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「お大事に」は敬語として正しいのか|気をつける点や例文などを紹介

更新日:2024年04月26日

敬語表現

相手の身体を気遣う時に、お大事にと使うことがあるでしょう。ビジネスシーンでも使われる言葉ですが、使う相手やシーンによっては失礼にあたります。この記事では、どんな相手やシーンで、お大事にという言葉を使えるか紹介します。気になる方は、ぜひ参考にしてください。

「お大事に」は、相手の体を労る敬語です。同じように相手の体調を気遣う敬語は、いくつかあります。 こちらでは、「お大事に」の言い換えとして使える敬語を、例文と合わせてご紹介します。「お大事に」と使いたいけれど、相手やシーンで使いにくい場合など、他の敬語を使いたい時に、ぜひ参考にしてください。

「ご自愛ください」

「お大事に」の言い換え表現として使えるのが、「ご自愛ください」です。「自愛」とは、自分の身体を大切にするという意味があります。「ご自愛ください」という言葉は、「健康を大切にしてください」という意味になります。 「ご自愛ください」を使う時に注意するポイントは、二重表現にならないことです。「ご自愛ください」の言葉の中に、体を大切にするという意味が含まれます。そのため、「お身体をご自愛ください」と言ってしまうと、身体が二重表現になってしまうのです。 ついつい「お身体を」という言葉を付けてしまいたくなりますが、二重表現になるため注意しましょう。

  • 朝夕の寒暖差が激しいため、風邪などひかれないようご自愛ください

「回復をお祈りしております」

「お大事に」は、風邪や軽い怪我で用いられる場合が多いですが、「回復をお祈りしております」は、体調が悪い場合や入院が長引きそうな場合などに使われる敬語です。 「回復」は、もとの元気な姿に戻ることを意味します。「お祈りしております」は「祈っています」の謙譲語であるため、上司や目上の人に対しても安心して使えます。さらに丁寧な言い方に変えたい場合は、「ご回復をお祈り申し上げます」とするといいでしょう。 「回復をお祈りしています」は少し堅苦しい言い方になるため、家族や親族に対して使うとよそよそしく感じます。「お大事に」と同様で、相手やシーンで使い分けましょう。

  • 一日も早いご回復をお祈りしております

「おいといください」

「おいといください」は、「お大事に」の類語です。相手の体調を気遣う言葉で、上司にも使えます。 「いとう」とは漢字で「厭う」と書き、「健康をかばう」や「健康を労る」といった意味をがあります。「おいといください」は、「ご自身の健康を労ってください」という意味になるのです。 手紙に使われることが多い言葉で、最後の挨拶として使われます。ひらがなで表現されることが一般的です。理由は漢字にすると読みにくいこと、さらには、「厭う」の意味に「嫌がる」というものもあるからと言われています。

  • 暑さで体調を崩されぬよう、くれぐれもお身体おいといください。

「静養なさってください」

「静養なさってください」も「お大事に」の言い換えとして使えます。よく使われるのが、お見舞いのときなどでしょう。 「静養」とは、心身を休めて疲労の回復につとめることを意味します。また、「なさる」は「する」の尊敬語であるため、目上の人に対しても使える敬語です。「静養なさってください」には、「心身を静かに休めて、健康の回復をはかってください」という意味になります。> 「静養」という言葉が、心身を休めて疲労の回復につとめるという意味であることから、入院するような病気や怪我の場合にも使えます。

  • どうかゆっくりと、ご静養なさってください

「養生なさってください」

「養生なさってください」も、「お大事に」の言い換え表現として使えます。「静養なさってください」の類語として扱われ、こちらも「する」の尊敬語である「なさる」が入っているため、目上の人や上司に対して使える敬語です。 「養生」には、2つの意味があります。1つは、病気や怪我が治るようにつとめること、もう1つは、病気にかからないように予防することです。 よって「養生なさってください」は、2つの意味で使うことができます。1つは、「お大事に」や「静養なさってください」と同じく、病気や怪我をした相手に、ゆっくり休んで回復に努めてくださいという場合です。もう1つは、風邪や怪我などに用心してくださいという意味で使えます。 どちらの意味でも、敬語であるため目上の人や上司に対して使っても、失礼にはなりません。ビジネスの場でも使えるでしょう。

  • お仕事のことはお気になさらず、ゆっくりとご養生なさってください

「お労りください」

「お労りください」の読み方は、「おいたわりください」です。「労る」にはいくつか意味があり、その中でも、養生するという意味が「お労りください」で使われます。 「お労りください」は、非常に丁寧な言いまわしの敬語であるため、目上の人や上司に対して使用しても失礼はありません。よく使用されるシーンは、メールや手紙の最後のあいさつが多いです。 ビジネスメールなどで、相手の体調を気遣う時に、「お労りください」と添えるといいでしょう。

  • くれぐれもお身体、お労りください

「お大事になさってください」の他言語での表現

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初回公開日:2017年12月09日

記載されている内容は2022年12月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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