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更新日:2024年09月20日
手紙やメールなどでよく使われる「略儀」という言葉は、よく目にするからと、意味もわからずに使うと、ひんしゅくをかうことになります。「略儀」の意味をしっかりと理解して使うことで、相手に信頼感を与えることができます。ここでは「略儀」の意味、使い方を紹介します。
地位や場所、慣習によってその形式が整えられている礼法のことを儀礼と言います。社会で一般的に受け入られているルールのことを表しており、日本人における儀礼は「お辞儀」がその代表的な行為です。 その儀礼を一部省略して簡素にしたことを、略した儀礼という意味で「略儀」と言います。この言葉は、手紙、メールでの締めの言葉として使われます。口語では使用しません。
この言葉が持つ意味は「本来ならば直接お会いしてお伝えすることですが、書中(メール)にて失礼いたします」という「礼」を欠くことを詫びる言葉です。もちろん、目上の方にも使えます。 また「略儀」は「礼儀を略す」だから使うな、などという人も中にはいますが、これは慣用句のため普通に使っても構いませんし、字面のとおり、後で先方に会いに行く必要もありません。
「りゃくぎ」と読みます。「りゃく」は省くことを表す「略」、「ぎ」は儀礼を表す「儀」の二文字で構成されています。
類語には「略式」があります。しかし、略式はあまり文章では使いません。むしろ、略儀の方がよく目にするでしょう。口語で略儀を使いたい場合には「簡単ではございますが」というように変えます。また、他には「取り急ぎ」「まずは」なども「略儀」と言い換えることができます。
「略儀」は、文章の末尾に使用する言葉です。そのため、この言葉を使用した後に文章を続けてはいけません。最後の締めとして使用すると、文章が締まって見えます。 手紙の場合には「直接会ってご挨拶申し上げるところ、書中にて失礼します」という意味を持ちますが、メールの場合にはさらに「手紙を差し上げるでもなく」という意味も付加します。 メールが広く利用されているとはいえ、やはり手紙の方がフォーマルという意識があり「直接挨拶に向かうところ、さらに手紙も差し上げずに」という二重のお詫びを表しますので、メールで「略儀」を使う意義は大変大きいと考えます。
「甚だ」とは、程度の強い様子や激しい様子を意味します。このため、略儀の前につけると「大変失礼をいたしますが」という意味になります。手紙でもなく、会いに行くでもない、二重に礼を欠いているメールにはやや使いづらい表現です。 ・メールにて使用:「甚だ略儀ではございますが、メールにてご挨拶申し上げます」 ・手紙の場合:「メールにて」の部分を「書中にて」に変えて使用します。 ・手紙での使用:「甚だ略儀ではございますが、書中をもってご挨拶申し上げます」
退任・転任の挨拶を一斉メールする場合や、時節の挨拶のメールでもよく使われる文例です。 ・メールにて使用:「略儀ではございますが、まずはメールにてご挨拶を申し上げます」 ・手紙にて使用:「略儀ではございますが、まずは書中をもってご挨拶を申し上げます」
「略儀」はお礼状などでよく見られます。「まずは」を略儀の前につけると、より丁寧な印象を受けます。 ・メールにて使用:「まずは略儀ではございますが、メールにてお礼を申し上げます」 ・手紙にて使用:「まずは略儀ではございますが書中にてお礼を申します」
記載されている内容は2017年11月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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