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「不躾ながら」の意味と使い方|ビジネスで使えるメール例文も

更新日:2024年02月11日

敬語表現

「不躾ながら」の本来の意味と使い方を紹介します。「失礼ながら」や「僭越ながら」などる類語と比較して「不躾ながら」を適切な敬語表現として使ってください。「お願い」や「恐縮」など他の語とうまく組み合わせることで、よりよい敬語表現になります。

それでは、「不躾ながら」という言葉をもとにして、ビジネスで使える敬語表現をいくつか考えてみることにします。「不躾」という単語の前後にいくつかの言葉をつけることで、ただたんに「不躾ながら」と言うよりもずっと敬語らしい表現ができます。 ここでは、「お願い」や「恐縮」や「誠に○○と存じますが」などと「不躾」とを結びつけてみます。すると、相手に失礼にならないどころか、相手に対する敬意をきちんと表現できる敬語表現になります。

不躾なお願いでございますが

「不躾ながら」を「不躾な」と言い換えてみると、そのあとに名詞をおくことができます。もちろん「不躾な私ですが」などと、ふつうの名詞ではなく「人」を形容することもできますが、これはあまり使わない表現です。 ビジネスでは、相手に何かお願いをすることが多いので、お願いの前に「不躾な」をつけるといいでしょう。 「不躾なお願いではございますが、何卒ご理解賜りたく存じあげる次第です。」

不躾で大変恐縮ですが

「恐縮」とは「恐れて身が縮みあがること」ですから、相手に何かお願いをしたり、相手から何か厚意を受けたりしたときに使える敬語表現です。 この「恐縮」と「不躾ながら」を組み合わせて使うと、何かお願いしたいときにかなりへりくだった表現をすることができます。 「不躾で大変恐縮ですが、お願いの儀あり、お手紙を差しあげる次第です。」

誠に不躾とは存じますが

「誠に」とは「本当に」という意味ですが、この言葉を「不躾ながら」や「失礼ながら」などとあわせて用いると、より丁寧な表現になります。また、「思う」を謙譲語の「存じる」を使って、何か率直な意見をったりお願いをしたりするときの前置きとして適切な表現になります。 それにさらに丁寧語の「ます」を加えることで、「意見を述べたい」ということを丁寧な敬語で表現することができます。 「誠に不躾とは存じますが、当方の単刀直入な意見を述べさせていただきます。」

「不躾ながら」の用例

「不躾ながら」という敬語表現をどのように使えるのか、いくつかの場面でその用例を考えてみます。話し言葉として「不躾ながら」を用いることはあまりありませんので、メールと手紙でその用例をつくってみましょう。

メール

「○○社○○様 秋晴れの候、貴社にはますますご繁栄のこととお慶び申しあげます。 さて、本日メールを差しあげたのは、当社としては、不躾ながら貴社の提案に対していくつか申しあげねばならないことがあるからです。」

手紙

「拝啓 梅雨晴れの侯、貴社におかれましてはますますご発展のご様子、いつも拝察いたしております。 さて、本日お手紙を差しあげましたのは、誠に不躾とは存じますが、貴社にお願いしたい重大な案件があるからです。」

「不躾ながら」と「不仕付けながら」の違い

「不躾ながら」と「不仕付けながら」は同じ読み方をするとともに、ほぼ同じ意味で使うことができます。礼儀作法を身につけるよう教えることを「しつける」といいますが、「躾ける」とも「仕付ける」とも書けます。しかし、まったく同じかというとそうではありません。 「躾」は漢字の成り立ちからいうと、「身」を「美しくする」ということで、礼儀作法を身につけるという本来的な意味の言葉です。それに対して「仕付け」は裁縫に用いる言葉で、縫い目や折り目をきちんとするためにあらかじめざっと縫っておくことをいいます。それを人の礼儀作法の教育に当てはめて使ったのが「不仕付けながら」です。

「不躾ながら」をうまく使いこなしましょう

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初回公開日:2017年11月23日

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