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更新日:2024年07月10日
「いいことずくめ」は「いいことづくめ」とも言われますが、一般的なのは「ずくめ」です。また「ずくし」や「いいことだらけ」などの言い方もありますが、「いいことずくめ」とは何が違うのでしょうか。「いいことずくめ」の意味・意味合いの違いなどを説明しました。
目次
「いいことずくし」は「いいことずくめ」と語尾が異なりますが、「いいことずくめ・づくめ」と同じように「いいことづくし」の読み方もされます。読み方はどちらでも良いのですが、「尽くし」という言葉は「づくし」と読むことが基本です。「尽くめ」は「ずくめ」で「尽くし」は「づくし」と読む、ということが一般的な読み方になります。
「尽くめ」と「尽くし」の違いですが、「尽くめ」は「そればかり」という意味であるとお伝えしました。ならば同じ漢字で似た読みの「尽くし」も同じ意味があるのではないかと思われがちですが、「尽くめ」と「尽くし」では意味が違います。 「尽くし」は「尽くす」の連用形であり、名詞に付けて使用します。意味は「類を全てが並べ上げる」で、たとえば「花の種類全てを揃える」といった意味合いで用いられます。「尽くめ」=「まみれ」で、それがたくさんあるということを表し、「尽くし」=「同じ類を並べる」で、同じ種類のものがたくさんあることを表しています。
「いいことだかけ」の意味は「それがたくさんある」または「それが一面に広がる(それのために汚れる)様子」です。「いいことずくめ」の「尽くめ」は「まみれ」や「だらけ」と同義で、いずれも「それがたくさんある」という意味があります。ただ、「ずくめ」「まみれ」「だらけ」はニュアンスが異なります。
「ずくめ」は「それがたくさん」の意味合いが強く、たとえば「黒い服装に黒い帽子をかぶって黒い靴を履いている」など全身黒色ファッションのことを「黒ずくめ」と言います。このように「一つのものがたくさんある」ことを「ずくめ」の言葉で表します。 「まみれ」は漢字にすると「塗れ」で、何かが「塗る」ように広がるさまを表す言葉です。「ずくめ」よりも収まりつかないイメージが強く、「泥まみれ」や「猫まみれ」などゴチャゴチャしている印象を与える表現になります。「だらけ」と「まみれ」は、区別がつかないほど同義な言葉です。
「いいことずくめ」「いいことづくし」「いいことだらけ」といった表現がありましたが、いずれもニュアンスが違います。日本語は言葉から察せられるイメージによって、似た言葉でも意味合いが異なります。「たくさんある」と言ってもそれがどのようにたくさんあるのかを細かく説明する時に、意味合いおよひニュアンスの違いが明確になってきます。
「ずくめ」は「黒ずくめ」といったように、まとまりのある「たくさん」を表す言葉です。「いいこと」にもいろんな種類がありますが、「いいことずくめ」では「良いと言えることがたくさんある・たくさん起きている」ことを言い表す時の言葉になります。 「まみれ」や「だらけ」よりも汚ないイメージがされず、それがたくさんあるというイメージだけを与える言葉です。そのため、良いことがたくさんある時は「だらけ」よりも「ずくめ」を使用した方が伝わりが良いと言えます。
「づくし(ずくし)」は、同じ種類のものを並べ上げることを表す言葉です。「いいこと」にはいろんな種類があると言いましたが「づくし」で表すことができるものは「同じ種類のもの」なので、祝い事など各事柄に共通する点がある場合は「いいことづくし」とも言えます。 たとえば、100円玉を拾って・自販機で当たりが出て・赤信号に直面しなくて・たまたま綺麗な夕日が見れて・レジ打ちの人が親切でなどのラッキーなことが続く時には、各出来事に事柄としての共通点がありません。そのラッキーことの内容にある共通点は「自分がラッキーだと感じた」という自己の気持ちだけなので、事柄の種類は同じではありません。 そのため、同じ種類のものを並べ上げる意味の「づくし」ではなくて、たくさんあることを意味する「ずくし」を用いた方が言葉としての適切な表現ができると考えられます。幸せな結婚式が続いた時には同じ事柄が続いているため、「づくし」を用いた「いいことづくし」でも表現できます。
「だらけ」は「まみれ」と同じように、乱雑にたくさんあることをイメージさせる言葉になります。そのため、良いことがたくさんあることに対して何らかの不信感や不安がある時に「いいことだらけ」の言葉を使用すると良いでしょう。 たとえば「良いことが起き続けていることはありがたいけど、何か悪いことが起きる前触れかも」などと、幸福と不幸を表裏一体で考えてしまう人もいます。「良いことばかり起きてどうしちゃったんだろう」という思いが生じた時には、「いいことだらけでちょっと不安」などの言い方で、心情を伝えましょう。 また、何かの待遇などを見て「いいことだらけだね」というセリフが用いられることもあります。このセリフには「良いことしか書いてない」=「何か裏がある」というニュアンスが含まれていることもあり、そういった不信感については言い方から察せられます。
「まみれ」は「だらけ」と同義であり、ニュアンスとしても大差ありませんが、「いいことまみれ」という言い方はされません。その理由は、「まみれ」は「だらけ」よりも汚ない意味合いが強い言葉だからです。「まみれ」には「たくさんあって困る」という意味があるため、「いいこと」がたくさんある表現をする時に「まみれ」は使用しません。
記載されている内容は2017年11月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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