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「しておりません」の意味と使い方・敬語・意思を示すのか

更新日:2024年01月09日

敬語表現

「しておりません」の上手な使い方をご存知でしょうか。実は「しておりません」を使うことによって問題を解決したり、取引先の気分が損なってしまうのを避けることができます。この記事から「しておりません」の上手な使い方を学びましょう。

「しておりません」では意思を示すことは難しい!?

意志とは簡単に言うと「何かをしようとする考え」です。つまり、誰かに自分の意思を示すためには、事実を伝えるのではなく自分が何を考えているかを伝える必要があるということです。 ですが「しておりません」を使ったとしても、何かをしていなかったという事実を伝えるだけで、その時に特定の人が何を考えているかまでは伝えることができません。もちろん「しておりません」と言うことによって、何かをしていなかったのには事情があることや申し訳ないと感じていることを悟ってもらうことができます。 それでも、していないのはなぜか、本当は何をしたいと考えているのかを「しておりません」で表現することはできません。実際のところ「しておりません」で意思を示すためには限界があるのも事実です。

「しておりません」と「していません」の違いとは?

「しておりません」と「していません」には違いがあることをご存知だったでしょうか。意外と知られていない細かい違いについて、しっかり理解しましょう。「しておりません」の上手な使い方も自然とわかってくるはずです。

「しておりません」は目上の人が動作主となる

例えば、会社にいる時の会話で、あなたの上司が特定の仕事をしたかどうか、確認しているとします。その場合は「しておりません」を使う必要があります。なぜなら、その仕事をしていなかったのが、自分の目上の人、もしくは上司にあたるからです。 この同じ場面で「していません」を使ったとしましょう。会話の相手はどのような印象を受けますか。もちろん、自分と会話をしている人の動作について話しているわけではありませんので、相手に対する敬意が欠けていると思われることはありません。 でも、会話の相手は「上司について話しているにもかかわらず、不敬な言葉遣いをするな」と心の中で感じてしまうことがあります。なぜなら、自分の上司が何をしたかについて会話しているからです。言葉遣いには上司に対する見方があらわれていると会話の相手は自然に考えるのではないでしょうか。 では、どのような場面で「していません」を使うことができるのでしょうか。

「していません」の動作主は同僚か部下にあたる

同じような境遇で、自分の部下もしくは同僚が特定の仕事を行なっていなかったとします。相手に対してその事実をどのように表現することができるでしょうか。率直に「していません」を使いながら、部下がまだ仕事に手をつけていないことを伝えることができます。 なぜ「していません」と言うことができるのでしょうか。理由は簡単で、仕事をしていなかったのが自分の部下にあたるからです。たとえ自分と会話をしている相手が上司だったとしても問題はありません。おそらく、ほとんどの人は自分の部下の行動に関して会話をしている時に「していません」の言葉を選択しているはずです。 会話の内容の動作主が部下なのにも関わらず「しておりません」を使うのであれば、逆に不自然な印象を受けることもあります。自分と会話をしている相手には「言葉の使い方を知らない人だな」とか「部下に対してその言い方は不自然でしょ」と感じられてしまう場合もありますので、注意する必要があります。

動作主だけを意識して「しておりません」を使う

「しておりません」は基本的に会話の相手に対して敬意を示すフレーズではありません。そうではなくて、動作主に対する敬意を示すことのできるフレーズです。 そのため、「しておりません」を使うかどうかを判断する際には、自分と会話をしている人が年上か年下かを考える必要はありません。むしろ、会話の内容の人が年上か年下かを判断すると良いでしょう。そのようにして「しておりません」と「していません」を上手に使い分けることができます。

「しておりません」の丁寧語って何?

「しておりません」も丁寧語の一つなので目上の人に対して迷うことなく使うことができるでしょう。しかし、人によっては丁寧語であったとしても古い言い回しをしている「しておりません」は普段の会話では使いにくく感じることがあります。「しておりません」の実用的な丁寧語についても調べてみましょう。

「していません」も丁寧語の一つ

日常会話では丁寧語でもある「していません」を使うことができます。会話をしている相手が上司であったとしても、このフレーズを言われることによって不快に思う人はいないでしょう。 ちなみに、「していません」と同じような表現として「してません」をあげることができますが「してません」は丁寧語ではありません。なぜでしょうか。「してません」の場合は、補助動詞が省略されているからです。つまり「していません」に含まれているはずの補助動詞「いる」が「してません」には含まれていないことになります。 そのため、職場の上司に対して丁寧語を使いたいと考えているのであれば「してません」は使わない方がいいです。むしろ「していません」と正式な丁寧語を用いることにより、上司に対する敬意を示すことができます。

「しておりません」は事実を和らげる!?

本来しなければいけなかった仕事を期限までに終えることのできなかった、という経験を誰でもしたことがあるはずです。そんな時に対処しなければならない問題とは「どのように説明するか」です。なぜなら、説明の仕方によっては相手を怒らせてしまうこともあるからです。 でも上手に「しておりません」を使うことができれば、仕事が期限に間に合わなかったという事実を伝えることができるだけでなく、「申し訳ありません」という考えも同時に伝えることができます。本当に便利な言葉と言えるのではないでしょうか。 「しておりません」で事実を和らげて、直面する問題を上手に切り抜けていきましょう。

初回公開日:2017年12月13日

記載されている内容は2017年12月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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