「たらしめる」の意味と使い方・類語・用法と言い換え方法

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そんなに目にすることはないけれど、たまに聞くことがあるこの言葉の意味はどんなものでしょうか。なんとなく、否定の言葉に聞こえなくもない「たらしめる」の意味は「〇〇としてあるようにする」「〇〇にさせる」ことです。 名詞、または名詞に準ずる語の後につけて使います。「人間たらしめる」「トップたらしめる」などです。

「たらしめる」は助動詞である「たり」と使役の助動詞である「しめる」の組み合わせでできている言葉です。 「たり」の変形した後である「たら」は「〇〇である」という意味です。「しめる」は「他のものにさせる意味（使役）」を表します。閉める、締める、占めるとは意味が違います。この「たらしめる」に使われる「しめる」は「〇〇をさせる」という意味を持つ「しめる」です。 このため「たらしめる」は「〇〇であるようにする」「〇〇させる」という意味となります。

助動詞とは「行かれる、行った、行きます、行きたい、行こう」などの「れる・た・ます・たい・こう」などの部分です。「たら」は、助動詞「たり」の未然形で「肯定的な断定」を表します。意味としては「〇〇である」という断定を表すものになります。 「しめる」の使役の助動詞とは「嘘をつかせる」「宿題をさせる」などの「せる・させる」の部分になります。つまり「しめる」意味は「〇〇させる」となります。 このため「たらしめる」は「〇〇にさせる」という言葉と同じ意味で、対象をその状態にするように促した結果を表します。「たらしめる」は、名詞および名詞に準じる語の後につきます。

例文を挙げてみます。「彼の人格が彼を大統領たらしめたのだ」と例文の「たらしめる」を類語である「〇〇にさせた」と言い換えてみましょう。そうすると「彼の人格が彼を大統領にさせたのだ」なり、途端にわかりやすくなります。 しかし「〇〇にさせた」だけでは後述の「ならしめる」と同じ意味になってしまうため、注意が必要です。この「たらしめる」を意訳すると「（内面的な力によって）をさせる」となるため、この例文は「人格」という内的な力の作用が「彼」という主語に働きかけて「大統領」という結果をもたらした、という意訳になります。

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「たらしめる」は、対象を「ある状態」にするよう促すという意味があります。ですので、前述したとおり「〇〇にさせる」や「〇〇の状態にする」が「たらしめる」と同じように使うことができます。 「たらしめる」ために働く力は、内面の力や自発的な力で、という意味が強いため「ならしめる」は類語には入りません。 例文の「たらしめる」を「〇〇にさせる」や「〇〇の状態にする」置き換えると、同じ意味で使われていることがよくわかります。もっとも、普段は「たらしめる」は使うことのない言葉で、「〇〇にする」や「〇〇の状態にする」の方が使い慣れ、聞き慣れています。

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「たらしめる」は、主に文章で使うことが多い言葉です。硬い印象を受けるため、普段はあまり使うことはないでしょう。 また、ビジネスで使う場面も、そんなにはありません。しかし、もし使っている場面に遭遇して意味がわからなければ恥をかいてしまう可能性もあるため、頭の隅にでも入れておいても損はないでしょう。

そうはいっても、言葉の説明だけではよくわからない「たらしめる」なので、例文を使って、その使い方をご紹介します。

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これを直訳すると「人格が彼を大統領にさせた」となります。彼の資質・人格が、彼に作用し、大統領という結果を導いたとなり、意訳すると、彼の持つ資質や人格が、彼を「大統領」という立場に導いた（させた）という意味になります。 そのため、「彼の（リーダーシップなどの）人格（力）が彼を大統領にさせた」となり、「彼の内的要因が大統領という結果になるようにさせた」というようになります。