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更新日:2024年06月29日
労働集約型の産業とはどういったものでしょうか。社会情勢や経済環境の変化に伴い産業の構造はどのように変わっていくのでしょうか。かつては中心だった労働集約型からの脱却をいかに進めていくかがこれからの働き方を考える上でとても重要になってきます。
目次
労働集約型では、とにかく生産の絶対数をあげていくことが重要です。そして資本集約型に比べて人件費もかかるため、基本的には薄利多売であることがほとんどです。利益を出すためには人を増やさなければならない。その結果一人当たりが産み出す利益はあまり多くないままですが、止まることはできません。 そのため労働集約型では、人が集まらなくなると途端に苦しくなります。規模の縮小を余儀無くされ一度縮小した規模を再び元に戻すのは容易ではありません。自転車操業に陥ることも少なくありません。
労働集約型になる要因としては、資本不足や業界の慣行社会の要請といったさまざまなものが考えられます。 まず資本不足に関しては、機械設備を導入して効率化や省力化を図ることができないことが人に依存せざるを得ない要因です。そのため初期の設備投資が必要な産業は新規の参入障壁が高いとも言えます。 業界の慣行に関していえば、ある程度の人手をかけるのが普通だという常識に囚われている場合に起こります。このような時は業界の経験がまったくない異業種からの参入の方がより効率的なやり方を導入できる可能性があります。 社会の要請については、たとえば送料無料とか給士へのチップがないなど特に日本ではサービスが無料だという意識があるため人を減らせないということに繋がっています。
労働集約型のビジネスモデルに関しては徐々にその継続の難しさや限界が見えてきています。高度成長期などの人が増え社会が右肩上がりに豊かになっている時期はよかったのですが、今の時代においては労働集約型のままでは生き残っていくことが難しいと考えられています。
日本の人口は徐々に減少しています。労働人口も今後劇的に増える見込みはないため、労働集約型の産業ではますます人手不足になることが予想されます。 そうなると人手を確保するためには人件費をあげて募集せざるを得ず、もともと薄利多売のビジネスモデルであることから収益性が悪化することが予想されます。労働集約型の産業自体が重労働であることが多いため今後増える高齢労働者にとっても厳しいとも考えられます。
今後ますます海外企業との激しい競争に晒されます。製造業などは海外の安い労働力で作られた製品との競争になります。飲食業などのサービス業や運輸業も内需が基本ですが、原材料を輸入に頼ることが多い状況を鑑みるとグロバル化の影響を免れることはできません。 テクノロジーの発展などにおいては、日本は海外に比べて遅れている現状があります。労働集約型産業における技術の導入もこれからはより必須のものになってくるため対応が求められます。
日本は国土面積に比べて人口が多いという特徴があります。また内需が活発でもあったため労働集約型で十分な経済発展を遂げることができました。しかし今後は人口も減少し海外企業との競争もあり労働集約型から脱却していくことが求められてきます。
IT産業といえば知識集約の産業のように感じられますが、実態は建設業界同様の下請け構造で労働集約型となっています。これはIT業界における予算どりが、何をなすかどんな技術を要するかではなく人月という人×時間で計算するところにあります。 成果物に対する評価ではなく時間的拘束に対する報酬というのは労働集約型の典型です。これを打破するには技術を平準化し誰でも高いパフォーマンスを発揮できるようなシステムの構築と教育が必要で、同時に顧客に対して対等に条件を話せる交渉力が必要です。このことが労働集約型からの脱却に必要な要素です。
介護も医療同様人を扱う業界です。介護業界が重労働でストレスの多い職場だということはよく知られています。体力的な面でいえば今後は介護ロボなどの導入で負担を軽減することと書類仕事を減らすためのデジタル化の推進などが考えられています。 しかしこれらの設備投資についても金銭的負担があるためなかなか導入できない施設が多いのが現状です。介護人口自体は今後も増え続けますので、国としての補助などを含めた解決策が求められています。
記載されている内容は2018年02月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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