは「自分の身分・地位・立場などを越えて出過ぎたことをすること」という意味があり、分際や身分をわきまえずに出すぎることに恐縮する意味合いが暗に含まれています。 「何らかの出過ぎた振る舞いについていう」時に使う言葉でたとえば「自分よりも役職の上の人などを差し置いて挨拶やスピーチをする」時や、「目上の人を相手に意見を述べる」ようなシチュエーションで用いることができます。 「恐れながら」には「恐れ多いこと」という意味があるため、相手に対しての「無礼」や「失礼」を詫びる意味合いもあり、「分不相応」であることを指す「僭越」とは少々意味合いが異なります。 ・「その件に関しては、僭越ながらわたくしからご説明差し上げます。」 ・「僭越ながら○○が乾杯の音頭を取らせていただきます。」

「恐れながら」と「恐れ入りますが」の違い

では似た響きの「恐れ入りますが」はいかがでしょう。「恐れ入る」は「相手の好意などに対して、ありがたいと思うこと」「相手に失礼したり、迷惑をかけたりしたことに対して、申し訳なく思うこと」「あまりのことに驚くこと」「こわがる」など複数の意味合いを持っているため、その一部を「恐れながら」と同様に言い換えることは可能です。 ・「恐れ入りますが、○○の件につきまして再度ご検討いただけませんでしょうか。」 ・「ご連絡いただきました変更につきましては、恐れ入りますがお受けいたしかねますことご了承くださいますようお願い申し上げます。」 また、「恐縮ですが」もビジネスシーンでは最もよく使われるクッション言葉のひとつです。

「恐れながら」と「失礼ながら」の違い

「恐れながら」に相手に対しての無礼や失礼を詫びる意味合いがありますので「失礼ながら」と同じように使用することもできます。 ただし「恐れながら」よりもさらにへりくだったニュアンスを含むため、少々立場の弱い側(下請けや発注先)などから用いると「失礼ながら」の後に続く意見を押し通すのに少々足かせになってしまい、クッション言葉として機能しない恐れのある語句でもあるので使う時には少々注意しましょう。 ・「失礼ながら、書面をもってお願い申し上げます。」 ・「失礼ながらアポイントは取っていただいてますでしょうか。」 同じく「勝手ながら」などの言い回しもあります。

クッション言葉を使いこなしてスマートなビジネスを

「恐れながら」のようなクッション言葉は必ず必要な言葉というわけではありません。しかしこれらをうまく使うことによって敬語やマナーをわきまえた人だということをアピールすることができ、円滑なビジネスのひとつの武器となります。 ちょっとした一文ではありますが、スマートに場を選んで使いこなせるように、「恐れながら」をはじめ頭に入れておきましょう。

関連タグ

アクセスランキング