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「申し付ける」の意味/類語/使い方・敬語表現の例文

更新日:2024年01月20日

敬語表現

「申し付ける」は「申す」という言葉がはいるので、その使い方に迷う人も多いでしょう。よく使う「お申し付けください」も使い方に迷います。個々では、「申し付ける」の意味や「お申し付けください」は間違いなのか、用例やビジネスシーンでの使い方をご紹介します。

「申し付ける」の意味は?

「申し付ける」は、「申す」というやや強めの言葉が含まれていますが、命令などの強い意味ではありません。 一般的には、依頼や希望、お願いごと程度の要求を伝えるときに使う言葉です。「申し付ける」は、「言い付ける」の謙譲表現で、相手への敬いの気持ちを込めて、へりくだった言い方になっています。 もっとも使われる文例は、「お申し付けください」ではないでしょうか。この文例では、尊敬の接頭語「お」がついたうえに、尊敬語の「ください」で結んでいます。 とても丁寧な敬語表現になり、目下から目上の人へ、またビジネスではお客様や取引相手などに対し、なにかあれば知らせてほしいというお願いの気持ちを謙譲しつつ、伝えるときに使います。

「お申し付けください」は間違っている?

本来は、「申し付ける」は「言う」の謙譲語である「申す」を使っている言葉なので、目上の人に対して使うのは『間違っている』とされていました。 しかし、今では間違いとは言い切れなくなっています。「申し付ける」においての「申す」は、その謙譲の意味はほぼ失われてしまい、あらたまった気持を表現する丁重語と認識されています。 補助動詞「ください」が、「〜してほしい」という意味で、「申し付ける」を使うフレーズ全体を尊敬語に変化させているのです。 同じように「申し込む」の「お申込みください」や、「申し越す(意味:手紙や使いなどで,言って伝える)」の「お申し越しください」も、「申し付ける」と同じ理由で間違いとは言い切れなくなっています。

間違いではない!

言語は日々変化するもので、多数の人が普通に使うようになると、間違いとされたものも間違いではなくなります。「申し付ける」の丁寧な表現「お申し付けください」も、そんな変化をした日本語です。 しかし、人によって、特にご年配の方の中には「申す」=謙譲という感覚もあるのも事実なので、「申し付ける」は相手によって、別な言い方や言葉にした方が無難な場合もあるでしょう。

「申し付ける」の類語

では、実際に「申し付ける」を言い換えるとしたら、どんな類語で言い換えることができるでしょうか。似ている言葉でも、言い換えには使えないものもあります。

申し渡す

「申し渡す」は、“目上の人から目下の人に何かを言い渡す”時に使う言葉です。例えば、上司から部下へ「謹慎を申し渡す」などとなるでしょう。ですから、意味合いからわかるように、「申し付ける」のように接頭語の「お」と尊敬語の「ください」をつける使い方はしません。

言い渡す

「言い渡す」は、“口頭で命令や判決などを知らせる”ことで、類語には「宣告する」という言葉もあります。また、単に“言葉を伝える”という行為を表現することもあります。 「言い渡す」も「申し渡す」と同じで、意味合いから丁寧な表現にはしない言葉です。

申し伝える

「申し伝える」は、「言い伝える」の謙譲語です。ビジネスシーンなどでは、電話の取次ぎなどで使う言葉で、“取りついで申し上げる”ことを言います。つまり、自分が伝えるべき人に伝える行為を謙譲で表現しています。 謙譲語であるところからもわかるように、自分の行為に対してのみ使う言葉で、他の人の行為に対して「申し伝える」ことはありません。伝えてほしいと依頼する場合には、「お伝えください」や「お伝え願えませんか?」といえば、充分に丁寧な依頼の表現になります。

おっしゃる

「仰る」(おおせる)から転じた言葉が「おっしゃる」です。「言う」の尊敬語として、目上の人が“言われる、おおせられる”という意味があります。たとえば、「社長がおっしゃいました」や「先生がおっしゃった」などと使います。 また、「~とおっしゃる」とした時には、「~という名でいらっしゃる」の意味になります。「さいとう様とおっしゃるお客様」や「何というお名前でいらっしゃいますか?」などと使います。 「申し付ける」の丁寧な表現の「お申し付けください」の言い換えとして、「おっしゃってください」にすることも可能です。ニュアンス的には、「お申し付けください」の方がやや丁寧な感じを受ける人が多いでしょう。 「おっしゃってください」を「どうぞいつでもおっしゃってください」などとクッション言葉を一緒に使い、より丁寧さを加えるのがいいでしょう。

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初回公開日:2017年11月16日

記載されている内容は2017年11月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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