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「こまっしゃくれた」の意味と使い方・方言・語源・類義語|子供

更新日:2024年01月07日

社会人常識

“こまっしゃくれた”という言葉、みなさんも使ってらっしゃいますか?意味もなんとなくわかりますよね?でも、なんだか不思議な響きの言葉。どこかの方言なのかしら?そもそも、こまってるの?しゃくれてるの!?そこで、今回は「こまっしゃくれた」の意味や使い方を紹介します。

「しゃくれ」とは?

では「しゃくれる」とは何でしょうか 「しゃくれる」→の元となった「さくれる」と言う言葉は、「子供が賢いふりをする」と言う意味を持ちます。小賢しい=こざかしい=「さかしい」は「さくじる」という、平安時代に使われていた言葉から転じた語です。 「さくじる」は、「さかしら(賢しら)」という、さも利口そうに、差し出がましく振る舞う様を表した言葉と同源と言われています。 他に「こまじゃく(高麗尺)」という言葉があります。「高麗尺」は、大宝令(701年に制定された日本の律令)制定以前に朝鮮半島から伝わった長さの単位であり、土地を測量する際に使われました。こちらを語源という説もありますが、「生意気な」という意味とは全く合致しません。 他の語源説としては 「馬が、蹄で土を蹴って地面に穴をあける」という意味の 「駒さくる」 からきているとする説があります。ですがこちらも、土を蹴っている馬の動作が「こましゃくれる」 の意味と合致していません。 そして気になる「しゃくれ」。 「しゃくれ」ているものと言えば、顎です。顎がしゃくれていると言う所からこの言葉が生まれたのでしょうか。 実は語源説の中に「顎を突き出す様を表す」としたものもあります。本当に顎が「しゃくれ」ているところから言葉ができているという説です。 「しゃくれ」とは、普通は下の歯は上の歯よりも奥に下がっていますが、下の歯の方が、上の歯よりも前へ出ているということを言います。骨格や、歯の生え方でこういった症状が出る受け口(反対咬合)もしゃくれと言います。また、顎が長いタイプの方も、しゃくれと呼ばれたりします。 「このこまっしゃくれた子はホントかわいくないわ。」の意味は「この受け口の子はかわいくない」と言っているわけではなく、「子供が利口ぶって顎を突き出してえらそうにしている様子」といった姿をを思い浮かべることができるのではないでしょうか。

使われ出したのは平安時代?それとも江戸時代?

さてそれでは「こまっしゃくれる」という言葉が使われ出したのはいつ頃なのでしょうか。 元禄13(1700)年発行の浮世草子『御前義経記(ごぜんぎけいき)』に「こましゃくれる」という言葉が見られます。義経伝説を下敷きにし、主人公が諸国の遊里を旅しながら色道の研鑽 (けんさん) を積んでいくさまを描いた物語です。 出版された1700年というと江戸時代(1603年~1868年)になりますので、「こまっしゃくれた」という表現は、江戸時代には一般的に使われていたと考えられます。 「こまっしゃくれた」という言葉が、江戸時代から現代まで脈々と受け継がれてきた言葉ということがわかります。江戸時代に生きていた人も、現代に生きる我々と同じ言葉を使っていた証拠です。

「こまっしゃくれた」の類義語・類語は?

「こましゃくれる」とは、子供が「生意気な」態度を取るという意味なので、同じような意味を持つ言葉に言い換えることができます。 例えば「大人ぶる」「小生意気な」「ませた」などです。「こまっしゃくれたこどもだな」→「小生意気なこどもだな」となります。 ただし、この言葉を発する時のニュアンスで、かなり意味合いも変わってくると言えます。怒って「こまっしゃくれる」を使えば完全に否定のニュアンスですが、笑って言えば、「生意気だけれど賢い子」「大人びていてかわいい」と言った好意のニュアンスが入ってきます。

「こまっしゃくれた」の使い方

「こまっしゃくれた」の使い方を考えてみましょう。 用例) 「このこまっしゃくれたガキめ」 「そんなこまっしゃくれた物言いでは気に入ってもらえない」 「大人びてこまっしゃくれたワンピースを着ている子がいる」 「あの犬、こまっしゃくれた目をして、すごくかわいい」 良い意味、悪い意味、どちらにでも使えるこの言葉。文章にするときにはそのニュアンスが伝わらないので、注意しましょう。

「こまっしゃくれた」を使ってみよう!

いかがでしたでしょうか。今回は「こまっしゃくれた」の意味や使い方をご紹介しました。 あなたの周りにも「こまっしゃくれた」子はいますか。それともあなた自身がこどものころ、「こまっしゃくれて」いましたか。 小生意気な子に使う「こまっしゃくれた」という言葉の意味や使い方、語源を理解していただけましたでしょうか。方言のようで方言ではない、実は江戸の昔から使われてきたこの言葉を使って、日常会話の鮮やかなアクセントとしてみてください。ただし、使うときの表情には気を付けましょう。

初回公開日:2017年12月02日

記載されている内容は2017年12月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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