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「知は力なり」の意味や使い方・具体例・類語|イギリス哲学者

更新日:2024年01月08日

雑学・歴史

フランシス・ベーコンの言葉「知は力なり」や、その「知は力なり」という言葉の影響を大きく受けた4人のイギリス経験論者について論じました。言葉の細部に至るまで、詳しく論述してあり、倫理を学ぶ人には、必見の内容となっています。

「知は力なり」に類似した格言は、旧約聖書にも見られますが、根拠としては弱いところです。そこで、今回は、先述したイギリス経験論の哲学者たち、つまり、ベーコンの「知は力なり」という言葉の影響を強く受けたホッブズ・ロック・バークリー・ヒュームら4人の哲学者たちの考え方を解説していきます。 彼らは、それぞれ、前の世代に学び、自らの考えを発展させていった人たちですので、彼らを学ぶことで、よりベーコンの「知は力なり」という考え方に近づくことができるでしょう。 また、倫理の勉強としてこの記事を読んでいる人もいるでしょうから、ぜひ参考にしてみてください。

ホッブズ

主著:リヴァイアサン 「リヴァイアサン」の絵を見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。人は「万人の万人に対する闘争」という言葉を作った人で、生物は皆、自己保存の本能を持ち、自己保存をしようとするために、人間には欲望が生まれるという考え方です。 そこでホッブズは社会契約説を唱え、人民は主権者に自然権を全面譲渡するべきだと考えました。似たような考え方の哲学者にジョン・ロックがいます。次は、ロックの考え方について見ていきましょう。

ロック

主著:市民政府二論 世界史の教科書にも大きく出てくる人物ですから、知っている人も多いでしょう。そこで、ここでは、世界史の教科書にはあまり載っていない「タブラ・ラサ」という考え方を紹介します。 「タブラ・ラサ」というのは、「白紙」という意味で、人間は生まれながらに白紙であり、全ての感覚は、経験することによって得られるという考え方です。そのため、私たちに生まれながらに備わっているのは、経験によって得たいろいろな知識を加工し利用する力だけであるという考え方をします。 また、ロックは社会契約説や、抵抗権についても主張しているので、興味がある人はぜひ調べてみてください。

バークリー

主著:「人知原理論」 彼は、アイルランドの哲学者であり聖職者で、先述したロックの経験論の考え方を受け継ぎ、「存在するとは知覚されることである」という言葉を生み出した人です。 この言葉の意味は、全ての物事は、人間が経験し認識して初めて成立するという考え方で、偉大な哲学者であるイマニュエル・カントの考え方にも通づるものがあります。 また、彼の名前の日本語表記には、バークレーとバークリーの二種類がありますが、今回の記事では、バークリー表記法ですべて統一しています。

ヒューム

主著:「人間本性論」 ヒュームは、イギリスの哲学者で、「精神とは知覚の束に過ぎない」という言葉を生み出した人です。 この考えでは、人間の実体そのものを疑っており、この考え方は、デカルトの「われ思う故にわれあり」と通づる部分があります。 つまり、人間は、経験が一つ一つ積み重なって初めて存在が認められる生物に過ぎないということです。

哲学はつながっている

このように、哲学者はそれぞれ、密接に関わりあっています。今回紹介したベーコン・ホッブズ・ロック・バークリー・ヒュームの主張は、それぞれ少しずつ重なる部分があり、時代を経るごとに、少しずつパワーアップされて、現代に残されています。 ひとりひとりの主張について、彼らの本を読んで読み解いていくのは難しいですが(訳本を読んでもとても今期のいる作業になことでしょう)、彼らの紡いだ言葉をひとつひとつ追っていくことで、より彼らの主張が鮮明に見えてくるでしょう。 また、これから倫理を勉強する人は、「イギリス経験論者」「実存主義者」など、思考が近しい哲学者たちを体系づけて覚えていくと、よりわかりやすいですし、面白味も増していくはずです。 ぜひ、この考え方を、知識の習得に生かしてみてください。

「知は力なり」

今回は、フランシス・ベーコンの言葉である「知は力なり」という格言について詳しく見てきました。また、ベーコンの「知は力なり」という言葉の影響を受けた哲学者についても考えてきました。 ところで、皆さんがこの記事で得た経験を力として利用すれば、まさに、「知は力なり」という言葉を具現化したということになります。 この記事のみならず、本やインターネットなど、いろいろな媒体を利用して得た知を力に変え、皆さんがより大きな力を手にすることを願っています。

初回公開日:2018年02月23日

記載されている内容は2018年02月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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