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「お忙しいところ恐縮ですが」の意味|使い方や例文もあわせて紹介

更新日:2023年11月28日

言葉の意味・例文

「お忙しいところ恐縮ですが」という言葉の使い方をご存じでしょうか。本記事では、この言葉の意味や場合による使い分け、言い換え表現などを例文をまじえて紹介します。ビジネスシーンで「お忙しいところ恐縮ですが」を活用したい方は、是非チェックしてみて下さい。

「お忙しいところ恐縮ですが」には、相手に何かを依頼するとき、相手側の状況や事情に配慮していることを表す意味合いがあります。また、気軽に挨拶文がわりとして使われることもあります。 しかし、どんな状況でもお構いなしに使っていいわけではありませんし、使い方には注意するべきポイントがあります。 ここでは、その注意点を見ていきましょう。

内容を簡潔に伝える

クッション言葉として「お忙しいところ恐縮ですが」を使う場合、用件は簡潔にまとめて伝えましょう。 ビジネスメールでまとまりのない文章を書くと内容が曖昧になって、はっきりと伝わらない可能性があります。また、こんなわからないメールを書く人は仕事ができないのではないか、と悪い印象を持たれてしまうかもしれません。メールの文章はよく考えてスッキリとまとめ、シンプルにわかりやすく伝えることを心がけましょう。 メールの件名は「何についてのメールなのか」がわかるようにします。また、本文の最初に結論を持ってくると、伝えたいことがはっきりします。 件名のシンプルさや結論から入る機械的な構成は、相手に対して冷たい印象を与えてしまうのではと心配になるかもしれません。しかし、クッション言葉である「お忙しいところ恐縮ですが」を使うことで相手への敬意と配慮の気持ちを伝えられますし、文章全体がやわらかい印象になります。

「~してください」などの命令形は使用しない

「お忙しいところ恐縮ですが」は文章全体をやわらかな印象にしてくれるクッション言葉ですが、だからといって、文章のなかで「~してください」などの命令形を使用してはいけません。 「~してください」は丁寧な表現ではありますが、命令形です。単純な頼み事はもちろん、「打ち合わせは○時からにしてください」のように、相手の都合も聞かず一方的に物事を決める書き方では、いくら「お忙しいところ~」と一言そえていても失礼で配慮のない印象を与えてしまいます。相手が不快感を抱く可能性がありますし、社外の人が相手だった場合には、これからのやり取りに支障が出てくるかもしれません。 「~してください」ではなく「~していただければ幸いです」や「~していただきますようお願いいたします」といった丁寧な表現を心がけましょう。

相手や場面によって与える印象が異なる

ビジネスシーンでは一般的な「お忙しいところ恐縮ですが」という言いまわしですが、人によっては不愉快な印象を持つことがあるので注意しましょう。 「忙」は「心を亡くす」と書くために縁起が悪い字とされ、冠婚葬祭のおりには使わないほうが良いと言われています。ビジネスシーンでも同様に使うのを控えたいと思う人がいるので、相手の気持ちを見て使う必要があります。 また、「忙しい」という状況に対して「要領が悪いから忙しい」や「段取りが下手なので忙しい」といったネガティブな印象を持っている人もいます。こうした考えの人に対しては「お忙しいところ」を他の言葉に言い換えたり、「恐縮ですが」だけを使ったりするなどの工夫が必要です。

「お忙しいところ恐縮ですが」の類語・言い換え表現

先述の注意ポイントで、「忙しい」という表現に良い印象を持たない人がいるとお伝えしました。 そういう人とやり取りするときのために、「お忙しいところ恐縮ですが」と同じ意味になるフレーズ、言い換え表現も一緒に覚えておきましょう。バリエーションをいくつか用意しておくことで、ビジネスシーンなどで上手に活用することができます。 ここでは「お忙しいところ」と「恐縮ですが」のそれぞれについて類語を見ていきましょう。

「お忙しいところ」の類語

「お忙しいところ」の類語には「ご多忙の中」や「ご多用の中」があります。 「多忙」とは「非常に忙しいこと」の意味です。したがって、「ご多忙の中」は「非常に忙しい中」ということになり、「お忙しいところ」と言い換えることができます。 「忙しい」という字に良い印象がない人に対して使える類語が「ご多用の中」です。「多用」は「用事が多いこと、忙しいこと」の意味なので「お忙しい」と言い換えることができます。 「ご多忙」も「ご多用」も、それぞれの言葉に尊敬を表す接頭語の「ご」を付けた表現なので、上司や取引先の人など目上の人に対しても使っても問題はありません。

例文
  • ご多忙中とは存じますが、紹介した○○の件について、ご検討いただければ幸いです。
  • ご多用のところ恐れ入りますが、○日の会議には是非ご参加いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

「恐縮ですが」の類語

「恐縮ですが」は「恐れ入りますが」や「申し訳ありませんが」などの類語で言い換えることができます。 「恐れ入りますが」は尊敬語や謙譲語ではありませんが、へりくだった言いまわしなので、上司や取引先など、目上の人を相手にしたときでも使うことができます。 「申し訳ありません」は相手にお願いをする際に時間を使わせてしまうこと、手間をかけさせてしまうことへの謝罪の気持ちを表す言いまわしになります。また「恐れ入ります」にくらべてカジュアルな表現なので、目上の人に対して使うのはなるべく控えましょう。例文をあげておきます。

例文
  • 「ご多用中、恐れ入りますが、こちらの資料にお目を通していただきますよう、お願いいたします」
  • 「お忙しいところ申し訳ありませんが、次回の打ち合わせの際に資料をお持ちいただければ幸いです。よろしくお願いいたします」

「お忙しいところ恐縮ですが」の英語表現

「お忙しいところ恐縮ですが」を英語で表現すると「I'm sorry to bother you」となります。 「bother」には「わざわざ」や「迷惑をかける」といった意味があるので、「I'm sorry to bother you」は「御面倒をおかけして申し訳ありません」というニュアンスの文章になります。ビジネスシーンで使われることが多いフレーズなので覚えておきましょう。

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初回公開日:2017年12月15日

記載されている内容は2017年12月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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