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更新日:2024年06月29日
労働集約型の産業とはどういったものでしょうか。社会情勢や経済環境の変化に伴い産業の構造はどのように変わっていくのでしょうか。かつては中心だった労働集約型からの脱却をいかに進めていくかがこれからの働き方を考える上でとても重要になってきます。
目次
労働集約型とは、経済における産業形態の一つです。生産過程において資本的な部分が占める割合が低く人間の労働力に依存する割合が高いものをいいます。設備投資をするよりも人手を集めて人力による作業の多いものが労働集約型産業に該当します。 代表的な例としては農業や漁業などの第1次産業、サービス業や流通業などの第3次産業が労働集約型としてあげられます。また建設業などもこれに該当します。現代では徐々に労働集約型産業について限界が見受けられるようになっています。そのため働き方の見直しや効率化のためのさまざまな方策が模索されています。
労働集約型は文字どおり「労働」を「集約」させることで成立する産業構造です。たとえば発展途上国などの技術や資本が十分でないところをイメージするとよいでしょう。こうした場合に取れるのは人海戦術です。安い労働力を大量に、集中的に投下することで技術や資本の不足をカバーします。 労働集約型は比較的単純な労働であることを意味します。掛け算ではなく足し算で答えを求めていきます。そのため数が多ければ多いほど成果をあげられるというのがこれまででした。
労働集約型の対義語としては資本集約型というものがあります。資本集約型は労働力よりも資本設備への依存が高い産業をさします。鉄鋼、石油、科学などの大きな設備投資を必要とする重化学工業や装置産業がこれに該当します。 また労働集約型の一つの類型として知識集約型というものもあります。労働集約型が比較的単純な労働であることに対して、知識集約型は高度な専門的知識を必要としています。そのため高度であればあるほど他との差別化を図りやすいのですが、一方で収益を拡大するには高度な知識を持つものがたくさん必要であるという労働集約型の要素を持っています。
ここからは具体的に労働集約型産業の例をみていきましょう。中にはかつては労働集約型であったものの資本投下により脱却を図ることのできた産業もあります。
種まきから手入れ、収穫まで人手のかかることが多い農業。一人でカバーできる範囲には限界がありますので栽培量を増やそうとすると自然人手が必要になります。労働集約型はこのように売上を上げようとするとその分人手も必要になる産業です。 そのため売上に占める人件費の割合が高くなります。これを避けるために人件費が低く抑えられがちなのも労働集約型産業の特徴です。 農業に関しては個人から法人へと大規模化、機械化ができれば労働集約型から資本集約型への転換が可能で、実際に大規模農場などは最小限の人数で以前と同様の収穫量を得られるようになっています。
建設業は部門ごとに細かく分かれており、もともと人手が必要な産業です。特に早く仕上げようとすればその分人が必要となり人件費がかさむ要因になります。 建設業も機械化が進んできており、単純な労働集約型からの脱却を図っています。しかし最終的には人に頼る部分が大きく完全な機械化は難しいです。日本は建設業者の数が非常に多く多重的な下請け構造が問題にもなっています。 元請は知識集約型にシフトしていき下請け孫請けは労働集約型のままであるため、元請と下請け以下との格差が激しいものとなっています。機械化が進むとますます下請け間の受注を目指す競争が激しくなり賃金ベースも上がらない可能性も指摘されています。
製造業もかつては労働集約型の代表的な産業でした。しかし今では機械化が進み労働集約型からの脱却が進んでいます。製造ラインに人を配置して全員でモノを作っていくのではなく、オートメーションで機械のオペレーターを配置すれば済むようになっています。 ただしこれは大規模な工場の話で、小資本の工場ではまだ手作業に依存した生産体制をとっているところがほとんどです。特に職人的な技術が必要とされる製品に関しては機械によるマニュアルではなく、職人から職人への技術の承継が課題になっています。
記載されている内容は2018年02月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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