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第三債務者の陳述書の書き方|催促/無視/相殺/差押/仮差押

更新日:2024年01月10日

書類の書き方

第三債務者とは何か、なんの債務者なのか、借金返済を求められるのか、財産を差押えられるのか、不安な思いだけが先行しがちですが、本来の「第三債務者」の意味と役割、果たすべき義務を理解すると不安はなくなります。難しい言葉と思わず、具体的な事例を見つつ考えましょう。

第三債務者への仮差押えについては、民事保全法第20条第50条に規定があります。債務者が財産を処分することで、強制執行が行われなくなる事態を防ぐための予防策が仮差押えです。 仮差押命令は裁判所から第三債務者に対して出されます。この命令が来たら、第三債務者は債務者に対しても仮差押債権者に対しても支払いをしてはいけません。 しかし、そのままでは決着がつくまで支払うべき債務が残ってしまう事態にもなり、第三債務者にとっては煩わしいことですので、第三債務者は債権相当額の金銭を供託して債権者と債務者の金銭問題から解放されることができます。

第三債務者の相殺とは?

第三債務者は、差押命令が出た後に取得した債権と差押債権を相殺することはできません。これは民法第511条に定められています。 しかし、差押命令が出る前の債権であれば相殺することができます。また、差押後に他人から取得した債権であれば相殺できません。 具体的な例でいうと、①BからAに貸金債権発生。その後CからBに貸金債権発生。さらのその後AからBに貸金債権発生。CはBからAの貸金債権を差押えるが、この差押債権とAからBへの貸金債権は相殺できません。 ②BからAに貸金債権発生。AからBに貸金債権発生。CからBに貸金債権発生。CはBからAへの貸金債権を差押える。この差押債権とAからBへの貸金債権は相殺できます。

第三債務者への陳述書催促は無視できるのか?

第三債務者には陳述書を提出すべき義務があります。 陳述書は、その内容によって差押債権を決定しなければならない重要な情報源ですので、手元に届いたら無視せず虚偽なく記載して提出してください。 裁判所は、差押債権確定のため繰り返し連絡してくることが予測されますし、差押債務者の言うとおりの債権と第三債務者が認めている債権とで内容が違う場合に、それを訴えることができる機会が陳述書でもあります。

第三債務者はアパートを借りることができるのか?

自分と取引関係にある人が他の人との取引関係に滞りがある場合に、取引相手と自分との間の債務を差押えられるのが第三債務者であり、第三債務者自身には過失があるわけではないので、第三債務者となったことで権利に制限がかかることはありません。 陳述書の催告に対して忠実に取り組み報告することで、滞りのある取引関係の問題解消の一助となるのが第三債務者の役割です。 したがって、他の何等かの事情(他の件で借金がある、保証人がいないなど)があるわけでなければ、第三債務者としてアパートを借りることができないと言った事態には陥りません。

第三債務者の意義申立ての方法

第三債務者は、差押に対して債務不存在であると不服があれば差押を拒絶すれば足ります。それでも執行債権者が第三債務者に対して訴訟を起こせば、そこで債務不存在を争えば良いです。

法律に詳しくなろう

第三債務者というと、名前だけきくとなんだか責められているような不安な気持ちにさせられます。財産をすべて押さえられるのではないか、と連帯保証人と混同しがちです。 身に降りかかる火の粉は自分でも払わないといけません。そのため分からないことは逃げずにきちんと調べて取り組むことが肝心です。 専門官の力を借りても不明な書類などはしっかり確認して、不利益を被らないように心がけるべきです。

初回公開日:2018年02月20日

記載されている内容は2018年02月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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